死神に狙われた隠花植物の男 

『 ゴルゴ13 』 Target.36 『 死に絶えた盛装 』を視聴。

 

えと・・何となくバンを羨ましく思ってしまった私は、ダメなんでしょうねえ(苦笑)

それとチョコレート・バンの声が、誰が演じてるか良く判らなかったんですが・・。

 

今回ゲストの、マダム・マルタンを演じるのが「勝生 真沙子」さん。

気の強い女性役では「榊原 良子」さんと双璧な方だな〜って思います。

私は、二人共に好きな女性声優さんですね。

一番印象的なのが「銀河英雄伝説」のヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ。

後の銀河帝国皇后役でしたね。

名のヒルダよりフロイライン・マリーンドルフの呼び名が多かったですが。

あと「ガラスの仮面」の北島マヤ(昭和版って言えばいいのかな?)とか、

「Zガンダム」のレコア・ロンドとか、

「アルスラーン戦記」のファランギースとか、

「冥王計画ゼオライマー」のロクフェルなんかが印象的です。

 

多分、依頼人の老人の名がデル・ファルトだと思うんですが・・それを演じてるのが「上田 敏也」さん。

渋い声の方で、上手く演じられてるんですが、他の役が思い浮かびません。

何度か見かけた声優さんなんですが・・「Zガンダム」とか「ペリーヌ物語」とか。

 

 

 

さて今回の、あらすじですが・・

 

モナコ・モンテカルロのカジノで一際目立つ美女マダム・マルタンは、男を虜にし、狂わせる程の魅力を持っていた。

その彼女を裏で操る売国奴、通称チョコレート・バン。

マダム・マルタンを愛する男からこのチョコレート・バン殺害を依頼されたゴルゴ。

整形手術や変装で姿を変えているかもしれない行方不明のバンが、

モンテカルロでマダム・マルタンに接触すると見込んだゴルゴは、彼女を見張り続ける。

顔も分からない標的の真実とは?

 

 

 

本編

 

 

 

モナコ、モンテカルロのカジノに訪れた美女、マダム・マルタン。

大勢の紳士が挨拶に伺う・・花に群がる蝶の様に。

それを黙って見つめる男・・ゴルゴだった。

ルーレット台にディーラーから誘われたゴルゴは、13番を指定する。

回り始めたルーレット。

そして、その台にエスコートされて訪れるマダム・マルタン。

何とルーレットは13番に入る・・だが、それを気にも留めず、彼女を見つめるゴルゴだった。

ゴルゴの目的は、何なのだろうか?

そして、今回のターゲットとは?

 

 

 

OPENING

 

 

 

ディーラーに促され、ゴルゴは再度13番に当たった全額を掛ける。

 

「次は如何なさいますか? え・・またですか? それは流石に・・」

「・・良いんだ。」

 

ゴルゴの近くに座ったマダム・マルタンは、ゴルゴを見て呟く。

だがゴルゴは、ルーレット台を見たまま無言だった。

ディーラーが、彼女に話し掛けた。

 

「今宵は悪魔の数字に運が向いているのかしら?」

「奥様は、どうなさいますか?」

「もう少し、テーブルのツキを見させて貰うわ。」

「判りました。」

 

回り始めるルーレット・・何と、また13番に入り、どよめく人々。

 

「このルーレットは13番に魅入られているようですね?」

「・・同じところへ全部だ。」

「は、はい・・判りました。」

「13番に、これ・・全部。」

 

ゴルゴが再度13番に賭け、彼女も13番に賭けた。

ルーレットが回るのを見ながら、ゴルゴは依頼の時を想起していた。

 

風車小屋の中で・・老年の男からゴルゴは依頼を受けていたのだ。

顔写真を受け取るゴルゴ・・それはマダム・マルタンだった。

 

「それがメルだ・・今は、マダム・マルタンと呼ばれている。

 彼女に会うのは簡単な事だ。

 モンテカルロ第一のカジノ・クイーンビーに、午前零時頃に行きさえすればな。

 とにかく目立つ女だよ。

 君の、その凍りついた様な血潮をも騒がせるかもしれん。」

「・・ターゲットは男だと?」

 

「ふ・・Mrゴルゴ13・・少しは、この哀れな老人の昔話を聞いて貰えんか?

 ・・メルは、私の宝物だった・・8年前だ。

 その頃の私は、農協の会長をしていたんだ。

 そしてメルは・・ここから、そう遠くない小さな町の安酒場で、農夫達の飲み干したグラスを洗っていた。

 その年、私は妻を亡くして孤独に打ちひしがれていた。

 そんな時、あの男がメルを私のところに寄越した・・。

 ふ・・年甲斐もなく、私はメルの体を貪った。

 そして3ケ月・・その可愛い原石を、金と華やかな場所で磨き上げ、サテンを着こなせる女にした。

 私のメルは、どんな宝石よりも美しかった。

 そんな女が毎晩、私とベッドを共にしてくれる。

 私にとっては、まるで夢の様な3ケ月だった・・。

 そして彼女は、ある日・・私の前から忽然と消えた・・。

 私の贈賄の証拠を持って、反対派の議員の下へ走ったのだ。

 私は、名誉ある座と共に、メルを失った。

 それからのメルは、まるで風に舞う風船の様に、政界財界の大物達の間を飛び回った。

 メルが飛び立つと、株価が上下し、政界は大混乱したもんだ。

 次から次へと価値のある男の胸に止まり、その蜜を吸い尽くすと、枯れ草の様に男を踏みつけて去って行く。

 今の私には、メルと過ごした・・あの3ケ月が宝物の様に思える。

 ・・憎いのはバン・シュルツッ!

