*注意*

この短編は「とらドラ」第19話迄を見てないと判り難いかも知れません。それを踏まえた上で、お読み下さいませ。

勢いで書いた、傷心の男女の在り来たりなクリスマスイヴの一夜話です。

 

 

 

 

 

寒風は収まっていたが、12月も終わりのみえる24日の晩の事。

そう・・今日は、いわゆるクリスマスイヴ、恋人達の運命の日。夜空には綺麗な星が煌めき、美しい姿を見せていた。

 

その静かな夜空に、一人の少女の絶叫が響き渡ったのを知る者は多くない。

偶然が、状況を左右したと言えなくも無かったが・・日も悪かった。何故なら、今宵はクリスマスイヴだったからである。

 

もし季節が夏であったならば、誰かが家で窓を開けていて、その少女の悲鳴の様な嗚咽の絶叫を聞いたかも知れないが、

年の暮れの寒い盛りだけに、何処も窓を閉め切って暖を取っている。

生憎・・どこの家庭も浮かれてる夕食時という事もあったのだろう。それを聞いた者は極少数だったのが、少女にとって幸運だったのか?

それとも不幸だったのであろうか? 余りにも儚げな小柄で華奢な少女は、可愛らしく、かつ長髪で、まるで人形の様な造形美であった。

 

少女の名を、逢坂大河という・・16歳の高校2年生である。

彼女は、自分を気遣ってくれる竜児を部屋から送り出した後・・竜児が貸してくれたマフラーに気付き握り締めた時、胸が痛んだ。

そして・・知らずのうちに流れ落ちる涙が止まらず、大河はようやく気付いた。

自分の心の奥底に封じ込めていた、竜児への熱い想いの丈を・・。

 

 

 そうか・・私、何時の間にか・・ずっと竜児に縋ってたんだ。ずっと竜児の優しさに癒されて・・でも、もう終わりになった。

 だって・・みのりんは、きっと竜児に惹かれてる。それに竜児も、みのりんの事が本当に好きだ・・私が一番、それを判ってる。

 つまり・・二人は両想いって事・・きっと二人は今日、想いが伝わる。

 

 そしたら私は、もう・・竜児の隣には居られない。もう竜児の横を、私は歩いちゃいけない・・。

 もう竜児の傍に居るのは・・私じゃない。私は、それが・・どうしようもなく、それが堪らなく・・嫌・・なんだ。

 

 

自分の奥底で、わざと無視していた竜児への熱い想い。失った時、それを初めて実感出来るのは皮肉以外の何者でもなかった。

北村に対しては単なる憧れでしか無かった。自分が恋に恋する、ただ恋するという事に酔っていたにすぎないんだと。

 

だから何時も傍に居る竜児が大事だった。落ち着けた・・傍に居続けると竜児が断言した、あの日の事を。

大河の眼から止まらない涙。悲痛な顔で部屋を飛び出し、マンションの外へ出て辺りを見回す大河。

 

でも・・竜児は、もう傍に居ない・・自分が竜児を行かせてしまったのだから。

もう如何する事も出来ない・・今日、実乃梨と竜児が上手く行こうと行くまいと。自分は、もう竜児の傍には居られない・・居てはいけない。

 

その儚さに、大河には・・もう泣き叫ぶしか出来なかった。

何度も・・何度も・・嗚咽の様に名前を呼び続け、泣き続ける大河。その姿は、余りにも痛ましかった。

 

 

「竜児いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい・・」

 

 

その姿を偶然見ていたのが二人居た・・一人を櫛枝実乃梨。大河の同級生であり、親友を自負していた。

彼女は、その姿を呆然と見つめつづけ・・俯く大河を見ておられずに、その場を足早に立ち去った・・ある決意を固めて。

 

そして、その時・・実乃梨は気付いていなかった。その自分をも見ていた、もう一人の人間が居た事を。

そして・・その人間が実乃梨を冷たく見ていた事も・・彼女は何も知らない。

この後、彼女は自分の行動で、一人の男を傷つけてしまう。親友を想う余りに・・それが偽善だと、独善だと気付きもせずに。

 

辛いクリスマスイヴのホーリーナイト(神聖な夜)は、まだ始まったばかりであった・・。

 

 

 

OK, it is Christmas!

A full smile

When I will send it to you

Party night

 

OK, it is Christmas!

A full wish

I promise to you

Holy Holy Night・・・

 

It is slightly special on Christmas of this year

Even if it is not White Christmas

The illuminations brag of stars lays thick

 

Shine shiningly, but is happy

Blink its eyes aglimmer, but have a dream

 

OK, it is Christmas!

A full smile

When I will send it to you

Party night

 

OK, it is Christmas!

A full wish

I promise to you

Holy Holy Night・・・

 

Surely it is special on Christmas of this year

I am worthless in Lonely Christmas

Illuminations brag decoration raises the smile

 

I waver to and fro and join by a hand together

It glitters to a bright shine and looks up at the star together

 

OK, it is Christmas!

A full smile

When I will send it to you

Party night

 

OK, it is Christmas!

