待ち続ける悲哀の女と冷徹の狙撃者 『 ゴルゴ13 』 Target.20 『 メランコリー・夏(サマー) 』を視聴。

 

なんというか・・哀しいですねえ・・ステラが余りにも。6年もの間、消えた夫をただ信じて待っている姿・・が、涙を誘います。

個人的に、書いてる創作のコーネリアやカレン達を連想してしまいました。

それと、遂にMI6のヒュームがキタァ〜〜〜〜〜ッ!待ってました。

ゴルゴに出て来る情報機関の人間で、私が一番好きな方なんですよ。

 

さて、そのステラを演じたのが「佐久間レイ」さん。

この方となると、もう「トップをねらえ」のアマノカズミ役以外ないでしょ〜。

お姉様となると「エースをねらえ」の竜崎麗華を連想する方が多いでしょうが、その次の世代だと、間違いなくカズミでしょうしね。

役的に、双璧が「機動戦士ガンダム0083」のニナ・パープルトンでしょうか。

いわゆるツンデレキャラの走りみたいな方ですね。

「私のガンダムが〜。」

思い出すと・・つい、笑ってしまいます。

妙にガンダムオタクの技術者でしたが・・まさかなあ?ああいう役だったとは。

主役のコウ・ウラキが、妙に可哀想だった印象を覚えています。・・女は魔物だな〜って実感しましたっけ。

 

MI6のヒュームを演じたのが「堀勝之祐」さん。渋めの、良い声質の方なので、好きな方の一人です。

やはり「銀河英雄伝説」のコルネリアス・ルッツ提督でしょうね〜。

あの最期の場面は銀英伝でも屈指の場面ですから。一番はヤンの死の場面ですが、ルッツもインパクトありましたから。

あと覚えてるのは「宇宙戦士バルディオス」の月影長官でしょうか。

役名は覚えてないんですが「あしたのジョー2」のルポライター役もなさってましたね。

ずっとジョーを取材で追いかけていたんですが、ジョーのことを実に良く解ってて、一歩引いた立場で見守っていた感じかな。

昔で印象的なのが、野沢那智さんが急病の為に代役で一時期されていた

「ベルサイユのばら」のハンク・アクセル・フォン・フェルゼンでしょうか。

洋画の吹き替えも多い方でもありますね。主役となると記憶にないのですが、個性的な役どころが多かった様に思います。

 

さて、あらすじですが・・

 

英国秘密情報部ヒューム部長からの依頼。

それは祖国イギリスを裏切ったスパイ、アーノルド・グラストンを殺害すること。

彼は保護されていたロシアを追放されてから行方がわからなくなっていた。

ゴルゴはグラストンの女・ステラが滞在するマルタに飛ぶ。

グラストンにとって・・ステラはイギリス脱出の為の、ただの道具にすぎない。

二度と、彼女の元には戻ってこないと言い張るヒューム達。

しかしゴルゴは、マルタでグラストンを待つ孤独なステラを監視し続ける。

ゴルゴの真意は何処にあるのだろうか?そしてアメリカ西海岸で発見との知らせが齎されるが、ゴルゴは?

 

今回は、SPコミック3巻収録のエピソード。かなり初期のになりますね。

さて、本編ですが・・

 

マルタの海岸で・・誰かから逃げる女性があった。名をステラ。

追うのは彼女に仕事を与えていた雇い主だった。彼女に横恋慕していた男は、彼女をモノにしようと襲ったのだった。

何とか逃げ延びるステラ。そこへ現れるのはゴルゴだった。

逃げる彼女の後姿を見つつ・・ そして部屋に戻ったゴルゴは、向かいの部屋を監視し始める。それはステラの部屋だった。

部屋に戻ったステラは左手の結婚指輪を見つめながら、俯き哀しんでいた。

ゴルゴは、このマルタでステラを監視していたのだ。ゴルゴの目的は、一体・・何なのだろうか?

 

OPENING

 

ステラの下へ押しかける雇い主は、追ってきた奥方に問い詰められ、この女に誘われたと嘘をつく。

嫉妬で売女と罵りステラの頬を叩く妻。このせいで彼女は仕事を失った。

買い物も満足に出来ず、苦労するステラ。そんな彼女を、ずっと離れて監視し続けるゴルゴ。

彼女を追跡しながらゴルゴは、依頼された時の事を思い起こしていた。

 

何処かの墓場で葬式を見つつ、ゴルゴはMI6のヒュームと逢い、ある狙撃の依頼を受けていた・・

渡されたターゲットの写真を見つめつつ。

 