 チョコレート・バンと呼ばれている男だっ!

 アイツが、全てを操っていたのだっ!」

 

「・・それほどの女が何故、その男だけの言い成りに?」

「それは・・それは、その男がメルを最初に女にした男だからだ・・。

 とにかく、そのバン・シュルツという男が、突然姿を消したのは3年前だ。

 警察機構がヤツにスパイ行為の疑いがあると追い始めたが、依然行方不明。

 しかし来週、ヤツはモンテカルロに現れる。」

「・・何故、そう言い切れる?」

「そこで行われるラリーの見物に、メルが行くからだ。

 それも、付き人はメイド一人という至って気軽な旅だ。

 ヤツは、メルに逢えるチャンスが3年振りにやってきたのだからな。」

「・・バンの特徴は?」

「みすぼらしい小男だった・・多分、背丈も私ぐらいの筈だ。

 しかし国際手配された今・・ヤツくらいの男なら既に、顔も変えているだろうし。」

「メスの入らないモノもある・・性格ってヤツだ。」

「・・隠花植物という言葉がピッタリだろう。

 何時も纏わりつき・・自分をけして・・ぐおっ?」

 

ズキュ〜ン!銃声が響き、窓ガラス越しに老人を貫く銃弾。

ゴルゴが拳銃を構え、窓から外を見ると立ち去ろうとするバイクが?

二人乗りの後部座席の男が撃ったのだろう。

窓ガラスを割り、運転者を射殺するゴルゴ。

バイクが転倒し、倒れるも逃げようとする狙撃者を射殺するゴルゴ。

チョコレート・バンが先にてを回したのだろう。

依頼者の老人は既に息絶えていた・・。

 

そして現実に戻り・・ルーレットは17番へ。

ディーラーはゴルゴに話し掛ける。

 

「あの時、止めておきゃあと思うのがギャンブルですよ、Mr?」

 

ゴルゴは黙ってルーレット台から離れ、バーカウンターに向った。

それを見ながらマダム・マルタンはテーブルオーナーに尋ねた。

 

「私が、あの方の幸運まで奪ってしまった様ね・・誰、あの方?」

「はい・・先程バーで、お目に掛かった時は、来週行われるラリーの為にお出でになられたとか・・。」

「でも、レーサーなの?」

「そこまでは・・お名前は、Mr東郷とか伺いました。」

 

彼女はボーイに水割りを詫びだと奢る様に伝える・・だがゴルゴは?

その水割りをバーテンダーに付き返した。

 

「マダム・マルタンからです・・ツキを逃してしまったお詫びだと・・え?

(小声)マダム・マルタンの奢りを断るんですか?」

「・・俺には、そんな習慣は無い。」

「そんな事を仰らずに、気持ちだけでも・・。」

 

「今夜は不愉快になりましたので・・失礼しますわ。

 メルッ! ぼんやりしてないで、早くタクシーを呼ぶ様に言って頂戴っ!」

「・・メル?」

 

慌ててメイドのメルが、マダム・マルタンへと駆け寄る。

彼女は、カジノを後にした。

そのメイドの名に不信を抱くゴルゴが、メイドを見やった。

その彼女をピエールという男がエスコートを申し出る。

それを見ると、ゴルゴもバーを後にした。

入り口のボーイに問うゴルゴ。

 

「君・・あの男は?」

「さあ・・存じませんね?

 マルタン伯が亡くなられてからというもの、マダムに言い寄る男は数え切れません。

 とにかく・・御健闘を祈りますよ、Mr?」

 

ゴルゴは入り口のボーイにチップを渡すと後を追った。

その頃、メイドのメルは駐車場で誰かと話していた。

それを見て、マダム・マルタンは血相を変える。

メルを殴る彼女は、娼婦に言い寄るも、それを庇うメイドのメル。

 

「何をしているの? タクシーは捕まえたの?

 ここは貴方の様な、娼婦が来る様なところじゃないのよ?」

「違うんです・・ちょっと道を聞かれただけで・・」

 

ピエールが仲を取って、場を治める。

ピエールの車で、カジノを去るマダム・マルタン。

それを黙って見つめるゴルゴだった。

 

 

 

前半終了

 

 

 

ピエールは、マダム・マルタンの山荘へ彼女とメイドを送って行く。

その車を追うゴルゴ・・だが、謎の襲撃者がゴルゴを襲う。

銃撃を仕掛けてくる敵を、簡単に一蹴するゴルゴ。

道から転落して爆発する車を後に、ゴルゴは追跡を続けた。

マダム・マルタンの山荘の傍に着くと、ゴルゴは車を降りて移動。

山荘を双眼鏡で観察し始めた。

車は無く、近くに潜む二人のライフルを持った男を発見する。

 

 ・・車が無い・・あの男、送って来て・・すぐ帰ったらしいな。

 ・・ボディガードか?・・女・・メイド、それともマダムか?