A full wish

I promise to you

Holy Holy・・・Night!

 

 

 

  「 とらドラ! another story 」 序章 『 Crossroads 〜 分岐点 』

 

 

 

これから少し後の事・・大橋高校の正門前で座り込む着ぐるみ男が居た。

熊の頭に腰を下ろして俯き、後悔しきりの風情だった。だが・・余りにも違和感が多すぎたのは、決して彼のせいではない。

彼の持つ遺伝子の為せる業であった・・余りにも強持ての顔という不条理な。

釣り上がった三白眼の眼と顔立ちは、正に極道を地で行けるものだった。

見つめるだけで初対面の相手は、腰を抜かしてしまう程の迫力を秘めて。

 

学校の体育館では、賑やかな声が正門に居ても少し漏れ聴こえる。クリスマスパーティーも、盛り上がりを見せているのだろう。

そう考えると余計に落ち込みを隠せない分、目付きが実に鋭すぎて危険だ。

たまに辺りを見回す視線は、本人の意図するところとは裏腹に殺気に満ちている。

気の小さい者なら腰を抜かし、子供なら確実に泣き出す事が必至だろう。

 

彼の名を高須竜児、17歳・・大橋高校の2年である。

何故か「ヤンキー高須」の異名を奉られ、近隣の高校までもその名は轟いていた。

だが彼は極々、普通の・・まあ掃除魔で、家事万能戦士ではあったりする。

大河に急き立てられ、慌てて学校に戻ったものの、これから如何したものか思案しきりだったのだ。

そんな俯いてボヤキを続ける竜児の前に立つ一人の少女があった・・実乃梨だった。

 

 

「あ〜・・やっちまったなあ・・ドジっちまった。携帯も無いし、櫛枝へのプレゼントもスーツのポケットの中に入れたまま・・。

 何しろ考え無しに、スーツと着ぐるみを交換しちまったからなあ。

 だけど・・あの時、大河を一人で、放ってなんかおけなかったし・・。それに関しては仕方ねえんだけど・・でも、俺・・これからどうしたら・・」

「高須君、ここに居たんだ・・それ、良い熊だね?」

「って・・く、櫛枝?・・き、来てくれたんだな・・よ、よう・・あのな?」

「ゴメン・・悪いけど、ちょっと私に、先に言わせて?

 あのさ・・高須君、覚えてる? 夏休みに、あ〜みんの別荘でさ・・夜、ふたりで話した時の事・・」

「え?・・あ、ああ。」

 

 

竜児は怪訝な顔で実乃梨を見つめるものの、如何にも違和感を隠せなかった。

実乃梨は話している間、ずっと俯いたまま竜児と視線を合わそうとしなかったから。

彼女も辛かったからだ・・自分も、竜児の事を好きだったのだから。でも・・あの親友の大河の絶叫を見て、自分の決意は固まっていた。

 

自分は大河の為に、身を退く事を・・心が張り裂けそうな程に辛くても。自分は、この痛みに耐えなければならない。

自分が言う事は、竜児に取っても辛い宣告なのだから・・。全ては・・大河の為に。

これが如何に利己的で、傲慢であるかなどと実乃梨は考えもしなかった。

一直線な実乃梨だけに、思考も行動も利己的に走りがちだったのだ。

 

 

「あのさ・・高須君、UFOも幽霊も・・やっぱり私には見えなくて良いって思うんだ。・・そう、私には見えない方が良いみたい・・そう思う。

 最近、色々と考えてね・・それが良いって思う様になったんだ。私は、それを高須君に言いたかった・・だから、ここに来たんだ」

「櫛枝・・それって?」

「私が、勝手に言いたい事ばっかり言って・・ゴメン。悪いけど、櫛枝は・・これで帰ります・・それじゃ」

「お、おい・・櫛枝?」

 

 

ついに竜児に一度も視線を合わせずに、そのまま走り去る実乃梨。

竜児は、ただ呆然と・・そして実乃梨の比喩を理解した。理解などしたくも無かった・・こんな時だけ鈍感でない自分を呪って・・。

 

 

「え・・マジで?・・つまり、これって・・俺、失恋・・したのか? 告白すら・・させて貰えずに・・何も無かった事にするって事・・か?

 やっぱ俺って・・バカって事だよな。櫛枝は、大河の親友だから・・それで俺を気遣っただけって事だろ。

 それに気付きもしないで、俺は何とかなるなんて夢を見てただけ・・かよ」

 

 

そのまま後ろに倒れ・・竜児は、呆然自失状態だった。仰向けのまま、星空を眺め・・今は綺麗な星空さえも竜児には苦痛だった。

心がズタズタに切り裂かれた様な・・この辛いのが失恋なのだと。でも・・今は、その現実を受け入れる事が余りにも辛かった。

竜児は徐々に意識が薄れ・・その最中、誰かの呼ぶ声が聞こえた気がした。だが、そのまま竜児は暗闇に身を任せた・・。

 

