三百万ドルに群がるハイエナの末路 『 ゴルゴ13 』 Target.21 『 ガリンペイロ 』を視聴。

 

いや〜?何と言うか前半は緊迫感、後半は臨場感って言うんでしょうか?

ハイジャックの場面が少し淡々としてましたが、妙に手に汗を握るというか。後半は、なかなか派手なドンパチで凄かったですね。

ゴルゴって狙撃が多いので、こういうエピソードは意外に新鮮です。

 

ところで知人に聞くまで、私はスカイマーシャルって存在すら知らなかったんですよ。

こんな人が旅客機に乗ってるんだ〜って新鮮な驚きがありました。

何でも旅客機に搭乗して、ハイジャック等の犯罪に対処する武装警察官だそうで。

日韓ワールドカップの時のテロ予防対策の一環から始まったとか。

今では多くの国でスカイマーシャル制度が導入されてるみたいですね。

やはり01年9月11日の同時多発テロ、これが原因だったようです。

 

今回、人数は多かったですが、その他大勢みたいな感じでしたので、ゴルゴの殆ど一人舞台みたいなエピソードでしたね。

声優さんは、冒頭に出ていた老婆役の「滝沢久美子」さんぐらいしか知らない^^;

この方となると「ザ・ウルトラマン」のアミア役が私には印象的です。

にしても、かなりマニアックな話ですねえ?解る人、居るんだろうか?^^;

お母さん役が多い方でもあるんですが・・かなりのベテラン声優さんです。

「六神合体ゴッドマーズ」のロゼの妹ルイなんかもしてたっけなあ。

お婆さん役から可憐な少女役までこなしてしまう凄い方ですね〜。

 

今回は知らない声優さんばかりだったので・・聞き覚えはあるんですけどね^^;

マリオ役の「小形満」さん、ファルカン役の「乃村健次」さんは知らないなあ?

FBI部長リーガン役に「木村雅史」さん・・思い出せない。

「コードギアス」とか「金田一少年の事件簿」で聞いた気もしますが、多分は脇役だったんでしょうね〜?渋い声の方でしたが。

 

今回のあらすじですが・・

アマゾンの奥地で、ゴルゴは・・ある男の依頼を受けた。その名はマリオ。

彼はガリンペイロ崩れの山賊・ファルカン達に家族を殺されたのだ。

ファルカン達への復讐に燃えるマリオだったが、自分自身も瀕死状態の為、

ゴルゴにファルカン達の殺害を依頼した後、彼の命は尽きてしまう。

差し出された報酬・ダイヤモンドの屑を、ただ無言で受け取るゴルゴ。

その後、航空機をハイジャックして身代金三百万ドルもの大金を奪った彼は、何故か単身、アマゾンへと降下してしまう。

その事を知った、奪った大金を狙うファルカン達。そして悪党に成り下がった公安が、アマゾンのジャングルでゴルゴを襲う!

それは悪党達に送る、死神からの地獄への招待状であった・・・。

 

 

では本編ですが・・ アマゾン奥地の村の近くの川で魚銛漁を営んでいた猟師・マリオ。

だが、彼は突然鳴り響く凄まじい銃声の嵐に慌てて村へと戻る。

彼を待っていたのは、尽く殺されていた農民と炎に包まれた村の姿だった。

マリオが自宅に戻ると、そこには無残な射殺死体の父の姿があった。

だが・・妻と娘の姿が何処にもない。必死で探すマリオ。

辛くも助かっていた呪詛を唱える老婆に、自分の妻と娘の消息を聞く。

村の食糧を全て奪い、村の全ての若い女を攫っていったのだ。マリオは、怒りの余りヤツラを追って西へと向った。

村を襲ったのは、ガリンペイロ崩れの山賊集団だったのだ。村は死んだ・・炎と黒煙を上げながら・・断末魔の悲鳴の如く・・。

 

OPENING。

 

ある月夜・・アマゾン川沿岸に立つ壊れかけた一軒家。ゴルゴは依頼を受ける為に、ここへ赴いていた。

そこで待っていたのは血塗れのマリオだった・・ゴルゴに依頼する為に。

 

「・・マリオか?」

「・・はい。Mr.デューク東郷で?」

「・・話を聞こう。」

 

