死神が買った芸術品の価値とは? 

『 ゴルゴ13 』 Target.39 『 アッシュ最良の日 』を視聴。

 

さて、今回からEDが変わりましたね・・4曲目。

何と言うか半分アニメみたいな感じに仕上がってましたが。

2曲目から4曲目までストーリーを繋いでいったみたいな簡易版でした。

 

タイトル:「もう君をひとりにさせない」

アーティスト:三枝 夕夏 IN db

作詞:三枝 夕夏

作曲:大野 愛果

編曲:小澤 雅澄

 

何か、ゴルゴの主題歌って名探偵コナンを歌ってる人ばかりでしたね。

歌という面に関してだけは、最後までゴルゴのイメージでは無かった(苦笑)

 

今回のゲストで、自称芸術家アッシュを演じてるのが「中尾 隆聖」さん。

代表役は言うまでもなく「ドラゴンボールZ」のフリーザ様でしょうが、

「あしたのジョー2」のカーロス・リベラとか、

「ロザリオとバンパイア」の委員長とか、

「バリバリ伝説」の聖秀吉とか、

劇場版「名探偵コナン14番目の標的」の沢木公平とかかなあ。

 

特撮も結構、吹き替えをされてますが、「特捜戦隊デカレンジャー」の敵ボス、エージェント・カブレラが印象的です。

洋画の吹き替えも多いですよね。

 

友人の黒人ロボを「高木 渉」さん。

この人だと、やっぱり「名探偵コナン」の高木渉刑事、小嶋元太でしょうねえ。

チョイ役の筈だった名の無い刑事役を自分の名をアドリブで答えて、

そのまま自分の名がアニメ、そして原作まで登場してるんですから、何とも笑える話ではあります。

佐藤美和子刑事との「恋物語」シリーズも、かなり回数を数えて来ましたしね。

コナンワールドでは欠かせないキャラの一人です。

元々は元太役だった訳で、コナンでは珍しい二役をこなしてます。

 

他にとなると怪盗キッドと工藤新一の「山口勝平」さん、

江戸川コナンと中森青子の高山みなみといったところぐらいでしょうか?

まあ赤井秀一と黒羽盗一の「池田秀一」さんというのもありますが

どうみても「赤い彗星のシャアの池田秀一」さんが由来でしょう。

「Yes!プリキュア5」「プリキュア5GoGo」のブンビーなんかも、中間管理職の悲哀を垣間見せる怪演が、実にGJですね。

 

 

 

さて、あらすじですが・・

 

 

自称芸術家のアッシュのアパートは、ガラクタの山だった。

家賃も払えず、子供からもバカにされ、誰も彼を芸術家とは認めない。

それでも彼はオブジェを作り続け、誰かが自分の才能を認めてくれる日を待ち望んでいた。

そんな時、ゴルゴがアッシュを訪ね、彼の作品全てを買いとる。

そして、アッシュは新たな地を求めて、ボロアパートから旅立った。

そして空っぽとなったアパート。

実はゴルゴの本当の狙いは、その先にあったのである。

 

 

 

本編

 

 

 

アメリカ、ニューヨーク・・

雪が降り自由の女神にも降り積もる。

ある高層ビルの一角で、一人の老境の男が窓から外の雪景色を見ていた。

男の名をコールマン。

冷え込んだ外とは違い、暖炉には火が点いていた。

そこに、彼の部下ハリーに案内されて部屋に入って来た男・・ゴルゴ。

 

 

「・・よく降るな・・」

「・・お見えになりました。」

「あんたが・・あのゴルゴ13か・・何か飲むかね?」

「・・用件を聞こう。」

 

 

コールマンに促され、ハリーは胸に手を入れてゴルゴに近寄ろうとする。

それを制止するゴルゴ。

 

 

「・・止まれっ!」

「え?」

「・・ゆっくりとだ。」

 

 

ハリーは、胸ポケットから1枚の写真を出すと、ゆっくりとゴルゴの指示通りに近づいて、その写真を手渡した。

 

 

「そいつが、あんたに頭をブチ抜いてもらいたい男だ。

 名前は、ヒューイット・・ある組織のNo.2だ。

 前のボスだったウィルスンが事故死したおかげで、今・・その跡目を継ごうとしている。

 だが、わしは・・この事故に疑問を持った。

 ウィルスンとは古い付き合いだが、彼は・・あんな不注意な死に方をする男ではない。

 何故、あの日に限って自分で運転していたのか?

