死神に対峙する女探偵

『 ゴルゴ13 』 Target.37 『 クリスマス・24アワーズ 』 を視聴。

 

クリスマス時期に合わせて来ましたねえ。

しかし、だったら良いな〜と思ったキャスティングに、つい・・キタ〜ッ!

キャスティングだけで、既に話に満足した私だったりします^^;

 

ホテル探偵ドールを演じるのが「高山みなみ」さんとは見事の一言。

「名探偵コナン」の江戸川コナン役で余りにも有名ですよね。

つい大人の女性のコナンが喋ってる様な錯覚を、見ていて覚えました。

「ガンダム00」のカティ・マネキン大佐も最近では印象的ですよね。

あの知的メガネ指揮官・・良いなあ。

 

「シャーマンキング」の敵役で葉の兄である朝倉葉王(ハオ)とか、

「ミスタ−味っ子」の味吉陽一とか、

「スローステップ」の中里美夏とか、

同じ「名探偵コナン」でゲスト役っぽい中森警部の娘・青子とか、

「魔人探偵脳噛ネウロ」のアヤ・エイジアとかも印象に残ってます。

 

TWO−MIXのボーカルとしても有名で、「コナン」「ガンダムW」最近では「キスダム」なんかも主題歌を歌ってますね。

 

 

 

あらすじですが・・

 

 

クリスマスイヴ・・ホテルのバーで、一人静かに飲んでいたゴルゴと出会うホテル専属の女探偵ドール。

ゴルゴをただ者でないと睨んだ彼女は、ゴルゴに近づき・・

彼の部屋を調べるが、別に何も怪しいものは発見されなかった。

翌朝、口封じのために消されようとしている犯罪組織幹部トミー・ナバロが、

自分のホテルに宿泊していることを知ったドールは、

ゴルゴが送り込まれた暗殺者であると直感するのだが・・。

聖なる日に、事件が起きる!

 

 

 

本編

 

 

 

Dec.24th,10:00am

 

留置場から一人の男が2人の警官に連れられて出て来た。

名をトミー・ナバロ。

 

 

「おお・・降ってるのかい?

 やっぱりクリスマスにゃ雪が似合う。」

「言っとくがナバロ、クリスマスの特別釈放は、きっかり24時間だ。

 スノーマンを造ってる暇なんか無いぜ?」

「せいぜい頭を冷やして戻ってくるが良い。

 お前には、吐いて貰わなきゃならん事が、山程残ってるんだ。」

「ふんっ。」

 

 

留置場を立ち去るナバロ。

町を歩いていると、その前にタクシーが止まる。

ドアが開き、中にはグラマラスな金髪女性が乗っていた。

コートの下は素っ裸、胸には『Merry X'mas Andy』の文字が。

 

 

「んん?」

「ナバロさん?・・どうぞ、お乗りになって。」

「何モンだ・・アンタ?」

「私はジェニファー、Mrビッグ・アンディからのプレゼントよ?」

「うおおおっ??・・さすがアンディ、気が利くぜえっ!へへ・・」

 

 

車に飛び込み、ジェニファーに抱きつくナバロ。

ジェニファーは、ナバロに抱かれながら、運転手にリードホテルに向う様に指示した。

淫らな喘ぎ声を上げながら・・。

 

そして、そのタクシーを尾行する車・・運転席には、ゴルゴの姿があった。

今度のゴルゴのターゲットはナバロなのだろうか?

雪の降るクリスマスイヴで何かが始まろうとしていた・・。

 

 

 

OPENING

 

 

 

Dec.24th,08:00pm

 

リードホテルの大広間では、クリスマスパーティが行われていた。

その客の間を、観察しながら歩く目付きの鋭い一人の女性の姿が合った。

このリードホテル専属の探偵ドールだった。

彼女はバーカウンターに向うと、バーテンと会話し始める。

ジンジャートニックをグラスでなく、瓶で飲みながら・・。

 

 

「やあ、ドールさん、クラレットバンジーでも飲りますか?」

「今夜はアルコールはダメ・・ジンジャートニックでも戴こうかしら?」

「・・やれやれ?

 ホテル探偵にはクリスマスホリデーも無しって事か。」

「犯罪者には、ホーリーナイトも無いって事。」

「また何か事件でも合ったのかね?」

「昨日、隣の町でレイプ殺人があったの・・(ゴクゴク)

 殺されたのは、ヒッチハイクの女。

 ホシは性的変質者、旅行者風の男だって事以外は判って無い。」

「すると・・その狂犬が、この町に遣って来てる可能性も?」

「あるわね・・このホテルに泊まっているかも?」

「ふう・・」

「そのほかにも、路上強盗が2件、宝石強盗が1件、何れも犯人は挙がって無いわ・・(ゴクゴク・・)ごちそうさま。」

「メリークリスマス。」

「ふ・・メリー・・クリスマス。」

 

 

バーカウンターを立ち去り、また監視を始めるドール。

その時、彼女はフロントから歩いてくる一人の男に気付く。

それはゴルゴだった。

すれ違う二人・・双方共に、鋭い視線で見つめながら。

ドールは、フロントのノートパソコンで名を確認した。

 

 

「ああ、デューク東郷様ですね・・チェックインは午後4時。」

「ちょっと良いかしら?

