老FBI捜査官の残照と完璧主義者 『 ゴルゴ13 』 Target.17 『 残光 』を視聴。

 

今回は、また渋い話でしたねえ。今回のゲストキャラ、レオンの気持ち、私には何となく解ります。

この心情って10〜20台の方ですと解りにくいかも知れませんね。

これって現実逃避って非難されかねない部分でもあるんですが、私は、とてもレオンを責める気にはならないなあ。

犯人がゴルゴと解ってて見逃す理由を考えると・・

 

今回ゲストで、FBI捜査官レオンを演じるのは「津嘉山正種」さん。これまた渋い声優さんですね〜。

まあ役柄自体が定年前の捜査官ですし。ドラマのナレーションとか洋画吹き替えも多いですが、TV出演も多い役者さん。

声優としてより役者さんの活動の一環の一つでしょうか。

 

私が覚えてて一番印象的な役というと「劇場版 宇宙戦艦ヤマト完結編」のルガール・ド・ザールでしたかね。

ディンギル帝国大神官大総統ルガールの長男役でしたが、なかなか味がありました。

太陽系制圧艦隊の司令官で、なかなか非情な処もみせてました。

最後は情けなかったですが・・父に見捨てられるという・・何となくギアスのシャルルとルルーシュを彷彿させる設定でもありますが・・。

あと「劇場版 名探偵コナン ベイカー街の亡霊」のトマス・シンドラーとか。あの役も渋かったですね〜。

コナンの影が薄かった作品ですし。父の工藤優作とシンドラーに存在感を食われてましたわな。

 

マニアックなところでは「ブロッカー軍団Wマシーンブラスター」のビリー役とナレーション・・普通は知らんだろ〜なあ?見た事もないだろし^^;

「合身戦隊メカンダーロボ」のオズメル大将軍とか、

「ドカベン」の影丸隼人とか・・マニアックすぎますか・・あはは^^;

 

「銀河英雄伝説」では沈黙提督と呼ばれるエルンスト・フォン・アイゼナッハ。

何とセリフが「・・チェックメイト。」これだけという凄い役でしたっけ^^;

 

「踊る大捜査線」池神警視監とかNHK大河ドラマの常連役者でもありますね。

「スターウォーズ・ファントムメナス」のクワイ=ガン・ジン(リーアム・リーソン)の吹き替えも。洋画の吹き替えも多い方ですしね。

リチャード・ギアとかグレゴリー・ペックとか。ブルース・リーとかロバート・デ・ニーロとかもあったかな〜。

一番有名なのはケビン・コスナーの吹き替えかもしれないですね。

 

レオンの若い?妻アニタを「弘中くみ子」さん。若いっていうのは疑問があるキャラデザでしたけどね〜。

「名探偵コナン」で聞いた事のある声なんですが・・誰の声だったかなあ?

ちょっと思い出せませんね〜・・余り声優活動が多く無い方なのかも知れません。

 

今回のあらすじですが・・

 

ハワイ・ワイキキビーチでシカゴマフィアの大物ゴメス狙撃事件が発生した。

FBI捜査官レオン・ゴールドマンは殺害された様子から、ゴルゴが犯人であると直感。

かつてFBIきっての切れ者といわれていたレオンは、ハワイに左遷されていた。

彼は6年前のサンフランシスコでの狙撃事件捜査でゴルゴに接触していたのだ。

現在ハワイで静かに暮らすレオンは、トレーニング中のゴルゴの前に現れると、

これ以上の犠牲を出さない為にも、すぐに島から立ち去るように要求するが・・・。

 

元々は短編の話なんですが、原作をどう料理するか、脚本の腕に注目って処でしたね。

レオンの昔と今といった感じを淡々と出してましたが・・少し淡々すぎたかな?

 

では本編を紹介。

 

ハワイ・ワイキキビーチで情婦と休暇を楽しむシカゴマフィアのボス・ゴメス。

ビールを飲もうとグラスを持った矢先・・いきなり倒れ・・血を流した。

即死だった。何者かが彼を狙撃したのだ。部下は慌てて辺りを探すが、誰の姿もない。

その頃、離れたホテルの屋上でM16を構えた男が陽を背に立っていた。ゴルゴだった。

彼は、ゆっくりとホテルを後にする。その際、現地に向うパトカーや警察車両の中に見覚えのある男を見出す。

ゴルゴは、6年前の事を思い出していた・・。

 

 ・・6年前の・・あの男か?