「密会の場所としてはムードがありすぎるんじゃないかね?Mr.ゴルゴ13。」

「・・何者だ?この男?」

「アーノルド・グラストン。我がイギリス外務省の上級公務員だった。

 そして裏で、国家機密をロシアの悪徳企業に売り続けていた・・売国奴だ。」

「・・祖国を、金で売った男・・か。」

「だが、6年前の夏・・身の危険を察知して、国外へ逃亡した。巧妙な手段で。

 上級公務員が海外旅行する際には、常に我々イギリス秘密情報部の監視の眼が付いて回る。

 しかし・・例外がある。・・ハネムーンだ。

 グラストンは、一人の女と・・見せかけの恋愛をし、結婚式をあげ、ハネムーンで、まんまとマルタへ国外脱出した。

 そして数日後、用済みになった女をマルタに残し、 最終ゴール、ロシアへと逃亡したんだ。

 ヤツの企てを嗅ぎ付け、阻止しようとした我々の組織のマルタ支局員2名を殺害してだ。

 その支局員2名に関しては、背景を伏せ、単純な殺人事件として何とか処理する事が出来た。

 置き去りにされた女の方は、殺人逃亡犯の妻ということで、今も・・島中から、白い眼を向けられているようだがね?」

 

「その女は・・今も、まだマルタにいるのか?」

「うむ・・。」

「6年前、グラストンが消えた時・・どうしてイギリスに帰らなかった?」

「結果的には・・売国奴に協力した女だ。」

「その女の帰国を・・あんた達が拒否した訳か?」

「・・女の話はいい。先月、グラストンがロシアから国外追放になった。

 何年、経とうと・・国を裏切った者は葬らねばならない。しかし、その行方が依然として掴めない。

 それでMr.ゴルゴ13。報酬3百万ドルで、こうして君に依頼するのだよ。」

「居所不明のターゲットを狙え・・と?」

「・・勿論、我々も全力をあげて探し続けている。」

 

「・・グラストンがマルタに滞在したのは・・何日間だ?」

「マルタ?グラストンがマルタに現れる可能性は皆無だ。

 あの女にしたって・・国外脱出の道具として利用しただけで・・グラストンは、ひとかけらの愛情も持ってはいなかったんだ。」

「・・ハネムーンでの・・滞在日数だ。」

「う・・む・・10日間だ。」

「・・10日間・・。」

 

ヒュームは、ゴルゴの睨むような視線に、応えた。ゴルゴは、果たして何を考えているのか?

何とか酒場で仕事を見つけたステラの働く店で監視しつつ酒を飲むゴルゴ。

そこへ船乗りに扮した連絡員がやってきた。

グラストンはアメリカの西海岸に居るらしいのですぐに向かえとの。そして何故マルタに居続けるのか真意を質しに。

 

「西海岸らしい・・と?」

「情報が錯綜してるようなんだ。」

「つまり・・アメリカという話も、当てにはならない。」

「どうして、あんたは・・あの女に拘るんだ?只の使い捨てにされた女だぜ?

 あの女も、あの女だ。何故マルタに居続ける?戻ってくる筈のない男なんか待ってないで、さっさと国に帰りゃいいだろうに?」

 

支局員の言葉を聞きながら、黙って酒を飲むゴルゴ。仕方なく、少し大声で別れの挨拶をして支局員は去っていった。

 

「用は済んだ・・行ってくれ。」

「・・じゃ、また近いうちにな?相棒。」

 

ゴルゴは、合いも変わらずステラを監視し続けていた。ステラは左手の指輪を見て、微笑むのだった。

部屋に戻ったゴルゴはM16を組み立て、構えて銃のチェックをしていた。

そしてステラの部屋に取り付けた盗聴器から部屋の音を聞きつつ、ベッドに横になりながら何かを考えていた。

 

前半終了

 

公園で座っているステラを、木の物陰から監視するゴルゴ。そこへM16の支局員がゴルゴの下へ訪れる。

グラストンはアメリカ西海岸のシアトル郊外に潜り込んでいるというのだ。

 

「・・確実な情報か?」

「あっちの支局が、急いで確認している。あの女の6年間はムダだったって訳さ。 アンタも空振りだったな。

 何を根拠に、あの女の下にグラストンが戻ってくると睨んでいたか知らないがね。

 確認出来たらすぐ伝える。何時でも飛べるように準備しておいてくれ。」

 

だが・・ゴルゴは、ステラへの監視を止め様とはしなかった。その根拠とは何なのか?