 何故、ブレーキが利かなかったのか?

 わしは調べた・・わし流の遣り方でな?

 確証は得られなかったが、やはりヒューイットに疑惑が浮かんで来た。

 そして、わしが下した結論が・・ギルティ(有罪)だ。

 ウィルスンは生前、ダウンタウンの銀行に相当の金塊を貯めこんでいた。

 ヒューイットが無血で組織を束ねるには、キャッシュをバラ撒く必要がある。

 となるとヤツは、この金塊に手を付けるしか無い訳だ。

 組織の幹部達との手打ち式が2週間後・・何としても、その前に始末をつけなければならない。

 しかしヤツは、自分を跡目とは認めない一部の幹部の襲撃を恐れて、窓の無い自室から、一歩も外へ出ようとしないのだ。

 唯一、考えられるのは手打ち式の当日、金庫が開く朝一番に、ヤツが自室を出て銀行に現れるという事だ。

 車から降りて、入り口に向う時が狙撃のチャンスなんだろうが、それは・・限りなく不可能に近い・・。」

 

 

コールマンの言う狙撃が限りなく不可能という訳とは一体、何なのか?

ゴルゴの冷徹な視線が、コールマンを見据えていた・・。

 

 

 

OPENING

 

 

 

雪の降りしきるダウンタウン・・一人の男が、不燃物ゴミ捨て場で何かを物色していた。

名をアッシュ・・自称、天才芸術家。

子供達にバカにされながらも、世間を見返そうと思っていた。

 

 

「くそ・・この天才アッシュ様を、何だと思ってやがる?

 今に見てろよ・・俺が大傑作を完成させた時には、おまえ等みんな、俺様にサインを強請る事になるんだからな?」

 

 

アッシュは自分の部屋に戻ると、製作に没頭していた。

そのアパートの前には・・例の銀行があった。

カンカンとトンカチで金属を叩く音が、辺りに鳴り響く。

その煩さに、隣のビルの部屋のテラスから怒鳴る黒人の男がいた・・

名をロボ、アッシュの友人である。

そしてロボが下を見ると、大家のホリスキーが居るのに気付く。

 

 

「ちいっ・・煩せえぞ、アッシュッ?

 このトンチキ野郎、いい加減にしやがれっ?

 ん?・・おいっ! アンタ大家だろっ?

 何とか言ってやってくれよ?」

 

 

ロボの言葉に、苦虫を噛み殺しながらアパートへと入るホリスキー。

彼も、アッシュには頭に来ていたのだった。

この古いアパートには、もうアッシュだけしか住んでいなかったのだ。

アッシュの部屋には・・前衛的とでも言えば良いのだろうか?

何とも訳の判らない機械が散乱していた。

電動ノコギリで機械を切断し、溶接し・・その音は騒音でしかなかった。

そこへアッシュの部屋に乗り込むホリスキー。

 

 

「全く何て有様だ?

 わしはゴミ捨て場にする為に、ここを貸してるんじゃないぞ?」

「これはホリスキーさん、どうも。」

「わしを覚えているとは感心だな、アッシュ?

 ようやく溜まった家賃を、払う気になったって事か?」

「作品が売れたら払うって、この前・・約束したでしょう?」

「作品だと?

 何処のどいつが、こんなガラクタを買うというんだ?」

 

 

頭に来たホリスキーは足下のガラクタ機械を蹴飛ばす。

慌てるアッシュ。

それは彼に取って、大事な作品だったからだ。

 

 

「お前ひとりが、このアパートに居座っているおかげで、わしは、何ブロックも歩いて家賃を取りに来なきゃならん。

 いい加減に、このゴミと一緒に出て行ったらどうだ?」

「何だとおっ?

 俺の作品を、ゴミだって言うのかあっ?」

「・・ゴミじゃなければ何だって言うんだ?」

「俺は、この前・・ダニーのカクテルパーティで 画商のガブリエルさんに声を掛けて貰ったんだいっ!

 君には才能がある、良いのが出来たら持ってきなさいってな?」

「ふんっ・・どうせドラッグパーティだろうが?」

「え・・な、なんでそれを?」

「そうなのか?」

「や、やかましいっ!」

 

 

キレてトンカチを振り回すアッシュから逃げるホリスキー。

何とか、ドアまで辿り着くと捨てゼリフを言って立ち去った。

 

 

「とにかく・・早く家賃を払えっ!