どれくらいの時間が経ったのだろう? 誰かが泣きそうな声で自分を呼んでいるのが判る・・だが身体が思う様に動かない。

そして・・左の頬に痛みが走り、急速に竜児の意識は覚醒した。

暗闇に薄く灯りが見え・・辺りを見渡すと、ぼやけながら見える何処かの部屋。そこは竜児の見た事の無い部屋だった。

 

そして・・自分の眼の前に泣いている女の子が居るのが判った。竜児は、まだ顔の判別が出来なくとも・・それが誰だか判った。

何故か、その雰囲気だけで彼女の事が判ってしまう様になっていたのだから。

それほどに自分の中に、その存在が大きくなっていた証左なのかもしれない。

 

 

 そこに居たのは、同級生の川嶋亜美だった。現役の人気モデルであり、今日のパーティーの主役であり、学校のアイドルだ。

 何故か、俺と北村だけは普通に話してるが・・物凄い猫被りな腹黒だったりする。

 ブリッコしてなくても充分に美人なんだがなあ・・妙に子供っぽいしな。大河同様に、俺が眼の離せない女子の一人ではあったりする。

 

 

「・・川・・嶋?」

「やっと正気に戻ったの、高須クン?・・ホント、世話が焼けるんだから(涙)」

「あのな・・まあ迷惑は掛けてるかもしれないが、取りあえず・・ここ何処だ?」

「うふふ・・何処だと思う〜?」

「さっぱり判らんから聞いてるっちゅうのによ。ええと・・ああ、やっとまともに景色も見えてきた。

 それにしても見た事ない部屋だな・・ここって・・何処だ、ここ? って・・ゲッ?・・何で、俺・・こんな熊の着ぐるみなんか着てんだ?

 あり?・・そういえば何があったんだっけ?・・川嶋、今日は何日だ?」

「何というかさ〜・・かなりボケてるよね、今日は? まあ・・ムリもないかもしんないけど・・ここって私の部屋だよ。

 今日は12月24日、クリスマスイヴ・・学校でクリスマスパーティしたの・・覚えてない?」

「あ・・そうか・・どうも、その辺りの記憶が抜けてるみてえだ。へえ〜・・なかなか綺麗に片付いてる良い部屋じゃないか。

 川嶋も案外、整理整頓には気を配ってるんだな?・・うん、掃除も許容範囲だ」

「あのねえ・・高須クンのレベルまで、なかなか辿り着けないって(苦笑)

 流石に、そのカッコじゃあ高須棒は持ってないだろうから安心だけど」

「高須棒は、俺の必須アイテムなんだぞお?」

「はいはい・・でも良かった(泣笑)」

「お前・・何で泣いてるんだ?」

「・・女の子には、秘密が一杯あるの・・判る?・・きっと判んないだろな〜」

 

 

視力が回復した竜児は、泣き笑いの体を見せる亜美の顔を見て、何故か安堵した。

それが何故なのか・・今の竜児には判らなかったのだが。

 

 

「まあ、それはともかくとしてだ・・どうして俺が、川嶋の部屋に居たりするんだ?

 それに何で、こんな熊の気ぐるみなんかを着込んでるのかが、さっぱり判らん」

「あのさ・・覚えてないの?・・正門での事」

「正門?・・正門・・判らん・・何の事だ?」

「・・そうかあ・・余りにもショッキングだったもんね。ショックで一時的な健忘症というか、辛い記憶が飛んじゃったのかも」

「ショックだあ?・・何があったんだよ・・教えてくれ」

「うん・・あ、あのね・・まあ何れは判る話だし・・でも良いの?」

「ああ・・構わん」

「実はね・・正門で高須クンと実乃梨ちゃんが会ってて・・」

 

 

 この時、川嶋のヤツは妙に言うのを躊躇ってた。という事は俺にはロクでもない話なんだろうが、判らないってのは納得出来ない。

 どうせ後悔・・え?・・何かを思い出しかけてる・・忘れてしまいたい事を。 

 この時、何故か暗い正門で櫛枝と話してる俺の幻影を見た気がした・・そして。

 

 

「詳しい経緯は判らないけど・・実乃梨ちゃんが高須クンをフッてた場面だった」

「え?」

 

 

 思い出した・・そうだ・・俺は、いきなり目の前に現れた櫛枝にフラれたんだ。

 まともに俺に喋らせず・・一方的に、悪く言えば三行半を突きつけられた。

 櫛枝に好きだと告白する事すらさせて貰えず・・1年半もの俺の初恋は、見事なまでに玉砕した。

 確かに初恋って実らないって言うけど・・これってあんまりじゃないか? いきなり考え込んだ俺を、心配そうに見つめる川嶋に気付くと・・

 

 