 1801号室、デューク東郷・・国籍ブラジル、職業・・作家・・作家?」

「どうかしたんですかドールさん?

 ま、まさか・・逃走中だっていう、夕べのレイプ殺人鬼?」

「そうは言ってないわ・・でも少なくとも、あの男が作家で無い事だけは私にも判る。」

「へえ?」

 

 

大広間に戻ったドールはバーカウンターに座ると、ゴルゴを監視した。

ゴルゴは一人、無言で水割りを飲んでいた。

この男がレイプ殺人犯なのか?

ドールは動いてみる事にし、ゴルゴに近づくと話し掛けた。

 

 

「踊りません?・・いえ、踊って戴けません?」

「・・残念だが・・そろそろ部屋に戻ってやる仕事があるんでな。」

「・・仕事って?」

 

 

ゴルゴは、それ以上は何も語らず席を立ち去って行く。

ゴルゴの後姿を見ながら、横目にある人物がドールの眼に入った。

 

 

 チャーリー・・?

 このホテルでは、どんな犯罪も許さないわっ!

 

 

その男チャーリーは、ゴルゴに近づいて行く。

ドールもまた、チャーリーに近づいて行く。

チャーリーは、すれ違う際に、ゴルゴの胸ポケットを狙う。

彼は、凄腕のスリだったのだ。

左胸ポケットに手を差し入れた瞬間、チャーリーの右手は掴まれた。

驚愕するチャーリー・・そのまま右手を捻って、骨を折るゴルゴ。

慌てて現場に駆け寄るドール。

 

 

「・・後を頼む・・俺は、この男を告訴する気は無い・・ホテル探偵さん?」

 

 

ゴルゴは、チャーリーをドール目掛けて投げ出す。

ドールがチャーリーを止める最中、ゆっくりゴルゴは現場から去って行った。

 

 

 あの男が・・ただの男で無い事は、はっきりしたわ。

 あの注意深い刺す様な眼、変わり身と攻撃性の早さ、

 そして私を、一目でホテル探偵と見抜いた鋭い洞察力。 

 

 

「ええい・・畜生、何も腕を折らなくたって良いじゃねえか?」

「これで二度とスリが出来なくなれば良いんだわ?」

「クソッタレッ!」

「あの男に感謝しなさい・・告訴しないと言っているんだから。

 ただし、とっととホテルを出て行ってっ!

 チャーリー、今度顔を見せたら承知しないわ・・良いわね?」

「いっててて・・くそ、あったかそうに懐が膨らんで居やがったから、

 こりゃクリスマスの七面鳥ならぬ、良いカモだと思ったんだがよ?

 置き土産に教えといてやるぜ、ドール?

 ヤツの懐の膨らみは、この指先に触れたモノは確かに拳銃だったぜ?

 畜生め・・隼のチャーリーも地に落ちたもんだぜ。」

 

 

チャーリーの捨て台詞に絶句するドール。

やはり、あの男は只者ではなかった。

ドールは、ある決意を固めるのだった。

 

 

 

前半終了

 

 

 

Dec.24th,09:00pm

 

ドールは、自室で拳銃に弾を込め、ゴルゴの部屋へと向かった。

部屋をノックし、ゴルゴがドアを開けて姿を見せる。

身分証をゴルゴに提示するドール。

 

 

「改めて名乗る事も無いでしょうけど、当ホテルの探偵です。

 お聞きしたい事があるんですが・・中へ入れて貰えません?

 場合に因っては、強制的に入らせて戴く事も可能ですが、そうした方が宜しいかしら?」

 

 

鋭い眼で睨み合う二人。

ゴルゴは、黙ってドアを開け、ドールを部屋の中へと入れた。

 

 

「職業は作家らしいけど、手書き?・・それともパソコンかしら?

 何れにしても、見たところ執筆の道具が見当たらないわね?

 さっき、どうして私と踊ってくれなかったの?

 胸のホルスターに、拳銃が隠されていたから?

 それとも、貴方に付き纏っている血の匂い・・屍肉の匂いを、私に嗅ぎつけられたくなかったから?」

 

 

ドールの追求に、ゴルゴは黙ってドア近くに置いてあるバッグからノートパソコンを取り出してテーブルに置いた。

 

 

「・・出て行ってくれないか?・・俺は、そろそろ眠りたいんだ。」

「出て行けないわっ!