 払えないなら、とっとと出て行けっ!!」

「うるせえっ!」

「忌々しいヤツめ・・アイツさえ出ていきゃあ、こんなアパート・・くそお、今に追い出してやるっ!」

「ふん・・いずれ、このアッシュ様が住んでいた事を自慢する様になるぜ。

 それまでガタガタ言うなってんだ・・あ?・・何だあ・・アイツ?」

 

 

アパートの玄関で激高するホリスキー。

アッシュは、ホリスキーが立ち去るのを上から見ながら、正面の銀行前に立ってアパートを見る男に気付いた・・

それはゴルゴだった。

ゴルゴは、何処かへと歩き去って行った。

 

その夜、ロボがアッシュの部屋で酒を飲んでいた。

だがアッシュは、相変わらず作品作りに余念が無い。

 

 

「へへ・・何だい、そりゃあ?・・新型の掃除機かよ?」

「センスねえなあ?・・何で、これが掃除機に見えんだよ? アートだろ、アート。」

「アートぉ?」

「ふふ・・退廃の中のカオスよ。」

「ほえ〜?・・俺には、さっぱり判んねえ・・ははは・・。」

「ふう・・まあ、前衛だけどな?

 これが完成したら、ガブリエルさんのところへ持って行くんだ。

 ああ、そういや・・お前、この2・3日、変な東洋人を見掛けなかったか?」

「さてね・・お前と居ると大抵のヤツ等は、まともに見えるからな?・・ははははは。」

 

「俺が見たところによると・・アイツはジャパニーズだと思うんだが?」

「おほ・・ジャパンなら詳しいぜえ?

 俺のダチのダチが、北京オリンピックの帰りに電車で、アキハバラに行ったんだと?」

「ウソつけえ? 電車で行けるわけねえだろ?

 アキハバラは、ベトナムの首都だぜ?」

「そうなのか?・・まあ、どうでも良いや、そんなこたあ。

 どうせ俺達にゃあ、縁のねえところだからな?」

「何だとお?」

「俺達ゃ、此処でオシマイさ・・此処から抜け出す事なんて・・一生、出来やしねえんだよ?」

「俺は、違うぜ?

 天才アッシュは、こんなところで埋もれてる様な人間じゃねえんだからな?

 金さえ出来たら、こんな町とはオサラバだ。」

 

「へへ・・あのバ〜カ、本気で夢見てやがる・・え?」

 

 

酔ったまま、アッシュの部屋を出たロボは、歩いてくる男に気付いた。

そのロボの前を歩いてくるコート姿の男・・ゴルゴ。  

 

 

「あれだな?

 アッシュが言ってたジャパニーズは・・へへ、丁度良いカモだぜ。」

 

 

ロボは物陰に隠れて、ナイフを取り出すとゴルゴの前に立ちはだかる。

ゴルゴをナイフで脅し、強請るつもりなのだ。

だが、ゴルゴは表情を微動だにせず、ロボに近づいて来る。

その迫力に、ロボは思わず身を避け、ビビってナイフを落としてしまう。

ゴルゴは歩く速度を変えぬまま、去って行った。

 

 

「へへへ・・怪我したくなきゃ酒代を置いてきな?・・え?

 あ・・あ・・あ、あれが・・クロオビってヤツか・・?」

 

 

そのゴルゴは、またアッシュのアパートの下から建物を見つめていた。

ゴルゴは、何を考えているのだろうか?

 

翌日、作品が完成したアッシュはガブリエルの処に持ち込んだ。

だが・・アッシュは思いもよらぬ対応を受ける。

その帰り、川沿いで傷心のまま流れる川を見つめるアッシュ。

怒りに手を振り上げるも、横に置いていた作品に当たり、無残にも川へと落下してしまう。

アッシュ苦心の作品は、冬の川底へと沈んでいった。

悔し涙を抑えきれないアッシュ。

 

 

「ガブリエルのヤツめ・・酔ってたから覚えてないだと?

 くそっ、バカにしやがってっ!・・あ?・・畜生・・(涙)」

 

 

部屋に戻ったアッシュは長椅子で寝転がり落ち込んでいた。

 

 

「畜生・・何で俺の才能が判らねえんだよお?