「あ、ああ・・済まない。どうやら、かなり川嶋に迷惑を掛けちまったみてえだな。でも、どうやってここに・・お前の部屋に俺が居るんだ?」

「まあ、まるで夢遊病者みたいだったものね。私・・パーティーを抜け出して、外でタクシーを拾うつもりで正門に行ったの。

 そしたら正門で、高須クンと実乃梨ちゃんが話してるのが見えたから近づいて・・」

「・・で、俺が櫛枝にフラれるところをリアルタイムで見たって事かあ。何ともカッコ悪いったらねえなあ・・あ〜あ」

「実乃梨ちゃん・・ずっと俯いてたから私には気付かなかったみたいで、走り去って。

 で、いきなり高須クンが真後ろにブっ倒れたって訳。慌てて駆け寄ったんだけど、もう呆然自失状態だったのよね。

 私が何度、高須クンを呼び掛けても殆ど反応が無くって。それでタクシーを携帯で呼んで、私の部屋に連れて来たって訳」

「・・何で、お前の部屋なんだ?」

「最初は高須クンの家にって思ったんだけど、よく考えると・・お母さん・・泰子さんは仕事でしょ?

 こんな状態の、しかもこんなカッコの高須クンを一人で放っておけなかったの。

 お節介かなあとは思ったんだけど・・それに正門前で騒ぎにしたくなかったし。

 独身が言ってたじゃない・・くれぐれも問題を起こすなって。色々と考えたのよね・・私も・・さ」

「そうか・・ホント、川嶋・・スマン」

「知り合いのタクシーが上手く近くに居てね・・口も固い人だし」

 

 

 何とも情けない話だよな・・櫛枝にフラれた現場を、川嶋に見られてたのか。大河ならともかく、川嶋にだけは見られたくなかった。

 俺、川嶋に何て言えば良いのか判んねえ・・え?・・俺、何で胸が痛いんだ?

 櫛枝の事で胸が痛いのは、フラれたばっかだから当たり前なのに・・それを川嶋に知られたって思うだけで、何で辛いんだろな?

 ・・どうも良く判らない・・如何してだ?

 心配そうに俺を気遣ってる川嶋・・なんだが、何故か何時もの毒が無いよな? 同情されてるんだろうけどさ・・流石に場合が場合だからな。

 

 

「川嶋に、ホント迷惑ばっか掛けちまって済まない・・何か、御礼しないとなあ」

「亜美ちゃんに貸しを作ると、高く付くよ〜?」

「そうなんだよなあ・・ま、お手柔らかに頼むわ」

「うふふ・・どうしよっかな〜?」

「あのよ・・俺って、傷心の身なんだけど・・一応」

「じゃあ・・私、明日は仕事が入ってないの。

 折角のクリスマスだし・・明日一日、買い物に付き合ってくれる? クリスマスに皆も仕事なんかしたくないってスタッフ全員が休みなの」

「へえ・・そうだな・・別に構わんぞ。俺にしても気も紛れるだろしな・・気をつかってくれて済まない。

 俺なんかを相手してくれたり慰めたりしてくれんのは、お前ぐらいだろ。腹黒な割りに、妙に優しいところもあっからさ・・川嶋って」

「そ、そんな事・・相手によるよ・・ブツブツ」

 

 

 いきなり顔をピンク色に染めて俯く川嶋のヤツは、妙に可愛い仕草を見せていた。 

 何時もなら、自画自賛で流すんだが・・今日は何か変だなと思ってると、俯いて妙に塞ぎこんだ。

 今まで、色んな川嶋の素顔を見てきたけど・・こんな表情もするんだな・・コイツ。

 そういや、川嶋に言われてたんだよなあ・・何度も何れ大怪我するから止めろって。

 悪い事をしちまったとは思うが、櫛枝の事は諦められなかったしな・・。

 

 

「全く・・やっぱり大怪我しちゃったんだね・・言ってあったのにさ」

「お前の言う通りだったってこった・・恋は盲目だった・・か? 今回も、大河のヤツが色々と考えてくれたんだけどなあ」

「ちょっとっ!・・今、手乗りタイガーなんか関係ないでしょうっ!?」

「お、おい・・何を急に怒り出したんだ?」

「大体、家族ごっこなんかしてたから、とうとう破綻が来ちゃったのが何故判らないの?

 実乃梨ちゃんは親友のタイガーしか見えてないのに・・如何して・・判らないのよ」

「・・大河のヤツが、如何かしたのか?」

「高須クンはタイガーに構いすぎ・・だから、あの子は高須クンに甘えてるんだよ。

 実乃梨ちゃんだって、高須クンの優しさに付け込んでただけじゃないのっ!

 いっつも苦しんでるのは高須クンで・・私は、何時も見てるだけしか出来ない・・こんなの・・辛いよ」

 

 

 そうだ・・川嶋は、何時も俺を見てた。俺だけじゃない・・大河も、櫛枝も・・他の連中も。

 クラスではみんなから川嶋が大人って見られてたのは、俺も気付いてた。

 だけど・・俺には子供っぽいところばかり見せるコイツは年相応の女の子だ。そのギャップに苦しんでたんだろうか?