 貴方が何者で、何の目的でリードホテルにやってきたのか知るまでは?」

「・・アンタが探偵なら、それはアンタの仕事だろう?」

「ぐ・・そうね。

 でも、はっきり言っておくけど、貴方が作家だと私は思っていない。

 このホテルを護るのが、私の仕事。

 貴方が何者であろうと、このホテル内での変な真似は・・

 私が、許さないわっ!・・命を賭けてもっ!!」

 

 

右腰のホルスターの銃を見せ、ゴルゴを睨みつけるドール。

ゴルゴに警告し、ドールは部屋を後にした。

 

 

 はっきりしたわ・・あの男はレイプ殺人鬼じゃないし、路上強盗や宝石泥棒でもない。

 そんな事を遣るチンピラじゃない。

 私の眼に狂いが無ければ、あの男はプロ・・それも一流の犯罪者だわ。

 

 

ドールが去った後、ゴルゴは少し窓のカーテンを開け、外を見つめていた。

表情一つ変えず、ドールの言った警告を思い出しながら・・。

 

 

Dec.24th,09:00pm

 

その頃、ナバロはジェニファーと情事中だったが、アンディから電話が。

アンディに侘びをし、何も口を割ってないから安心しろと電話を切る。

そして、また二人は情事に耽るのであった・・そして夜は更けて行く。

 

 

Dec.25th(X'mas),9:30am

 

翌朝、一面が銀世界の風景に、朝陽が眩しく光る。

教会の鐘が、静かな町に響き渡っていた。

ドールは、フロントのビルに挨拶する。

 

 

「おはようビル、すっかり雪が積もったわね?」

「おはようございますドールさん、静かなクリスマスの朝ですね?」

「(小声)1801号室の・・客の動きは?」

「ああ・・デューク東郷様ですね?

 別に、何の動きも無い様ですよ?・・外に電話もしてませんし。」

「・・そう。」

「謎の日系人か・・いやに気になる様ですね、あのお客様が?

 どうしてなんです、ドールさん?」

「気になる客を、気にする・・それが私の仕事よっ!」

 

 

その時ゴルゴは、部屋でサイレンサー付き狙撃銃を組み立てていた。

準備を終え、窓から外を観察するゴルゴ。

その時、ホテルの玄関口にタクシーが止まる。

この時、ドールは玄関から外に出て、ホテルの窓を見上げていた。

その視線は、間違いなくゴルゴの部屋を向いていた。

朝陽の光が反射して、下からでは中は見えない。

 

その時、ホテルからアベックが出て来た・・ナバロと、ジェニファーだった。

出迎えのタクシーはジェニファーを迎えに来たのだった。

この時、ドールはナバロの後姿しか見ていない。

 

 

「あっと言う間だったが、楽しいクリスマスイヴだったぜ?

 すっかり生き返った様な心持をさせて貰ったよ・・へへへ。

 俺は10時までに戻らにゃならんが、アンディによろしくな?」

 

 

キスをして別れるナバロとジェニファー。

ジェニファーがタクシーに乗り込み、それを見送るナバロ。

窓を見ていたドールは、タクシーのドアが閉まる音で、そちらを見る。

そのナバロも留置場に戻る為、町へと歩き始める。

その後姿を、離れたところから見つめるドールだった。

 

 

「さあて・・朝の空気を吸いながら、少し歩いてみるか。」

 

 

そこへドールの前にパトカーが停車し、警官が降りて来た。

そしてドールにナバロの写真を見せる。

 

 

「やあドール、丁度良かった。」

「何かあったの?」

「この男を見掛けなかったか?」

「・・いいえ?・・何者?」

「名前は、トミー・ナバロ。

 ビッグ・アンディことアンドリュー・シャピロのシンジケートの幹部だ。

 約2週間前に、恐喝、賭博、麻薬密売、管理売春、脱税など諸々の容疑に拠って、

 俺の事務所で検挙したんだが、昨日24時間の保釈が認められて、釈放したんだ。

 ところが、夕べ遅くなって・・」

 

 

「何ですって・・本当ですか、それは?・・わ、判りました(ガチャ)」

「何事だ?」

「州警察からの情報だ・・組織がトミー・ナバロを消そうとしてるらしい。」

「な、何?」

 

 

「つまり・・口封じね?」

「ああ・・しかもナバロを消そうとするのは、犯罪容疑を封じ込める目的ばかりじゃあないんだ。」

「と、言うと?」

「組織と、某大物上院議員との黒い繋がりがある疑いが出て来たそうだ。」

「その事実が、ナバロの口から洩れる事を恐れているのね?」

「俺は昨日からヤツの足取りを追っていて、やっと今朝方・・ヤツとコールガールらしい女を

 このリードホテルへ送ったというタクシーの運転手を捉まえたところなんだよ。」

「と、とにかくフロントへ。

 もしナバロが、このホテルに泊まっているとしたらビルに聞けば判ると思うわ。」

「そうしてくれ・・既に刺客が送り込まれている筈だからな?

