死神を目指した男の末路  『 ゴルゴ13 』 Target.30 『 ラブはナイフ 』を視聴。

 

原作的に、確かに初期のモノだなあという印象のエピソード。

淡々といった形で話が進むのはゴルゴの特徴ではありますが・・個人的にゲスト声優さんの声で楽しめたかな〜みたいな印象でしたね。

 

今回の敵、ナイフ使いベン・ピアースを演じるは「小杉 十郎太」さん。

「機甲戦記ドラグナー」のマイヨ・プラートの2枚目敵役が印象的ですが、

「機動戦士Zガンダム」のヘンケン・ベッケナー艦長とか、

「宇宙の騎士テッカマンブレード」のテッカマンランスとか、

「銀河英雄伝説」のカスパー・リンツとか、

「金田一少年の事件簿」の剣持勇・警部とかが印象的な渋い声の方です。

洋画の吹き替えもかなり多いようで、結構よく耳にする方でもあります。

 

その恋人ナタリー・ルイスは「日野 由利加」さん。

ちょくちょく見掛ける方なんですが、役となると余り思い浮かばないかな。

「ヒカルの碁」で確かヒカルのお母さん役だった気もするが自信はないなあ。

「名探偵コナン」で、何回か出てた気もしますが。

まあ・・アレは、既に500話を超える(08.11/03現在、516話)から、出ていない声優さんの方が少ないかもしれないんですけれどね^^;

ひょっとしたら洋画の吹き替えが多い方かもしれないなあ。

確か私が持っている「ターミネーター2(DVD)」のサラ・コナー役だった。

「マトリックス」のトリニティーもだったかな。

 

そういえば「金谷ヒデユキ」さんの名をゴルゴのEDテロップで数回見かける。

今回も、チョイ役だったですけどね。

もし名前を変えてないなら「タモリのSuperボキャブラ天国」に出ていた「地獄のスナフキン」の異名を持った替え歌芸人さんだろうか?

「爆笑問題」「ネプチューン」「海砂利水魚(現在名は「くりぃむしちゅー」)」等のお笑い芸人の登竜門であったのが印象的だったなあ。

結構、優勝していた印象がある方の一人ですね。

 

閑話休題。

 

さて、あらすじですが・・

 

ナイフ使いの名手ベンは、ゴルゴ13の名を騙って殺しをしていた。

彼の恋人で、殺しのパートナー・ナタリーは、ゴルゴに気づかれる前に切り上げた方がいいとベンに忠告。

過去に恋人が、ゴルゴによって殺害されていたのだ。

しかし己の力に自信をつけたベンは、ゴルゴを殺す事で、自らの名前で大金を稼ごうと意気込む。

ナタリーが不安で見守る中、ベンはナイフの矛先をゴルゴに向けた!ゴルゴにベンのナイフが迫る・・

 

 

本編

 

 

どこかで時を刻むタイマー音が1分を切った。とあるホテルの一室を、別の部屋のドアを少し開けて観察する男がいた。

自分の時計で、時間を確認すると胸ポケットより取り出すナイフ。その部屋の前には、二人のボディーガードが護っていた。

そして・・その地下駐車場で・・ゆっくりと時を刻むタイマー。その駐車場から出てくるオープンカーを運転する女。

車がホテルの外で止まり、女は時計で時間を確認する。

時刻は午後9時を刻み・・タイマーがゼロを刻んで爆発した。これは爆弾の起動タイマーだったのだ。

爆発で揺れるホテル。それに部屋から慌てて出てくる男。その男が彼のターゲットだった。

ナイフを構え、男の胸目掛けて投げた。男の胸にナイフが突き刺さり・・ターゲットの男は即死した。

慌てるボディガードを横目に、男は窓よりロープを下ろして逃走。その下には先ほどの女が待っていた。

車は現場を走り去り・・少し走った郊外で、二人の男が彼を待っていた。

 

「仕事は確認した。流石だ・・ゴルゴ13。」

「・・ふ・・」

 

だが・・彼はゴルゴでは無かった。果たして何者なのか?

 

 

OPENING

 

 

「ゴルゴ13・・約束の残金だ。」

「・・数えてくれ・・ナタリー。」

「アンタ・・ホントにゴルゴ13なのか?ああ・・いや、ゴルゴ13に助手がいるとは聞いてなかっただけだ。」

「俺が、俺の引き受けた仕事で、何を使おうと依頼主には関係のない事だ。それとも俺の仕事に文句があるのか?」

「ああ・・いや・・そんなつもりじゃ。」

「何なら・・試してみるか?本物かどうか。」

 

残金を受け取ると、その場を立ち去る男と女。別の街のホテルでくつろぐ二人。

女の名はナタリー。男はベン。彼等は、ゴルゴの名を騙って仕事をしていた偽者だった。

 