 

 この時、俺は・・心の奥底で判っていながら敢えて無視してた事実に気付いた。

 在る筈が無いって思い込んでたのはあったけれど・・川嶋の俺を見つめる眼は、紛れもなく恋する女のものだって事に。

 

 

「高須クン・・私、何度も言ったでしょう? 酷い大怪我をする前に、目を覚ました方が良いと思うって。

 もう全部チャラにしなよ・・何もかも一から始めたら良いじゃん。それでさ・・私の事も、一から入れてよ・・私の事を、ちゃんと見てよ・・」

「え?・・それって・・一体・・?」

「あのね・・実乃梨ちゃんの事があったから言えなかったけど・・私、ずっと前から高須クンが・・好きなの」

「川・・嶋・・おまえ、今・・何て・・俺の事が・・好き?」

 

「私は本気だよ・・本当は、この想いを言うつもりなんかなかったけど。

 でも、もう傷ついてる高須君を・・これ以上、見ていたくないの。ねえ・・どうして高須クンは、実乃梨ちゃんじゃなきゃ・・ダメなの?

 実乃梨ちゃんは、告ろうとした高須クンに、何も言わせないでフッたんだよ?

 だから・・もう、私も自分を偽るのなんか止める。好きな人が傷ついてるのに、黙って見てるなんて・・亜美ちゃん出来ないよ」

「川嶋・・だけど、俺は・・」

「気持ちは良く判るよ・・でも、私も高須クンが好きなんだもの。でももう・・そんなに高須クンが傷つかなくても良いじゃない。

 ねえ・・私じゃ・・ダメなの?・・実乃梨ちゃんの代わりにはなれない? 私・・高須クンの傍に居たいの・・今、この時だけでも・・(涙)」

 

 

 ゴメンね・・タイガー。私、もう止まらない・・貴方が、まだ自分の気持ちに気付いてなくても。

 もう・・高須クンへの想い・・私は抑えられないよ。こんなに実乃梨ちゃんに傷つけられてる高須クン・・見てられない。

 今だけでも・・高須クンの藁になれるのなら・・心の深い傷を癒せるなら・・。

 私は・・何でもする・・たとえ大事なモノをあげたって後悔なんかしないわ。私は・・川嶋亜美なんだもの。

 

 

縋る眼で抱きつき、涙を流して自分を見上げる亜美を見ながら、ようやく竜児は自分の愚かさ、鈍感さに気付いた。

そう・・自分は、亜美の自分に対する気持ちに気付いていたのだと。だからこそ何時も、気さくに亜美と話せていたという事に。

亜美が自分だけに見せる本当の素顔・・それを見て自分は嬉しかったのではないか?

あの生の表情の亜美を見れるのは自分だけだと、何故か確信が出来ていたから。

 

 

 あのストーカーを追っ払った日の川嶋は、様々な表情を俺にだけ見せていた。

 ストーカーに怯える川嶋・・強がる川嶋・・吹っ切って激怒する川嶋・・。

 そして頬を赤く染めて、潤んだ瞳で俺に迫る川嶋・・。あの時の川嶋は、決して何時もの仮面を被っては無かった。

 正真正銘の17歳の素直になれない少女が、初めて見せた恋する女の顔。もし、あの時・・大河が戻らなかったとしたら・・俺は?

 

 既に、あの時から俺が川嶋に初対面で持っていた偏見は消えていた。

 強がって仮面を被る、儚い弱い少女でしかなかったのだから・・。

 だからこそ俺は川嶋に、お前は子供だと言ったんじゃなかったのか?

 何処かで川嶋の気持ちに気付いていたのに、それを鈍感という言い訳で隠して。

 俺が自然体で川嶋に接するからこそ、川嶋も俺に本音を語っていた筈だ。

 何時も茶化しながら、実は自分に対して熱く見つめていたのを・・。

 

 そして大河に対して家族の・・娘の様な、ヤンチャな妹への想いにも。

 一人っ子で孤独な俺だからこそ、欲しかった兄弟姉妹。父親を認められない俺が、母の泰子と共に求めた家族の絆。

 俺は、それを大河という存在で代替行為していただけだったのだとしたら?

 そうなら、もう俺は大河を何れ傷つけるだけの存在なんじゃないだろうか?

 大河だけでなく、俺も、母の泰子も、そして周りも一層に傷つくだけだったら?

 

 胸が痛い・・余りにも胸が痛い。俺は、知らずの内に俺に縋りつく川嶋のヤツを抱き締めていた。寒い・・心も・・身体も・・余りにも寒い。

 そして、それは川嶋も同じだった・・何故か判った・・判る気がした。ずっと俺が櫛枝を見ていた様に、川嶋も同じだったと判ったから。

 

 俺は川嶋を、ずっと見つめていた。そして・・俺は、川嶋の瞳に・・唇に吸い込まれそうな気がしていた。

 余りにも自然に・・俺の唇は、川嶋の唇に吸い寄せられていた。

 普通、キスする時なんか眼を瞑ってするもんだよなあ・・とか思いつつ。

 初めてのキスは、オレンジの味がして妙に美味だった・・と日記には書いておこう。

 

 如何、表現すれば良いのか若い俺には難しい限りだが・・蕩けそうになった。

 しかも、俺の舌が川嶋の舌で弄られ、えらく気持ちが良かった。妙に慣れてるんだなあ・・とか思ったりしたが、言うとヤバイ気もする。

 ぎこちなさもあるから、ひょっとしたら耳年増かもなあ・・人気モデルだから。

 と、何故か冷静に見てる、もう一人の俺が居たりする。俺も川嶋も、顔を真っ赤にしながら眼を開けたまま口を吸い合ってるよ。

 何で、こんな情景が判るんだろうか・・俺って多重人格だったりするのか? ってよ・・自分で自分に突っ込み入れて如何するんだよ?