 

バスルームの窓を確認すると、そこに女が?

後ろ姿だけなので顔の判別が出来なかった。

そこへ一人の男性が入って来る・・何か違和感に気付くゴルゴ。

ゴルゴは、まずボディガードの二人を始末に掛かった。

サイレンサー付きの銃で射殺すると、山荘に近づく。

 

寝室ではマダム・マルタンが、誰か男性と共にあった。

チョコレート・バンなのだろうか?

窓越しから見つめるゴルゴだったが、寝室の明かりが暗く判別出来ない。

男はベッドに座り、立っているマダムの肢体を、ゆっくりと眺めていた。

角度を色々と変えさせて・・束ねていた髪を下ろし、マダムは、男の上に座る。

そのままベッドに横になる二人・・その時、一台の車が静かに訪れた。

車から降りた女性・・それは駐車場に居た娼婦だった。

 

「・・ロック・・カースン?」

「・・二人共、もう返事は出来ない・・殺し屋への手回しをしたのも、お前だな?

 ・・中に居る男は、チョコレート・バンか?」

「ふ・・アンタの依頼人は、もう死んでるっていうのに、一体・・誰の為に仕事をするのさ?」

「・・俺は、その依頼人の息のある内に仕事を引き受けた。

 ・・中に居る男はチョコレート・バンか?」

「ふん・・ぐわっ?」

 

喋ろうとしない女を、後ろから射殺するゴルゴだった。

 

翌朝、レンタカー業者が、ガルウイング仕様のスポーツカーを運んで来た。

メイドのメルが、キーを受け取ると業者は去って行く。

M16を構えるゴルゴ・・玄関に照準を合わせて。

すぐ後、玄関から出て来たマダム・マルタンとメイドのメル。

二人は、車に乗り込むと出掛けて行った。

 

それを見届けると、ゴルゴは山荘に侵入する。

山荘内を隈なく探したがチョコレート・バンの姿は無かった。

ゴルゴは確信した。

 

 ・・そういう事か。

 

マダム・マルタンとメイドのメルは、モンテカルロ・ラリーを見物に来ていた。

レースの最中、ゴルゴが何処かの空き家に潜み、銃を構えた。

そして事故が発生し、皆の注目を集める最中、ゴルゴのM16のスコープに映るは、マダム・マルタンとメイドのメル。

そしてゴルゴが引き金を引いた・・最終コーナーを回る車の爆音に銃声が掻き消される。

 

ゴルゴに撃たれたのは・・メイドのメルであった。

後ろ向きに倒れるメルのカツラが取れ、金髪が現れた。

チョコレート・バンが女性メイドのメルに成りすましていたのだ。

狼狽するマダム・マルタン。

ゴルゴは、彼女の本名を名乗るメイドが怪しい事に気付いていたのだ。

 

「ああああ・・・チョコレートッ! チョコレートォッ!

 死なないで・・何処にも行かないで・・いやあああああっ!」

 

 隠花植物・・か。

 

「いやあ〜〜チョコレート・・私の・・私のチョコレートバ〜ン・・いやあああああああ・・」

 

マダム・マルタンの絶叫が響き渡り・・ゴルゴは、その場を後にした。

隠花植物の哀れな末路が、彼女の嗚咽を止めさせようとはせずに・・・END。

 

 

 

ENDING

 

 

 

私はサテンって何かを全く知らない無知ですが・・^^;

上品な素材の生地みたいですねえ。

しかし何とも淡々と進む話でしたねえ・・盛り上がりが無かったですし。

個人的には今ひとつな感が否めませんが、上手く纏めたというべきかな?

 

依頼人を射殺した部分なんか、裏の描写が無いので唐突すぎたのと、

女がゴルゴの事を知っているのが、どうにも違和感が多すぎて・・。

ゴルゴに気付いたバンが、女に指示したとも取れますが、今回は何とも物足りなさが残った話でした。

最後のゴルゴのモノローグは、実に渋かったですけどね。

依頼人の昔話が、なかなか良かったと思えただけに残念ですが、原作もこんな感じだったのかなあ?

 

 

 

さて、次回ですが・・

 

「クリスマスイヴ、10時・・ゴルゴ、狙撃の為ホテルに入る。

 20時・・ゴルゴ、ホテル専属の女探偵ドールと出会う。

 クリスマス、9時30分・・ゴルゴ、標的に向けてM16を構えた。

 次回ゴルゴ13『 クリスマス・24アワーズ 』 ヤツの後ろに立つな!命が惜しければ!」

 

 

あれ?・・ホテルの女探偵ドールって、別な話のさいとう漫画があった様な?

ゲストみたいな感じで出てた気がします。

これって何となく覚えてますが、そんな話だったかな? 

ではまた^^

 

 

08.12.17

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