「あなたがドサ周りのサーカスから逃げ出して私と知り合った時、千ドルで殺しを請け負ったチンピラだったのよ。

 それが今じゃ一回の仕事で50万ドルを稼ぎ、あっという間に2百万ドルよ。」

「お前が教えてくれたゴルゴ13を名乗り、しかもお前が探してきてくれた仕事でな・・。」

「ゴルゴ13・・ゴルゴの偽者って仕事も、そろそろ切り上げ時のようね。本人にバレない内に。」

「俺は、もっと稼ぐ。ゴルゴの偽者じゃなく、俺の手でな。」

「な、何を言ってるのよ?ゴルゴ13の名を使ってるから、相手は信用してくれているのよ?」

「・・ゴルゴ13と名乗っただけで、ポンと50万ドルだ。

 もう偽者はたくさんだ。俺は、俺の腕で最高のプロフェッショナルになってやる。

 ゴルゴの名前を塗り潰し、その上にベン・ピアースの名をはっきり書き込んでやる。」

「ゴルゴの名前を塗り潰して・・貴方、まさか?」

「そのまさかだ。お前さえ協力してくれれば、必ず殺れる。」

「ベン・・貴方は何も判ってない。ゴルゴ13が、どんな男か。彼の怖さを。」

 

ナタリーは、昔・・自分の男をゴルゴによって殺されていたのだ。

用心棒諸共・・成す術もなく・・彼女は、復讐を誓った。

 

「愛する男を殺され、ゴルゴを憎んだわ。私は・・私に出来る復讐を企てた。

 鼻っ柱の強い若者にゴルゴ13を名乗らせ、ゴルゴに払われる筈の金をくすねてやった。

 でも、今は・・その鼻っ柱の強い若者を愛してるの。お願い。ゴルゴを殺すなんて考えは捨てて。」

「それでも・・俺は・・。」

「ねえ?落ち着いて、よく考えるのよ。

 貴方は、本物のプロフェッショナルってものが判ってない。それに、ゴルゴという男は鋼のような身体を持ってる。」

「俺だって負けてない。」

「それだけじゃない。ゴルゴはジブラルタルの岸壁のような硬い意思と、正確な射撃術を身につけているわ。ベン・・貴方に、それがある?」

「俺には・・俺には、どんなところでも音を立てずに相手を倒せるナイフって武器がある。

 消音銃より確かな、つまり奴よりゴルゴ13より有利なものが一つ俺にはあるんだ。

 ナタリー・・俺を男にしてくれ。ナタリー・・。」

「・・いくら止めてもムダなのね・・。」

「一緒にやってくれるんだな・・ナタリー。お前の為だ・・お前の為に・・ゴルゴを殺ってやるっ。」

 

そして熱い情事に喘ぐ二人・・ナタリーは、その一時に溺れていった。

数日後、ベンとナタリーはゴルゴの次のターゲットの処に訪れた。

ゴルゴの次のターゲットの名はウォーレン・コール。その巨大な個人豪華客船の船内で開かれるパーティでの狙撃。

二人は、彼のナイフ投げのショーに雇われる事に成功する。そして・・ゴルゴも、その船に向う。

 

「金持ち達のご登場か。」

「あ・・彼よ。彼がゴルゴ13よ。」

 

ナタリーは、近づくモーターボートに乗っているゴルゴに気付きベンに教える。

ベンは、黙ってゴルゴを見つめていた・・。

 

 

前半終了

 

 

夕陽が照らすデッキで一人で海を眺めるゴルゴ。

 

「ベン・・何処に行くの?」

「ちょっと・・挨拶だ。」

 

ベンは偶然を装い、ボーイの荷物運びを手伝う。

そして、わざとバランスを崩しゴルゴに倒れ掛かるが?

ゴルゴは辺りを確認しながら、倒れ掛かる荷物を支えた。

 

「すみません。お怪我はありませんか?」

「・・大丈夫だ。」

 

その場を去るゴルゴ。ベンは何故か、苦虫を噛み殺していた。

ナタリーは、怪訝な顔でベンを見つめていた。

数刻後、ベンとナタリーは船員食堂で食事をしていた。

 

「チッ・・こんなところで飯とはな。サーカスに居た頃を思い出しちまう。」

「・・あんな真似して・・どういうつもりなの?

 でも・・私の、取り越し苦労だったのかしら・・ゴルゴ13ともあろう男が、あんな荷物も避けられないなんて。」

「いや・・ヤツは、お前の言ってた通り精密機械みたいなヤツだ。

 あの一瞬に周りの状況を全て確認し、それでベストな選択をしやがったんだ。

 もしヤツが避けていたら、ガラスが割れていた。当然、用心棒達も駆け付ける筈だ。

 ヤツは余計な詮索をされるのを避けたかったんだ。だから敢えて俺と荷物を支えた。

 しかも、俺が武器を持ってない事を確認してやがった。

 誰にも気付かれず、誰にも注目されずにヤツは去って行きやがった。

 自分の仕事を遣り遂げる為にな。恐ろしいヤツだ。」

「・・バレたって事は無いかしら?」

「バレる訳がない。ただの間抜けな船員だと思ってるよ。」

 