 

 唇が離れても近すぎるのに・・俺は、ずっと川嶋の瞳に見蕩れていた。

 扇情的な瞳、そして直接に感じる川嶋の胸や身体の柔らかな弾力感の暖かさ。

 川嶋も同じなのだろう・・傷を負った者同士の・・慰めあいなのだとしても。

 この暖かさを今、離したくはない・・縋りつきたかった。この時、俺は・・もう後には戻れない事を知った・・・でも後悔は無かった。

 

 

 そして・・俺と川嶋は・・この日、大人への階段を一歩・・登った。後悔は・・していない・・ 多分・・。

 

 

それから・・灯りを消して、二人の熱い夜は続き・・夜が明けようとしていた。

まだ外は薄暗い・・だが、まもなく夜も明けるだろう時刻。電気の消えている亜美の部屋のベッドには、竜児と亜美が裸で抱き合っていた。

亜美は竜児を離したくないかの様に強く抱き締めて。そして竜児は、そんな亜美を優しく見つめながら彼女の柔らかい髪を撫でていた。

 

 

「もうすぐ・・朝・・なのかな」

「・・だな・・俺も一度、家に帰らないとな。泰子、朝まで飲んでるって言ってたけど・・食事の支度もあるし、着替えないと」

「うふふ・・確かに熊の着ぐるみ姿じゃあ、昼間は歩けないかあ・・クリスマスだから意外と大丈夫かもよ?」

「あのなあ・・でもアリガトな・・川嶋、お前が居てくれてホントに助かった。

 こんな寒い最中に、外で寝てた日にゃ、風邪引くのが確定コースだった。

 それに・・お前が一緒に居てくれたから・・今、落ち着いてるんだと思う。

 まだ・・櫛枝の事を考えると、かなり胸が痛いけどよ・・昨日の今日だしな」

「うん・・私こそゴメンね」

「良いよ・・でも川嶋・・俺なんかが初めての相手でホントに良かったのか?」

「亜美ちゃんのファーストキスどころか、バージンまであげたんだもの。

 メチャクチャ超優良物件だと思わない〜? これは高須クンって、感謝してくれても良いんじゃないのお?」

「余りにも光栄すぎて・・ちょっと気が引けるのは確かだよな」

「でしょ?・・うっふっふ・・当然だよね〜、亜美ちゃんって可愛すぎるしい。

 身体なんか出るとこがゴージャスで出てるし、プロポーション最高だし〜。

 亜美ちゃんって、男を泣かす運命なのよ・・うんうん。だけど高須クンに惚れちゃった弱みだもんね・・これって仕方ないかあ」

「川嶋のファンに知られたら半殺しだろうなあ・・俺」

「まあ・・前みたいに酷いのは滅多にないけど、ストーカーモドキは居るしね」

「だろうなあ・・俺が好きだなんて酔狂だよ、川嶋も」

 

 

 川嶋は苦笑しつつも、笑顔を向けてくれた。この笑顔に、今の傷心の俺は救われてるんだ・・癒されるって言えば良いのか。

 だが・・まさか、この後にとんでもない事を言ったのには驚いた。そんなの俺自身じゃ考えた事も無かった事だしなあ・・。

 

 

「でもさ・・そういえば高須クンって、顔も目付きも凶悪ヤンキーだけどさ〜?」

「ま、まあ・・認めざるを得ない事実だけど、それが如何したんだ?」

「高須棒って・・それ以上に凶悪だったよ?・・もう忘れられそうもないもの。

 ホント・・アソコが壊れるかもって・・少し怖かったけど、高須クンのだもの。そう想ったら・・そんなに痛くなくて・・やっぱり愛だよね〜」

「お、おい・・そんなの握るなっての?・・って、そうなのか? しかし・・よくもまあ、そんな恥ずかしい事を言えるのが川嶋というかさ」

「私も、現物って初めて見たけど・・これって超ヘビー級じゃないの?

 それに初めてなのに、痛いのって最初だけだし・・高須クンってテクニシャン?