「ガリンペイロ・・天然ダイヤを掘る男達の事か。」

「はい・・だがヤツラはガリンペイロの名を騙るゴロツキだ。

 本当は、警察に追われてアマゾンに逃げ込んで来たんだ・・ゴホゴホ・・ヤツラを束ねているのがファルカンってクソ野郎です。」

 

ファルカンの手配写真をゴルゴに渡すマリオ。彼の手は、口から吐く血で真っ赤に染まっていた・・彼の死期は近かった。

 

「ヤツラを・・その一味を皆殺しにしてほしい・・ゴホゴホ・・アイツ等、俺の家族を嬲り殺しにしやがった。

 代金は、これで・・ヤツラから奪ったものです・・。」

「・・俺の事を何処で知った?」

「見張りの男達が話していた・・死神みてえな殺し屋がいるって。」

「女房と娘は?」

「もう・・殺されて、野っ原に棄てられていた・・。」

「・・警察に任せるんだな?」

 

立ち去ろうとするゴルゴに、警察を否定するマリオ。また、ここの警察も外道だったのだ。

 

「警察なんか役に立たねえっ!ヤツラは・・警察の公安隊は鬼だっ!

 ガリンペイロ討伐隊に派遣されたのをいいことに、逆にヤツラの仕業に見せかけて農園や牧場を襲う・・ゴホゴホ・・」

 

ヤツラから盗んだダイヤの原石を集め、手で差し出すマリオ・・だが、彼は遂に力尽き・・息絶えてしまった。

ゴルゴは、それを冷徹な眼で見つめていた。果たして彼は依頼をどうするのか?

床に転がったダイヤの原石が、月明かりに照らされ・・哀れを誘っていた。

 

数日後、ゴルゴは変装して武器を調達に来ていた。

 

「アマゾンですか?」

「最近、隣国のゲリラが侵入してきている。政府としても、陸軍所属の公安隊を強化する方針でいる。」

「こちらが高機動多目的装輪車両M1114ハンヴィーです。路上最高速度は125k。最大出力は190馬力。」

「リングマウンテンM2重機関銃を搭載してくれ。弾丸は12.7ミリを1万発。」

「解りました。」

 

「無反動砲AT4です。グレネードランチャーもおつけしますか?」

「マークナインティーンとスティンガーミサイルも頼む。」

 

そして舞台は旅客機へと変わる。変装したゴルゴが乗り込んでいた。

発煙騒ぎを起こすと、その機に乗じてスカイマーシャルより銃を奪い、女性乗務員を人質にコクピットへ。

ハイジャックだった。狙いは何か?

 

「騒ぐな。」

「え・・」

「この銃は、そこにノビているスカイマーシャルのものだ。コックピットへ行け。」

「ひ・・」

「・・指示に従え。」

 

空港に着陸した旅客機を囲むFBIの狙撃員と部隊。空港管制室にFBI部長リーガンの姿があった。

 

「状況を説明してくれ。」

「機内で発煙騒ぎがあったのが21時14分。その30分後にハイジャックされたとの連絡を受けました。」

「犯人の数は?」

「現在、確認されているのは1名だけです。」

「1名だけだと?武器は?」

「詳しい経過が解りませんが、機内に居たスカイマーシャルの銃を奪った様です。」

「死傷者は?」

「まだ出ていません。犯人は現金で3百万ドルを身代金として要求しています。」

「出来たのか?」

「現在、作業中です。」

 

「リーガン部長、相手は一人だけです。強行突入しましょう。」

「慌てるな。ヤツと話合いしてからでも遅くない。」

「出ました。」

「FBIのリーガンだ。まだ犠牲者を出していない事を君に感謝する。我々は、君の要求に応える為に全力を尽くしている。」

『・・久しぶりだな?リーガン。』

「・・こ、この声は?」

 

リーガンは愕然とした。その声に聞き覚えがあったからだ。

 

『乗客は身代金と引き換えに解放する。但し、待つのは2時間だけだ。』

「君が・・何故?」

『強行突入すれば、突入した全員が死ぬ事になる・・それを忘れるな(ブツッ)』

「切れました。」

「うむう・・」

「部長?部長は・・ハイジャッカーを、ご存知なんですか?」

「部長?」

「・・急いで金を用意しろっ。」

「は、はいっ。」

 

一人、旅客機に用意できた3百万ドルを持って向うリーガン。タラップを上がり、中に入ると待っていたのは・・

 