明かりの周りを飛び回る蛾を食べ物ナイフで一撃で仕留め、食堂を去った。

その頃ゴルゴは、荷物置き場で秘密裡に楽器に紛れ潜り込ませていた自分の愛銃M16を確保していた。

そしてショーが始まる。ゴルゴをステージ脇から探す二人。

 

「・・ヤツは居るか?」

「・・いないわ。」

「ヤツは来る。ショーの間が唯一、コールを狙えるチャンスだ。

 その時こそ、このナイフでヤツの首を壁に縫い付けてやる。」

 

そして・・部屋を出て動き始めるゴルゴ。ベンとナタリーは見事なナイフショーの実演を行っていた。

ファンファーレが鳴り、そして・・ナタリーが潜むゴルゴに気付いた。そしてベンも・・ゴルゴの冷たい眼が光る。

何事もなかったかのように、スポットライトを浴びながらステージを後に。

 

「・・来たわ。」

「ああ・・予定通りだ。」

「次のショータイムの時、明かりは舞台だけになるわ。チャンスよ。」

「ああ・・判ってる。」

 

ゴルゴの狙いが次のストリップショーだとベンとナタリーは読んでいた。

会場後ろのカーテン越しに時間を確認し、銃の準備に取り掛かるゴルゴ。

明かりが消え、音楽とともに美女のストリップショーが始まる。

銃を用意するゴルゴ。ナイフをステージ脇で構えるベン。緊迫感が漂う。

ターゲットのコールは何も知らずショーを見つめる。

 

美女がドレスを脱ぎ始め、スポットライトが徐々に狭まっていく。

ステージで、後ろ姿を見せながらパンティ姿になる女。

そしてゴルゴは、サイレンサー付きのM16を構える。

遂にM16のスコープに、コールの横顔を捉えた。

ステージの女が前を向き、スポットライトが女の顔だけを映す。

そして裸の上半身だけを映し、客の視線が釘付けになった瞬間?

 

「今だっ!」

 

ゴルゴに向けナイフを投げるベン。ゴルゴが引き金を引こうとする刹那?

ゴルゴは飛んできたナイフに気付き、咄嗟にM16で弾き落とす。

ゴルゴの、その視線の先にはベンの驚愕の顔があった。

 

「・・まさか・・避けた?そんな筈はない。」

 

もう一度ナイフをゴルゴに投げるベン。ゴルゴも銃を構え・・撃つ。

ブシュ。ゴルゴの銃弾がベンの額を捉えた・・驚愕するナタリー。

ベンのナイフは、今度は微妙にゴルゴの右に外れて後ろに突き刺さる。

ベンは・・よろよろと・・ステージに歩を進めて・・倒れた。

ストリップの女性が悲鳴をあげ、観客が驚きと共にどよめく。

 

その隙に・・ゴルゴは、コールをもう一度スコープに捉えた。

ブシュ。右のコメカミを撃ち抜かれ、即死するコールが倒れる。

呆然とベンを見つめるナタリー。

そしてゴルゴは、用意していた仕掛けのスイッチをいれ、会場の明かりを消し去る。明かりが消え、騒然とする会場。

 

「判っていたのよ・・こうなるって事は・・ううう・・(涙)」

 

ベンに無き縋るナタリー。ゴルゴは、ゆっくりと現場を去って行く。

外は・・満月が何もなかったかのように夜空を照らしていた・・END。

 

ENDING

 

 

え〜と・・私的には、今ひとつな話だったなあ。見てて話は思い出しましたけど、まあこんなものかなあ・・と。

しかし最近のエンディングって、こういうパターンが定番になりましたね。私は好みですが。

そういえば今回ってゴルゴのセリフ少なかったなあ。「大丈夫だ。」・・だけでしたっけか?見落としがなければ。

最近は、結構セリフが多かったから余計に印象強かったかな。

まあ一言だけじゃ少ないって以前の話ではあるんですが、ゴルゴですしね。

 

しかし、あの投げナイフを避けるって、どんな反射神経してるのやら?ちょっと役者が違いすぎたってところでしょうねえ。

まあベンの気持ちって、決して男として判らなくはない話なので。

男って変なプライドを持つ部分が、誰しも多かれ少なかれあるんですよね。

女に縋るベン、そしてそれを止められないナタリーの自戒。

ゴルゴに返り討ちに合うベンを見ていて何となく落ち込むのが・・。

今ひとつだったのは、ベンを見て自分が物悲しくなったせいかも(苦笑)。

 

 

さて、次回ですが・・

 

「荒れ狂う海で、原油を積む大型船がシージャックされた。

 20名を超える乗組員が、人質に取られる。

 犯人殺害依頼を受けたゴルゴは、海の中から水中スクーターでターゲットに近づく。

 次回ゴルゴ13『 ANGRY WAVES 』 ヤツの後ろに立つな!命が惜しければ!」

 

あれ?・・このエピソードって、全く知らない(苦笑) どんな話なんだろうなあ・・ではまた^^

 

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