 下手すら、もう部屋で冷たくなってるかもしれないぞ?」

 

 

警官とホテルに戻りながら、ド−ルはゴルゴを連想していた。

その頃、そのナバロはポケットウイスキーを飲みながら歩いていた。

 

 

「やっぱりホワイトクリスマスってのは良いもんだぜ。」

 

 

そのナバロを鋭い視線で、部屋の窓から見つめるゴルゴ。

ゴルゴは何故か左手に鏡を持ち、朝陽を反射させた。

そしてドールはビルにナバロの事を尋ねていた。

 

「そのお客様なら、先程チェックアウトなさいましたが?」

「まだ無事だったか。」

 

 

 ・・さっきのっ!?

 

 

ドールは、先程のタクシーのアベックを思い出していた。

慌てて外に飛び出すドール。

それを見て、警官も慌ててドールを追う。

 

その時、ゴルゴの鏡から反射された朝陽が、ナバロの顔に当たった。

ナバロは、それに気付くと後ろを向いて上を見上げる。

それに合わせて銃を構えるゴルゴ・・ブシュン!

放たれた銃弾は、ナバロの額を貫き、ナバロは背中から道路に倒れた。

この時、ドールと警官は、ホテル玄関に出たばかりだった。

そしてドールは、表の道路で倒れている男ナバロを見つける。

 

「あ・・あそこよっ!」

「・・間違いない、ナバロだ・・正面から撃たれてる。

 くそ・・まだ刺客は、遠くへは行っていない筈だ・・ええいっ。」

 

 

警官が慌てて走り出す。そしてドールは辺りを見渡すと、ホテルの窓を見上げた。

少し後、ゴルゴがエレベーターを使って1階へ・・そしてフロントへと向う。

 

 

「おはようございます、東郷様。」

「・・チェックアウトを頼む。」

「かしこまりました・・ゆっくり御寛ぎになれましたか?」

「・・ああ、有難う。」

「お気をつけて。」

 

その様子を遠目で見つめるドール。

そしてゴルゴが、ゆっくりと玄関へと向う。

それを待つドール・・そしてゴルゴが通り過ぎてすぐ立ち止まる。

ドールが話し掛けたからであろうか?・・それとも?

 

 

「貴方の仕事ね?

 彼を、どうやって振り向かせたかは判らないけど・・でも、礼を言うべきなのかしら?

 ホテル内でのコトを避けて貰えて。」

 

 

だがゴルゴは、何もドールに答える事なく去って行った。

 

 

Dec.25th,10:00am

 

長いクリスマスの24時間は終わりを告げた。

人通りの無い道を、ゴルゴは歩いて去って行く。

陽の光がゴルゴを、雪道と共に淡く照らして・・・END

 

 

 

ENDING

 

 

 

何とも言えず渋かったなあ・・ゴルゴも、ドールも。

原作は余り思い出せなかったですが、私はドールだけでOK^^

 

突っ込むとすればですが・・しかし人気の無い朝のホテル玄関前とはいえ、こんな会話をするかなあ?

凄腕探偵にしては迂闊な気もしますが、BGMで緊迫感を盛り上げてるし、まあ場面的にはOKかなと?

少し前の劇場での密室殺人といい、今回のドールといい、こういう展開って楽しめますから好きですね。

ドールしか頭に無い状況なので、他は頭が空っぽ状態。

弱ったなあ・・また見たくなってきた・・(苦笑)

 

 

 

さて、次回ですが・・

 

「パリのメトロで・・家出少女サラは、スリ仲間から渡された財布に、暗号の様な・・奇妙なメモを見つける。

 謎の男に命を狙われ、追われるサラ。

 パリの街を逃げる、その彼女を助けたのはゴルゴだった。

 次回ゴルゴ13『 少女サラ 』 ヤツの後ろに立つな!命が惜しければ!」

 

 

 

次回は次週で放映されないんで、どうも、こちらでは来年になりそう。

この原作は持ってますが、どう料理するかを楽しみにしましょうか。

原作のラストは少し唐突ですが、ハッピーエンドだったし。

 

サラとゴルゴの絡み方が、どの程度ぐらい原作と差異があるのかな?

偶然、サラが手に入れたメモに書かれていた暗号には、

国を揺るがさんばかりの秘密が画されていた?・・みたいな話の筈。

テロリストVSテロリストなエピソードですね。

 

私は、原作のサラのキャラデザは、余り好きじゃないんですけど。

その限りに於いては、期待してます^^;

ではまた^^

 

 

08.12.25

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