 どいつもこいつも世の中、屑ばっかりじゃねえか。

 俺を認めろっ!」

 

 

トントン・・そこへ、ドアをノックする音が響く。

怒鳴り散らすアッシュ・・だが、ドアのノックは止まない。

仕方なくドアを開けるアッシュ。

だが、廊下に立っていたのはホリスキーではなく・・ゴルゴだった。

ゴルゴの顔を見た途端、アッシュは冷や汗が止まらなかった。

 

 

「うるさ〜い、金ならねえぞおっ?・・帰れ、ホリスキー!

 ったく・・しっつこい男だなあ?

 何度、来たって・・ねえものはねえ・・あ、アンタは?」

 

 

 

前半終了

 

 

 

いきなりゴルゴは部屋の奥へと進み、部屋の窓際まで進む。

その行動に慌てるアッシュ。

 

 

「・・アッシュだな?」

「あ、ああ・・お、おい?

 ちょっとアンタ・・一体、何なんだよおっ?

 ひょっとして・・アンタ、取立屋か?

 金ならねえぞお?・・脅されたって何も出ねえからな?

 おい・・何とか言えよ?」

 

 

アッシュの言葉を聞きもせず、ゴルゴは窓から銀行を確認していた。

そして部屋の作品もどきを見渡し始める。

 

 

「・・これは?」

「ゴ、ゴミじゃねえぞ?」

「・・幾らだ?」

「だからゴミじゃねえって・・え、アンタ今・・何て言った?」

「・・これは幾らだ?」

「ああ・・ええと、1万・・いや2万でどう?・・2万ドルだっ!」

「・・貰おう。」

 

 

懐より金を取り出し、札を数え始めるゴルゴ。

それに狂喜するアッシュ・・やっと自分を認めてくれる者が現れたのだから。

 

 

「え・・アンタ、それを買うって言うのか?」

「・・そうだ。」

「あは・・アンタ見る目あるよ・・あは・・あははははははは。」

 

 

数日後、アッシュのところに訪れるホリスキー。

手荒くドアをノックし続けるが、返事が無い為、ドアを開ける。

すると・・中は、もぬけの殻だった。

 

 

「アッシュ・・アッシュッ!

 いないのか、アッシュ?・・入るぞ・・えっ? こ、こ、これは・・?」

「いよぉ、ホリスキーさん。」

 

 

その後ろから声を掛ける声、そこには派手なカッコのロボが立っていた。

 

 

「・・ロボ? アッシュは何処だ?・・何処へ逃げやがった?」

「アッシュなら、フロリダに行っちまったよ。」

「フロリダァッ?」

「これを、アンタに渡してくれってね?

 これまでの家賃だそうだ。」

 

 

ロボがホリスキーに手渡したのは、金の入った封筒だった。

 

 

「一体・・どうしたって言うんだ?

 あのガラクタは、どうなった?」

「綺麗さっぱり売れちまったよ。

 お陰で俺も、たんまりオコボレに有り付いたって訳さ・・ギャハハ。」

「・・何だって?」

「ヤツは、きっと天才だったんだ。」

「・・天才ぃ??」

 

 

はしゃぐロボを見ながら、呆然自失のホリスキーだった。

その頃、そのアパートの奥のビルの屋上に、ゴルゴの姿があった。

ゴルゴは、アパートの向こうに見える銀行を見据えていた。

そして脳裏に、依頼の時の事を思い起こしていた。

 

 

「・・車から降りて入り口に向う時が、狙撃のチャンスなんだろうが、それは、限りなく不可能に近い・・。」

「・・何故だ?」

「銀行の周りは、密集したアパートが壁の様に取り囲んでいて、外からの狙撃は出来ない。

 仮に、その一角から狙うにしても、当日のガードは厳重を極める事・・間違いない。

 誰も近づく事さえ出来ないだろう。

 わしが知る限り、この様な悪条件の中で、確実な仕事が出来るのは・・アンタをおいて他に無い。

 頼む、ゴルゴ13っ!