 

「お前の悪運も此処までだな・・ゴルゴ13。

 今回のサンフランシスコでの狙撃射殺事件・・一応、今の段階では・・まだ参考人だが、証拠を固め必ず電気椅子に送ってやる。

 この私、レオン・ゴールドマンが、FBI捜査官としての誇りに賭けてな。」

 

取調室で夕陽を浴びながらゴルゴへ尋問するレオン。ゴルゴは表情一つ、変えなかった。

 

殺害現場に到着した捜査陣は、証拠探しに奔走するも目新しいモノはなかった。

ふとレオンがホテルの方を見ている事に気付いた刑事の一人は、距離的にムリだと否定する。

だが・・レオンはゴルゴの犯行だと直感していた。そんな彼を、無能な捜査官だと見下す刑事達だった。

 

OPENING。

 

ゴメスの部下達を尋問する刑事達。だが何の証拠が出る筈もなく・・?

レオンはゴメスの情婦を相手に尋問しようとするも情婦は無言を貫いていた。

 

レオンは、愛する妻アニタの家に戻り、新聞を読む。

そこにはゴメスの死亡記事が記載されていた。アニタは夕食の準備を進めながら尋ねる。

 

「貴方?事件の方はどう?」

「ん?」

「何か解って?」

「手がかりゼロでね・・犯人の目星は全くつかない。」

「そう・・」

「・・戴こう。」

「はい。」

 

穏やかに妻に食事を促すレオン。それを、にこやかに笑うアニタ。

二人は両手を前に組み、お祈りをすると食事を始めた。アニタを優しく見つめるレオンの視線に気付いたアニタは・・?

 

「・・?何か?」

「いや・・何でも無い。」

 

食事を続ける二人・・穏やかな二人だけの空間であった・・。

 

翌日、シカゴよりハワイに乗り込んできた集団があった。殺されたゴメスのシカゴマフィアの部下達であった。ボスの仇討ちの為に。

それを空港で監視するホノルル市警の刑事達。その報復戦に一般市民を巻き込む訳にはいかない。

刑事達は犯人捜索に全力をあげる。それを黙って見つめるレオンは、車を走らせ・・ある場所へと向っていた。

 

その頃、とあるトレーニング場で、軍人達がバスケットをしていた。

ふとボールがコートの外に出てしまい、取りに行った場所にタオルで汗を拭き、休憩している男がいた。

その男の後ろに二人の男がボールを取りに近づくと、素早い動きで振り向く。

落ちるタオル・・その下から現れた顔・・鋭い目・・ゴルゴであった。

 

「このボールが怖いのかぁ?」

「・・後ろへ回られるのが嫌いなだけだ。」

「こいつはいいや。お〜いみんな来てみろ。

 元気な野郎がいるぜ?この大将がな?てめえの後ろを歩いたら、承知しねえと仰るんだ。」

 

無視するゴルゴに絡む5人の男。一人の男がゴルゴの前に回りこむ。

 

「おおっと。閣下! マイケル伍長!中近東におけるゲリラ掃討作戦より、只今帰還致しましたぁ。」

「どけっ!」

 

おどけるマイケルを冷たい目で睨みつけるゴルゴ。

それに怒り殴りかかるマイケルだったが、あっさりかわされ膝蹴りを腹に受け、右手刀を首筋に喰らってのされてしまう。

ボクシング自慢の男も挑むが、あっさりとやられると、ナイフを取り出す男達。そこへ一人の男が現れた・・。レオンだった。

 

「そこまでだっ!お前達が束になっても敵う相手じゃない。」

「FBI・・」

「とっとと消えるんだな?」

「・・覚えてろ・・」

 

捨てセリフと共に去る男達。その場に残るはレオンとゴルゴのみ。

 

「久しぶりだな・・ミスター東郷。まさか、私の事を忘れてはいまいな?

 相変わらず・・大した腕前だな・・ワイキキビーチでの狙撃の事だ。

 現場を一目見た時から、私は君の仕事に違いないと睨んでいた。

 そして、こうして今、君と再会し・・私の推測は確実なものとなった。6年だ・・もう、あれから・・。」

 

場所を変え、ヨットハーバーへ・・。二人の意識は過去へと戻ってゆく・・あの取調べ室へと・・。

 

「サンフランシスコでのグラハム弁護士射殺事件で参考人として君を拘留した時、私は興奮した。

 あのゴルゴ13を、遂に電気椅子に送って遣れるんだと思ってね。証拠を固める為、私は必死に飛び回った。

 ところが、ある日・・やっと拘留出来た君を、ペンタゴンの連中が、いきなり連れ去った。

 ・・君に国の仕事を依頼する為だ。私には国の思惑など知った事ではない。

 捜査官の使命として、私は・・殺人容疑者の君の身柄引渡しを求めて、ペンタゴンに乗り込んだ。しかし対応した副長官は言った。

 個人的な正義など国家的な価値観の方が優先される。ゴルゴ13に関する調査は・・打ち切れと。

 だが・・私は諦め切れなかった。この手で必ず電気椅子に。

 その一念で私は、君に関するデータを徹底的に調べた。同時に、CIAとFBI長官に抗議を、し続けた。

 その結果、私が得たモノは・・島流し、左遷処分だ。・・6年だよ。このハワイに飛ばされて。」

 