「・・やっぱり君だったのか。」

「金を見せて貰おう・・よし。こっちに貰おう。」

「教えてくれ?何故、君がこんな事を?」

「説明している暇はない・・降りろ。」

 

ゴルゴの行動に疑問を隠せないリーガンを他所に、彼に降りるよう命じる。

リーガンの帰り際にスーツケースを手渡して。リーガンが降りると乗務員以外を全て解放し、旅客機は飛び立った。

それを見送るしかないリーガン。そこへ部下が駆け寄る。

 

「行ってしまいましたね・・疫病神。」

「ゴルゴは・・いや、犯人の残したケースの中身は何だった?」

「今、爆発物処理班が調べています・・ああっ部長っ!近づかない方が・・。」

「え?これは・・3百万ドルです。身代金と同じ金額です。」

 

受け取ったスーツケースを爆弾処理班が調べると、中身は現金だった。身代金と同額の3百万ドル・・何故?

 

「・・一体、どういう事だ?彼は、何を企んでいるんだ?

 諸君・・この事は一切、口外してはならんぞ。真相が解明されるまで断じてならんっ。良いな?」

 

そして旅客機の向う先は・・

 

「・・進路を南東へ取れ。」

「何処へ行く気だ?」

「・・アマゾンだ。」

 

旅客機がアマゾンに着き、予定した地点に着いたのだろうか?

ゴルゴはパラシュートで、夜のアマゾンへと降下した。まるで、教えてくれと言わんばかりの謎の行動を見せるゴルゴ。

解放された機長が連絡する。嵐の前の静けさであった・・。

 

「ハイジャッカーが降下した。場所はアマゾン川東方。」

 

前半終了。

 

翌朝、アマゾン川東方を目指すヘリと多数の軍用車両があった。公安隊だった。

 

「ハイジャッカーは東洋人の男だ。それらしい男を見つけたら撃ち殺せ。

 違っていたら適当な理由をデッチあげろ。金は我々公安隊が絶対に戴く。」

 

それを見たファルカン達も、ゴルゴの3百万ドル奪取に眼の色を変える。仲間を集め、ゴルゴを探すファルカン達。

夕方、ゴルゴを発見するファルカン達が、ゴルゴを追い詰めたかに思えた。

だが・・ゴルゴは用意していた軍用車両に乗り込み、反撃を開始した。

車両を運転しながら、手榴弾を次々と投げるゴルゴ。その爆発に、次々と吹き飛び倒れてゆく山賊達。

そして車両に設置した重機関銃が唸りを上げ、薙ぎ倒してゆく。

そこに公安隊も現われ、戦闘は激しさを増してゆく。獲物に集るハイエナの様相が濃くなっていた。

その状況を、アメリカ国防総省の偵察衛星が捉えていた。そこには次々に撃ち倒されてゆく公安隊と山賊が映し出されていた。

 

「どうした?」

「アマゾン川流域で小規模な戦闘が起こっています。 例のハイジャッカー絡みかと。」

 

そして赤外線画像が映し出される・・戦闘の一部始終が。

 

「これは本当にヤツなのか?」

「そう考えるのが妥当でしょう。」

「誰と遣り合っているんだ?」

「マナウスに駐屯するアマゾナス州の公安部隊だそうです。」

 

公安部隊のヘリが、いきなり撃ち落される。

 

「何だ?一体??」

「ス、スティンガーミサイルです。」

「何ぃ?」

「ミ、ミサイル接近・・うわああ・・」

 

もう1機、落とされるヘリ。焦る公安部隊の指揮官。ランチャーを構え、スティンガーミサイルを撃つゴルゴ。

その爆発の破壊力に薙ぎ倒されてゆく公安部隊。軍用車両は次々と爆発してゆく。

 

「マナウス近辺の情報を調べてみましたが、特に目ぼしいものはありません。」

「麻薬組織の小競り合いもか?」

「はい。」

「これがゴルゴだとすると・・彼は一体、何の為に戦っているんだ?」

「そろそろ・・衛星が、この上空を離れます。」

「次の衛星が来るのは?」

「25分後です。」

 

照明弾があがり、必死に逃げ出すファルカン。

 

「ボス?3百万ドルは諦めるんですか?」

「バカ野郎っ!あんな化け物を相手にしてちゃ命が幾らあっても足りねえ。行くぞ」

「82小隊、応答しろ?83小隊、状況を報告しろっ。バカな・・誰かいないのか?・・ぐわあああああああああああああああ・・」

 