 高須クンって舌も長いし、舐められてると凄く気持ちが良いんだもん。

 亜美ちゃんの豊満な身体で経験を積むとヤバイかも・・女泣かせしちゃダメだよ?」

「お前なあ・・俺、初体験なんだぞ?」

「そんなの私もだよ・・ちゃんと証拠もあるじゃない。それに私、してる時って何回も真っ白になったんだよ・・気持ち良くて。

 私のアソコなんか・・まだデッカイのが入ってる感じが・・キャッ(真っ赤)」

「ふう・・頼むから外で、そんなアホな事だけは言わんでくれよ?」

「言わないわよ〜・・でも、また・・たっぷり可愛がってよね?」

「お、おう・・俺なんかで良ければな・・何を言わせるんだよ。って、真剣な顔をして如何した?」

「あのね・・処女をあげたからって、私は高須クンを縛るつもりなんかないの。

 でも・・きっと高須クンを何時か、思いっきり私にメロメロにしてあげるんだから〜」

「あのなあ・・一体全体、何時の時代のセリフだっての(苦笑)」

 

 

 まあ北村より自分のがデカイのは知ってたが、そんなものなんだろうか?

 何とも比較対照が判らんから、俺には判断が付かんぞ?

 冗談交じりに川嶋が言うのを苦笑しながら、川嶋が俺に取って大切な存在になったのを実感し、噛み締めていた。

 

 今の俺が、川嶋の事を大事に思ってるのは間違いない。でも・・好きだって・・川嶋の事を愛してるって言える自信は、まだ到底ない。

 今は、ただ肉体関係を持っただけの男女でしか無いのかもしれない・・ただのガキだ。だけど、その日は・・そう遠くない気がしていた。

 

 櫛枝の事は、今も想うだけで胸が引き裂かれそうになって辛い。そんなに簡単に吹っ切れる想いだったら、こんなに苦しむ事も無い。

 だけど・・川嶋が俺の傍に居てくれたら・・立ち直れそうに思えた。・・もう、とっくに尻に敷かれてる気がしないでもないんだが・・な。

 

 大河といい、川嶋といい・・俺って、女性上位が運命なのかもなあ。考えたら泣けてくる・・悲しいよなあ・・俺の人生って何だよ?

 とか言いつつ、川嶋専用ダイエット弁当を作る情景が脳裏に浮かぶ・・。しゃあねえ・・腹を括るしかねえだろ・・男だから責任は取らねえと。

 

 まだ辺りが暗い最中に俺は、気ぐるみを着こんで慌てて家に戻った。まだ泰子は帰ってないようだ・・危ない危ない。

 朝帰りなんて泰子のヤツに知られたら、何を言われるやら・・大河辺りは、もっとヤバいよなあ・・どうするか。

 早朝に出かけるのも五十歩百歩なんだけど・・まあ良いさ・・なるようになる。

 悩んだって仕方ないし・・俺って、失恋でドン底だった筈の朝なのに・・不思議なもんだな。

 

 それにしても、つくづく思うが・・何の為のスーツだったのやら・・実に空しい。

 鏡で見たら、何処の若頭だとか自分で思えてしまうのが余りにも悲しかったから、余計に空しさが募る。

 俺は速攻で素早く着替えると、泰子と大河にインコちゃん、それに二人分の食事の準備を整えて出掛けた。

 用が出来たんで、ちょっと出掛けて来るって・・きちんと書置きを残して。

 二人分は、当然ながら俺と川嶋の朝食・・早く持ってってやらねえと、川嶋も多分お腹を空かせてるだろ。

 かなり運動したしなあ・・俺も、もうハラペコ・・しかし気持ちの良い疲れと空腹感だ・・うっふっふ。

 

 川嶋と俺の分の朝食を持って俺は、川嶋の家に向かいながら・・妙にウキウキしてる自分を感じてた。

 ホントだったら、最悪のクリスマスだよなあ・・川嶋、サンキュウな。朝陽が登り始めた頃、俺は川嶋の部屋へと戻った。

 まさか女の子の部屋に泊まるなんてな・・そういや、大河のトコぐらいしか行った事が無かった。

 

 高校生だったら、それが当たり前なんだろうけど・・成り行きとはいえ、えらい事をした気がする。

 不純異性交遊・・独身にバレるとヤバいだろなあ。 こう考える事自体、俺って真面目な生徒だった筈・・なんだが。

 まあ・・多分、川嶋も今は一人で居たくない筈だ・・俺と同じく。だからこそ・・俺は、川嶋と一緒の時間を過ごしたいと思えるから。

 

 ベッドで待ってた川嶋だったが、俺が部屋に戻ると綺麗な笑顔を見せ付けてくれるもんだから、もう心臓が思いっきりドキッだぜ。

 そして持ってきた朝食を用意すると、その笑顔が朝陽で輝いた日にゃ・・ぼ〜っと見惚れてました・・はい。

 最初に不安そうな顔をしてて、俺が戻ると満面の笑顔だからなあ・・あれは絶対に反則・・美人は得だ、ホント。

 

 チワワか・・大河が川嶋の事を、そう言うのも強ち間違ってないなあ・・俺は、思いっきり保護欲を掻き立てられたぜ。

 川嶋がバカってのだけは、どうも前から納得出来ないんだけど、チワワが好きな連中の気持ちも判るし。

 可愛い愛玩動物ってのは罪だ・・と思うけど、如何しても愛でてみたくなる心理状態ってのは如何ともし難い。

 俺だってインコちゃんを可愛がってるしなあ・・ブサイクだけど、まあその辺はスルーだ。

 

 そんな川嶋に、俺が思いっきり見惚れてしまうのもムリないだろ?・・なっ?・・俺って一体、誰に言い訳をしてるんだろ?