 この壁の中の鼠を、何とか手段を考えて処刑してくれっ!」

 

 

その晩、ホリスキーは買い物を終えて、自宅に向っていた。

うっかり躓き、オレンジを落とし、道に転がる。

その前にゴルゴが現れる。

 

 

「あんなガラクタを買うヤツがいるなんて、全く信じられん。

 どんな奴なのか、顔が見てみたいもんだ・・あ・・おっ?」

「・・ホリスキーだな?」

「アンタ・・一体、何なんだよ?」

「・・一つ、頼みがある。」

「・・頼みぃ?」

 

 

そしてゴルゴが依頼を受け、2週間が過ぎ去った。

雪の日の朝、ヒューイットがダウンタウンの銀行へと向う。

その車内で、ヒューイットは部下のウルフに尋ねる。

 

 

「ホントに警備は万全なんだろうな?」

「勿論です。

 銀行の周囲には相応の人員を配備しましたから、猫の子一匹・・近づけません。

 出入り口付近には、ボスの為なら身体を張る若い衆を揃えておきました。」

「だが・・外から狙撃されたら如何する?」

「その心配は在りません。

 あの銀行の前の通りは狭くて、壁に囲まれている様なもんです。

 周りのアパートに住む連中も全員調べましたが、チンピラやヒモにコールガール、

 どいつもこいつも屑ばかりで、とてもボスに歯向かう様な手合いじゃありませんよ。」

「・・だと、良いがな?

 プロが紛れ込んでるって事も考えられるだろうが?」

「ご安心下さい。

 もし近くの建物から、銃など構えようものなら、即・・マシンガンの餌食になりますよ。

 命が惜しくないヤツならともかく、退路まで考えるプロなら絶対に、そんなバカな真似はしません。

 この道で飯を食って来た俺が、保証します。」

「うむ・・とにかく、これが済めば全て上手く行く。

 もうワシに逆らうヤツは出て来るまい。

 その時こそ、ワシは名実共に・・組織のNo.1だっ!」

「そういう事です。

 組織は、もう手に入ったも同然ですよ・・ボス。」

「ふふふふ・・。」

 

 

その頃、ゴルゴは狙撃準備を進めていた・・例のビルの屋上で。

だが、その前にはアッシュの住んでいたアパートがあり、銀行の前は全く見えない・・

ゴルゴは、どうやってヒューイットを狙撃するつもりなのか?

 

そして、銀行から少し離れたビルの窓から監視する男。

それはコールマンの部下ハリーだった。

しきりに時計を見て、時間を気にしている。

そして・・護衛の車に守られ、ヒューイットの車が姿を現した。

それを見るや、ハリーは胸から何かのリモコンを取り出すと、アンテナを伸ばして電源スイッチを入れた。

その表情は厳しいモノがあった。

 

そしてM16を構えるゴルゴ・・しかし、アパートしか見えない。

その窓をスコープから見つめ続ける。

車が銀行玄関に到着し、先に車を降りて周辺の安全を確認したウルフは、ヒューイットを車から出る様に促す。

車を降りて、人垣の間を進むヒューイット。

その時だった・・ハリーがリモコンスイッチをオンにした。

 

そして・・いきなり多数の爆発音が起こって、辺りを揺るがす。

ハリーのリモコンは、アッシュの居たアパートの爆破スイッチだったのだ。

あっという間に崩れ落ちていくアパート。

驚愕するヒューイットやウルフ、その部下達。

 

 

「な、何だ・・これは?」

 

 

アパートが崩れ、そしてゴルゴの前が開け始め・・遂にゴルゴのスコープに、ヒューイットを捉えた。

ズキュン!

ヒューイットは、額を撃ち抜かれて・・倒れた。

即死だった。

ウルフの視線の先には、ゴルゴの姿が一瞬だけ見えたが、すぐに土煙が、それを覆い隠してしまった。

 

 

「ボ、ボス? あそこだっ!・・あの後ろのビルだっ!」

 

「何でえ・・おおっ?」

 

 

ロボも何の騒ぎかとテラスを出ると、隣のアパートが崩れており驚く。

ウルフは、その狙撃方法に驚きを隠せなかった。

 

 

「ボス・・ボス・・しっかりしてくださいボス・・アイツ・・一体、何者なんだ?」

 

 

そして、自室で金を抱えて狂喜するホリスキーの姿があった。

喜びに沸き、笑いが止まらないホリスキーだった。

 

 

「あはは・・アッシュのヤツは出て行くし、アパートはすぐに買い手が付くし、何てラッキーなんだっ!