焦る公安隊の指揮官。そして・・ゴルゴのスティンガーがヘリを狙う。ヘリ後部に命中するスティンガー。ヘリは墜落し爆発炎上した。

それを見たファルカン達は、逃げた先にあった軍用車両に乗り込む。だが・・キーを回すと・・爆発、炎上した。

ファルカンは、キーを投げ捨て、慌てて車から降り、そこから逃げ出す。

川に飛び込み・・向こう岸へ。吸い付いたヒルを払い除ける。

その彼等を照らす車の灯り・・そして銃を構えるゴルゴの姿があった。彼等を待ち構えていたのだ。

ファルカンを無表情で機関銃で撃ち殺すゴルゴ。そして・・マリオから受け取った手配写真をファルカンの死体に放る。

使い終わった車両にガソリンを蒔くと、銃撃して炎上させるゴルゴ。そして、ゆっくりと・・彼は、その場を去って行った・・。

 

翌朝、FBIのリーガンの下に報告が届く。

 

「部長。アマゾンの奥地で小規模な戦闘があったようです。」

「戦闘?」

「この戦闘が、あのハイジャッカーと何か関係があるのでしょうか?」

「・・ゴルゴ13だ。全て、彼一人で遣った事だ。」

「え?まさか?」

「いや・・間違いない。あの3百万ドルはターゲットを誘き寄せる餌だったんだ。」

「餌・・ですか?」

「しかし・・一体、誰がアマゾンの掃除を、彼に依頼したのか?」

 

このハイジャック騒ぎと身代金の3百万ドルは撒き餌だったのだ。全てを察するリーガンだった。

そして・・平穏を取り戻したアマゾンに、鳥の鳴き声が響いていた・・END。

 

ENDING。

 

しかし、こういう話って単純に楽しめますよね。

強引な気もしないでもないですが、欲に眼の眩んだ悪党にはハイジャッカーの持つ身代金3百万ドルは魅力的すぎたでしょうから。

何せ、身代金ですからね?悪徳公安も、奪った後で知らぬ存ぜぬを決め込むでしょうし。

ファルカン達との奪い合いも可能性がありましたが、それ以前の問題。

ゴルゴの冷静な犯罪者心理を読みきった判断には驚かされます。

悪党がドンパチで遣られていくのって、見ていて気分が良いからなあ。

 

この話に出て来るスティンガーですが、「FIM-92スティンガー」かな?

80年代後期に出て来た携行用地対空ミサイルです。ちなみにスティンガーは英語で「毒針」の意味。

扱いやすく、高性能赤外線・紫外線誘導方式を採用していて、ヘリコプターや対地攻撃機が目標が多い兵器ですね。

ゴルゴは、ヘリだけでなく車両や兵士掃討にも使用してましたが。そういう意味では少人数向きの使用武器かもしれないなあ。

現在実用化されたミサイルの中で最も命中率が良いとかされてますね。

ソ連のアフガン侵攻に使われた事で結構有名なんですが、日本でも採用された兵器なんだそうな・・知り合いから聞いて驚いた記憶あり。

 

ハンヴィーっていうのは四輪駆動軽汎用車の派生型で、AMゼネラル生産の軍用4WD車両の総称らしいです。

まあ昔の軍用ジープの発展型なんでしょうね。

ちなみに一般用の車種が「ハマー」なんだそうな。

オプションで12.7ミリ重機関銃M2、Mk19グレネードランチャー、M240汎用機関銃、M249MINIMI軽機関銃など。

他にTOW対戦車ミサイル搭載型とか、救急車仕様などもあるそうです。

 

 

さて次回は?

 

「ユタ州の砂漠に、ポツンと佇むモーテルにゴルゴは立ち寄る。

 そこへ・・カジノで金を盗んだ息子が帰って来た。

 ゴルゴの真の狙いとは?家族の愛憎が思わぬ事件を引き起こす。

 次回、ゴルゴ13『 インディアン・サマー 』 ヤツの後ろに立つな!命が惜しければ!」

 

あれ?・・これも聞いた事はあるんですが、どうも思い出せません。

そりゃまあゴルゴは、私って殆ど読んでますから当たり前なんですが。・・まあ、これも次回の楽しみって事で。ではまた^^

 

 

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