「・・嘗て適えられなかった誓いを、6年経って・・」

「さっさと、このハワイから立ち去ってくれっ!・・君は実に厄介な存在だ。

 仮に証拠を掴んで逮捕出来たとしても・・とても公判迄は持ち込めない。

 CIAもFBIも、君の事は秘密にしたがっているからね。

 君を相手にしては、何もかも無駄な努力だった。だから私は・・今回のゴメス殺しに関しても、君を見逃す事にした。」

「見逃してやるから・・俺に立ち去れと言うのか?」

「今すぐにだ。捜査本部の誰も、君の存在には気づいていない。」 

 

ゴルゴに背を向け、ヨットハーバーを立ち去るレオン。それを鋭い目で見つめるゴルゴ。

署に戻り、夕陽を見つめるレオン。その胸に去来するは何だろうか?

そこへ部下の刑事がホテルで怪しい東洋人を見かけたとの証言を掴んだと報告。

 

「やはり捜査官の読みは正しかったんですよ。」

「何の話だね?」

「気になって俺、捜査官が目をつけた、あのホテルで聞き込みを重ねたんです。目撃者が拾えました。

 事件の前後に不審な人物を見かけたって言うんです。がっしりした目つきの鋭い東洋人の男です。」

「解った。私が直接、明朝にでも調べてみよう。」

「そんな悠長な事、言ってられませんよ?その男、必ず俺が見つけ出します。」

「待てっ!」

 

レオンの制止を構わず、刑事は勇んで部屋を出て行った。レオンは何を思うのか?

 

前半終了

 

翌朝・・レオンは家を出る際に妻のアニタに約束を交わしていた。

 

「今夜は、何処かで食事をしよう。結婚記念日だ。」

「人混みは・・余り、私・・」

「そうだったな・・よし。出来るだけ早く帰る。」

 

キスをする二人。車に乗り出かけるレオンを手を振って見送るアニタ。・・しかしアニタ・・ボインだな(おいおい^^;)

場面が変わり、またトレーニング場へ来たゴルゴを取り囲む男達。先日の意趣返しに待ち伏せていたのだ。

その頃、部下から知らせが入り、レオンに報告する刑事課長。

 

「何をしている!・・ゴメスの手下に撒かれたようです。」

「ギャング共・・」

「拙いですね?」

「犯人探しより、そいつらの確保が先だな。」

 

その対応に慌てて部屋を飛び出して行く刑事達。首を哀しげに振るレオン。

その時、パトカーに連行される男達の中にゴルゴが居る事に気付く。

しょっ引いて来た警官を怒鳴りつけ、ゴルゴを釈放させるレオン。

 

「何をやってる?この大変な時に喧嘩騒ぎくらいで、わざわざしょっ引いて来るな!」

「す、すみません。」

「釈放しろっ!即刻、全員だっ!」

 

その後、ゴルゴを連れてヨットハーバーへと赴くレオン。

 

「・・言った筈だ・・さっさと、このハワイから立ち去れとな。」

「・・俺は、誰からの指図も受けない。」

「昨日は、私の言い方が悪かったようだ。私は指図したんじゃない。頼んだんだよ・・君に。

 ゴメスの手下共は犯人を見つけ出し・・報復しようと飛び回っている。

 捜査本部の中にも、既に・・君に目星を付けた者もいる・・。」

「・・俺の身は・・俺のモノだ。」

「それが、困ると言っているんだ。」

 

レオンの、その言葉に鋭くレオンを睨むゴルゴ。

 

「6年前・・恨んだよ、私は君を・・だが、今は違う。このハワイが私は段々、気に入ってきた。

 今では、君に感謝しているぐらいだ。ここは、老後を送るには理想的な処だからね・・

 頼む。君が居ると必ずゴタゴタが起きる。死人でも出ると、私の立場が無い。そこを解ってほしい。

 私も、あと2年もすれば定年退職だ。若く魅力的な妻も居る。面倒に巻き込まれたくないんだよ・・。

 今の私は・・もう、君の知ってるような・・嘗(かつ)ての私ではない・・既に、人生の黄昏(たそがれ)を迎えているんだ・・。」

 