 しかし、あの東洋人・・キャッシュとは驚いたっ!

 あんなおっかねえ顔をしてる癖に、正に福の神ってヤツだよ・・あ〜ははははは・・・。」

 

 

その夜、ハリーはコールマンに一部始終を報告していた。

 

 

「そうか・・やったか?

 流石はゴルゴ13、噂通りだな?」

「しかし・・アパート一つブッ壊して、弾道を作るなんて・・全く凄いアイデアを思いつくもんですよ。」

「アイデアも、そうだが・・アパートが完全に崩れた後では、その埃で何も見えなくなるだろうからな・・?

 狙えるのは、崩れて行く・・ほんの一瞬の筈だ。

 それを、あの距離から狙撃しようというのだから、

 たとえアイデアを思いついたとしても、あの男・・ゴルゴ13でなければ出来ん芸当だろうな?」

「・・全くです。」

「ふふふ・・まさに奇跡を生む男だ。

 噂に違わず世界一のスナイパーだよ、ゴルゴ13は?」

 

 

同じ頃、フロリダの海岸で美女3人を侍らしてる一人の男・・アッシュ。

金にあかせた豪遊という成金の風情であったろうか・・。

 

 

「だから、俺は言ってやったんだ。

 幾ら金を積まれたって、本当の価値の判らないヤツに・・俺の作品は売れないってな?」

「でも、その人・・全部、買って行ったんでしょう?」

「ああ・・どうしても全部、譲って下さいって言うから仕方なくな。」

「「「ええ〜?凄いわね〜〜」」」

「ふふ・・ それにしてもジャパニーズってのは、意外とセンスがあるんだな?

 その上、金払いが良い。

 俺の感性は、東洋向きなのかも知れんなあ。

 ここに飽きたら、ジャパンにでも行ってみるか。」

「「「やだあ・・行かないで〜? 連れてってぇ〜?」」」

「な〜に、皆まとめて面倒見てやるよ。」

「「「きゃ〜、ステキッ! ホントに?」」」

「ホント・・と言いたいところだが・・、取り合えず人生最良の日に・・乾杯っ!」

 

 

何も知らなき事は幸せかな・・アッシュ。

だがアッシュは、今の瞬間・・天才芸術家として満足の極地だった。

ワインを注いだグラスを太陽へと掲げ、乾杯するのであった・・END。

 

 

 

ENDING

 

 

 

今回、若干は変わってましたが、ほぼ原作通りな流れだったですね。

狙撃場面の描写が気になっていたのですが・・

それと原作と違い、アキハバラがベトナムの首都には吹き出しました。

でも北京から、どうやって秋葉原に行ったのやら?(苦笑)

 

まあ・・トーキョーが、中国の首都というのと五十歩百歩ではありますが。

この時は、ソウルオリンピックの後って設定なので、

流石に北京オリンピックをネタにする以上、ムリがありすぎでしたからね。

この辺りも原作との時の流れを感じてしまいます。

原作が94年(平成6年)の2月ですし、仕方の無い事ですけど。

 

実際、ほんの一瞬のチャンスでしか無い筈ですから、とても普通では考えられない狙撃方法でもありますよね。

ゴルゴじゃないと、はなっからムリな事ですね。

アッシュをアパートから出してしまえば、後は大家次第。

にしても・・こんなの出来るわけないわな?

何ともゴルゴならではの狙撃方法でしたね。

今回も、私的にはマズマズの出来だったです。

 

 

 

さて次回ですが・・

 

 

「対峙するゴルゴと、スナイパー・スパルタカス。

 その決闘を仕組んだのは、富豪達。

 強かな眼差しでモニター越しに、その様子を見守っていた。

 静寂のコロシアムに銃声が響き渡り、思わぬ展開が二人を待ち受ける。

 次回ゴルゴ13『 鬼畜の宴 』 ヤツの後ろに立つな! 命が惜しければ!」

 

 

 

やったあ〜、スパルタカスだあ〜。

ゴルゴと一・二を争うスナイパーがコロシアムで戦う。

何とも燃えるシチュエーションですね。

その後の展開も、原作では面白いんですが、ラストは如何なるのかな?

これって是非ともにアニメで見たかった原作の一つなんですよ。 

その辺りは次回の楽しみって事で。

ではまた^^

 

 

09.01.14 

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