そこへステラの下に、下宿の大家が相談に来ていた。下宿を処分して、倅のいるジェノバに移り住むというのだ。

失意のステラ。その会話を読心術で読み取るゴルゴは、事態が動き出す事を直感した。

 

住む処も失う事になった失意のステラは、海岸で6年前の夫との事を思い起こしていた。

それを崖の上から、ずっと監視し続けるゴルゴ。

急に天気が崩れ、雨が降り出す海岸・・黙って俯き、雨に濡れるステラ。

 

部屋に戻ったステラの部屋に花束とメッセージが送られてきた。

そしてメッセージを見て泣き出すステラ。ゴルゴの眼が光る。

ステラは、借りた部屋を引き払い、バスに乗って街を出て行った。

ゴルゴは、ステラの追跡を開始した。

 

ステラがバスを降りたのは波止場だった。ここにグラストンが現れるのだろうか?近くから監視するゴルゴ。

ゴルゴはM16を組み立て、狙撃準備に入った。暫くして、遠くの海上に現れるクルーザー。

M16を構えたゴルゴのスコープに映るは、ターゲットのグラストンの姿があった。

ターゲットを確認し、雨に濡れたサイレンサー付きのM16を拭いて、銃を構える。

クルーザーから顔を出し、ステラに手を振り呼びかけようとするグラストン。

刹那・・プシュッ!スコープに撃ち抜かれるグラストンの何かを言う姿が映る。

ゴルゴは、瀕死のグラストンの口を見ながら、それを読み取った・・。

死に行くグラストンの真実の言葉・・想いの篭った・・最期の言葉を・・。

 

「・・ス・・テ・・ラ・・」

 

グラストンは危険を冒してでも、やはりステラに逢いに・・迎えに来たのだった。

息絶えるグラストン。止まるクルーザー。そしてステラは・・何も知らない。

雨の降る波止場で・・ステラは、ずっと待っている・・。

ステラは・・夫アーノルドの死も、夫の最期の言葉も・・何も知らない・・。

 

そしてヒュームにグラストン殺害終了の報告の電話をいれるゴルゴ。

 

「・・終わったよ・・オレの仕事はな。」

『今・・何と言った?』

「終わったと言ってるんだ。結果は知らせる約束だったからな。」

『な?・・なら、グラストンはマルタに?』

「こっちの支局員に命じて、すぐに死体の始末をさせろ。誰かの眼に触れる前に・・今すぐにだ。」

『解った。しかしグラストンが、どうしてマルタなんかに?』

「6年前・・ヤツは、この地に10日間も滞在した。国外脱出に成功したんだから、すぐにロシアに向えばいいのにだ。」

『まさか・・グラストンは、道具に使った女の事を・・本気で?』

「・・」

 

それ以上何も言わず、電話を置くゴルゴ。

そして、ゴルゴは何も言わず、顔も見ずに彼女の前を歩み去ってゆく。

一瞬ゴルゴを見るも、また俯いてグラストンが来るのを待ち続けるステラ。

海岸では・・波打ち際に落ちていたステラの指輪が哀しく夕陽で光っていた・・。

 

ENDING。

 

 

という話でしたが・・ あのラストの海岸に落ちている結婚指輪が・・余りにも哀しいですねえ。

あの時、落としたのか?それとも諦めて棄てたのか?

そしてステラは、あの後・・どうなってしまうのでしょうか?

もしかしたら、ずっと待ち続けて・・それを想うと、何ともいえない気分です。

 

にしても判断が難しい部分でもありますが、ゴルゴの直感が凄いというべきか?

確かにゴルゴの言う事も一理ありますが、時間稼ぎと取れなくもないような・・。

その辺りは描写不足なんで解りませんが、哀しい夫婦でしたね・・。

何となく自分の目から汗が出てくるのは、きっと気のせいなのでしょうねえ・・。

 

それとロシアの悪徳企業に国家機密を売り渡していたってのはムリがないかなあ?

ソ連とか言えないからの捏造でしょうが、ロシアからの国外追放処分ってのもロシアへの亡命ならあれですが、

ちょっとなあ?というのはありますけど、密入国がバレての国外追放とかいうオチなのでしょうかねえ。

 

ちょっと物悲しいお話でした。

 

さて次回は?

 

「家族を殺されたマリオは、ゴルゴに復讐を依頼した。

 敵を誘き寄せる為、ゴルゴは一人、アマゾンの奥地へ。ジャングルを舞台に、壮絶な戦闘が始まる。

 次回ゴルゴ13『 ガリンペイロ 』 ヤツの後ろに立つな!命が惜しければ!」

 

あれ?・・これも聞いた事はあるんだけど、思い出せない・・。

何か大勢が相手になりそうな銃撃戦の期待ありかも?

・・まあ次回の楽しみって事で(こればっか)ではまた^^

 

 

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