そこへレオンの足元に子犬が、じゃれて来た。中腰になり、右手を子犬に差し伸べる。じゃれる子犬を、あやしながら呟く。

 

「君も、また・・私の中では、もう無縁の遠い過去の存在だ・・。」

 

それを見て、その場を立ち去ろうとするゴルゴはレオンに尋ねた。

 

「昨日・・」

「ん?」

「俺がスポーツジムに居る事が・・どうして解った?」

「・・勘と言うヤツだよ・・それは。」

 

その言葉に、立ち止まって振り向きレオンを睨むゴルゴ。

 

「極限まで、肉体を鍛え上げている君なら・・旅先でも、常にトレーニングを欠かさない筈だ。

 そう考えれば・・君が、どう動くかぐらい・・な?・・さて、それじゃ失礼するよ?ゴルゴ・・ミスター東郷。」

 

子犬から離れ、立ち止まったゴルゴの横を立ち去って行くレオン。

横目で視線を合わせる両名・・果たして二人に去来するものは何か?老兵は、ただ去り行くのみ・・

 

署に戻ったレオンは愛銃の装填を確認し、左胸元のホルダーへと仕舞った。

彼は・・この先の事を予感していたのかもしれない・・。彼のリボルバーが、夕陽で哀しく染まっていた。

家路につくレオン。

 

家では妻のアニタが夕食の準備に勤しんでいた。

ふとアニタは結婚写真を見て、あの頃の事を思い起こしていた。

二人だけの教会での結婚式・・二人で持った赤いバラが鮮やかに写っていた。

その時・・遠くで一発の銃声が轟く・・アニタは、それに気づかなかった・・。

ズキュ〜〜ン。

家路を急いでいた筈のレオンの車が、道路脇の木に突っ込んでいた。

助手席には、妻アニタへの結婚記念日祝いの花束とプレゼントが・・

そして運転席には、懐の銃を取り出そうとして射殺されたレオンの姿。

車のフロントガラスには弾痕が、くっきりと残っていた・・

ゴルゴは自分の行動を読みきったレオンを脅威と判断し始末したのだった。

 

その頃、アニタはレオンの帰りを外で鉢植えの手入れをしながら待っていた。

車の音に喜色を浮かべるも、違うと知り落胆の表情を見せる。

アニタは既に愛する夫が射殺されている事を、何も知らない・・。

家の前を走りさる車には・・ゴルゴの姿があった・・。

その先に見える夕陽は、まるで血の色のように赤く染まってるようであった・・。

 

ENDING。

 

という話でした。

 

レオンの妻アニタですが、少し不満が無い訳ではありませんが・・これの何処が若いんだあ?

とか突っ込みしたくなるのはともかくとして、実際の処、老夫婦の穏やかな雰囲気ってのは良く出ていたと思います。

にしても・・原作よりアニタの雰囲気って出てたんじゃないかなあ?

原作のアニタってイメージが薄くって、余り思い出せないのですが・・あの後、アニタの哀しむ姿を想像すると・・何とも言えない気分ですね。

まあゴルゴがレオンを脅威に思うのは、彼の行動原理上、ムリも無い話です。

自分の行動パターンを読まれる事ほど、彼が恐れる事は無いでしょうしね。

今は敵で無くても、何かの弾みで何時そうなるか解らないのであれば、

自分に対する危険因子は早めに処分しておきたいと考えるのは、彼のような人間には、ごく当たり前の考察帰結でしょうから・・。

 

ラストも、まずまずでしたし、上手く纏めていたのでは?という印象でした。

定年間近の人間の心理状態は、どうしてもムリないだろなあ・・と思えるし、人間、誰しも平穏な日常を望むものですし。

ゴルゴみたいな存在は受け入れられないでしょ?普通。確かに、彼って厄介事の塊みたいな存在ですからね〜。

現実問題として、レオンは痛い目に合ってる訳で、もう嫌っていう心情は一庶民として考えれば、誰しも共感出来るのではないかなあ?

そんな事ないって言い切れる方は多くないと思えますが・・どんなものでしょうね?

 

さて次回は?

 

「狙撃不可能な古城に閉じ篭る二重スパイ。彼を狙撃する為、ゴルゴは只管(ひたすら)待ち続け、一つの真実を掴む。

 何時ものように郵便配達員が屋敷に現れた時・・ゴルゴはライフルを構えた。

 次回ゴルゴ13『 スタインベック三世 』 ヤツの後ろに立つな!命が惜しければ!」

 

毎回、聞いた事のある話ばかりなんですが・・これも思い出せませんね〜。

どんなエピソードだったかなあ・・兆弾の話だったかな?ではまた。

 

 

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