 まあ川嶋が余りにも可愛かったし・・少し色っぽかったし・・眼の保養、眼の保養・・一応、俺も男の子だからなあ。

 しかも川嶋のヤツ、身体にシーツを巻きつけてるだけの姿なんだぜ?

 あの下には、川嶋のナイスバディな裸が・・もう考えただけで鼻血が出そう。

 もうマジで抱き締めそうになってヤバかった・・男ってスケベなんだなと実感した瞬間だったぜ。

 

 だが昨日までの俺とは、もう違う・・それは川嶋も同じ事なんだろう。

 そりゃ身体だけは大人の一歩手前だけど、所詮は高校生のガキでしか無いのも確かだ。

 でも・・昨晩、失恋したばっかなのに、すぐ別の女の子になんて・・よく知ってる川嶋が相手とはいえ、俺って節操ないよなあ。

 

 まだ実際は、お互いの傷の舐め合いでしか無い関係だろうけど、それだけでも無い・・か。

 まだ、これから色んな事があるんだろうけど、何とかなると思いつつ・・。

 この川嶋の笑顔を曇らせたくは無いよな・・と心に誓った俺だった・・・。

 このクリスマスイヴ・・ホーリーナイトが、俺と川嶋の分岐点だったのかもしれない。

 

 昨日まで、櫛枝が好きだった俺・・これでサヨナラだ。そう何度も・・何度も、自分に言い聞かせて・・櫛枝への想いを吹っ切るために。

 問題は大河に、如何言えば良いのかって事なんだがなあ・・胃が痛え。

 そして、この時の俺は・・今の大河に起こってる事も、大河に用意した朝食がムダになる事も、何も知らなかった・・・。

 

 

 

 

When I was in love with You

I did not think that such a parting came

If it is never touched

I wanted you to hug it once again last at least

It's long long good-bye・・・

 

Good-bye・・・Good-bye・・・How many times

Persuade oneself most

Is it gentleness to wave a hand?

I want strength now

 

I meet you, and STAR shines, and I am born and

Simply becauseI love it

Simply because there is love

I wait for a miracle without the hope, and how?

The blink of a planet blurring on tears is

Gone・・・

 

I do not forget it

As for your warmth

As for the gentleness

As for the both hands which I wrapped entirely

It's long long good-bye・・・

 

Good-bye・・・Good-bye・・・A beloved person

Because there was you, I was able to walk

Were not you alone?

I want an answer now

 

Catch the meteor which seems to burn

Light it

I want to love it

It wants to be loved

How does the world turn out with one cool body?

Which the bluff that continued being made dissolves in

Long for・・・

 

Why is it?

Tears overflow, and it is not stopped

 

I meet you, and STAR shines, and I am born and

Simply becauseI love it

Simply because there is love

I wait for a miracle without the hope, and how?

The blink of a planet blurring on tears is

Gone・・・

 

Be rebeared

In addition, if I can come across you

Surely find me out then

Never separate it

I catch it I want you to whisper that you are not alone

Planet・・・

 

 

 

 

 

 

後書きにかえて

 

取りあえずの復帰作って事で、ところどころで詰まりつつも書いてみました。

この話は「とらドラ!」19話「聖夜祭」を見た時、思いついてたネタです。

まあ、いわゆるIF話・・あの時、もしこうなってたらという話です。展開的に、こういうのも在り得るかな?・・みたいな。

 

実際の話・・あの展開ですと、まだ学校には亜美が居るわけで、

クリスマスパーティ会場を抜け出して衝撃の場面を亜美が目撃ってのは・・ね。

そうなったら亜美が竜児を放っておくとは、私には到底思えなくてという捏造話です。

如何にも亜美贔屓な私らしい亜美補完的な亜美×竜児話でもあります。

 

本編って不器用な人間模様ではあるんですが、それぞれの想いが溢れてましたね。

ただ全般的に亜美が辛い展開なのが、私には悲しかったりします。これって結局、大河、亜美、実乃梨の竜児争奪戦なんですよね。

でも全員が譲り合ってしまう事で、すれ違いが起こってしまう訳で。もし、あのラストで亜美が見ていたら如何なるだろなあ?というのが原点。

元々、亜美×竜児が好みだったりする私なので願望めいてますが。

こういう展開だと、大河がヒロインで無くなるじゃないかという話もありますが、悲恋のヒロインという手もあるわけで(苦笑)

 

しかし・・ホント、恋愛モノは難しいです。心理描写は難しいのが当たり前なんですが、文才の無さに情けなくなります。

これの続きというか本編設定は実際ありますが、どうするか未定かなあ。まだ少しも書けて無いですしね^^;

 

ではまた^^

 

ps.少し誤字修正と若干内容を追加しました。

 

09.04.10

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