死神の仕掛けた罠とは何か? 

『 ゴルゴ13 』 Target.42 『 大きな口(ラージ・マウス)の湖上 』を視聴。

 

今回はスパイアクション映画みたいなエピソードでしたね。

意外に面白かったです。

 

ボルガ2を演じるのが「桑島法子」さん。

「機動戦士ガンダムSEED」のナタル・バジルール、フレイ・アルスターが私には印象的です。

「犬夜叉」の珊瑚とか、

「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」のステラ・ルーシェとか、

「ラーゼフォン」の如月久遠とか、

「名探偵コナン戦慄の楽譜」の秋庭怜子とかかな。

秋庭怜子は、私好みなんですよね。

 

マッコードを「斎藤志郎」さん、

猟区管理官のボブ・ミラーを「宗矢樹頼」さん、

ボブの同僚のバーク・ベンソンを「大滝寛」さん、

ガイドのクーキーを「柿原徹也」さん、

 

・・全員、聞いた事のある声なんですが・・思い出せない^^;

 

 

 

では、あらすじですが・・

 

 

1頭のムース狩猟しか認められていないカナダの猟区内で、2頭を一発の弾丸で射殺したゴルゴ。

銃声を聞きつけた猟区管理官に連行され、管理事務所に身柄を拘束される。

そこへ乗り込んできたゴルゴの命を狙う謎のスパイグループ。

突如現れた男たちをかわし、ゴルゴは車に残っていた女スパイを山小屋に連れ去っていく。

翌日、女を残して山小屋を出たゴルゴは、ライフルを片手にラージ・マウスと呼ばれる大きな湖へと向かった・・・。

ゴルゴの行動は全て、湖上に現れるはずのターゲット殺害のために計算されたものだったのだ。

 

 

 

本編

 

 

 

カナダの・・とある山中、

ガイドの少年クーキーと共に、ムースの群れを狙うゴルゴの姿があった。

そして猟区管理官のボブは、同僚のバークと、偶々その銃声を近くで耳にする。

二人はスノーモービルを走らせて、現場へと向った。

 

 

「ハンターだな?」

「近いぞ?」

「この辺りに密猟者が居るとは思えないが・・」

「とにかく行ってみよう。」

 

 

ガイドのクーキーは、その光景に衝撃を覚えた。

なぜなら一発の銃弾で、2頭のムースを撃ち殺してしまったからだ。

 

 

「2頭も・・旦那は、一発しか撃たなかったのに?・・いっけねえや?」

 

 

そこへ現れるボブとバーク。

ゴルゴに狩猟許可証の提示を求めると、黙って差し出すゴルゴ。

 

 

「猟区管理官のボブ・ミラーだ、狩猟許可証を出して貰えないか?

 デューク東郷・・土地の者じゃないな?・・何処から来た?

 許可証を受けた時に説明があった筈だ。

 この地区ではムースは、一狩猟者に付き1頭と制限されているとな?

 クーキー、お前も一端のガイドなら、どうして教えなかったんだ?」

「ま、待ってくれよ・・管理官。

 マスターは、1発しか撃っちゃいないんだ。

 ほ、ほんと・・これは、全くのアクシデントだよ。」

「何だと?」

 

 

クーキーの言葉に、慌ててムースを調べるバーク。

そしてバークは、ボブに呆れた表情を見せる。

 

 

「・・ボブ、呆れたよ・・クーキーの言った通りだ。」

「そういえば、銃声も1発だけだったな。」

「しかし、何れにしろ法規違反には変わりない。

 まず狩猟許可証停止と、罰金は免れないだろうな?」

「とにかく管理事務所まで同行してもらおう。」

 

 

ゴルゴの後ろに回りこむバーク。

すぐさま反応し、ライフルでバークの腹を殴るゴルゴ。

バークは、その場で蹲る。

 

 

「動くなっ!・・抵抗するか?

 クーキー、ヤツのライフルを取り上げるんだ。」

 

 

銃を構えてゴルゴを脅すボブは、クーキーにライフルを取る様に命じた。

ゴルゴは何も言わず、クーキーにライフルを渡すのだった。

呆然と受け取るクーキー。

そのライフルから弾を抜きつつ、ゴルゴを脅すバークを、冷たい眼で見据えるゴルゴ。

今回のゴルゴの目論見は、何処にあるのだろうか?

そして彼のターゲットとは?

 

 

 

OPENING

 

 

 

その夜、外は吹雪に見舞われていた。

ガイドのクーキーは、コテージで昼間の話をしていた。

聞いている者は、全員が驚きを隠せない。

その中で、一人・・妙な素振りの男が居た。

 

 

「6、7頭・・居たかなあ?

 あの大きなムースが、豆粒程の遠さだったんだ。」

「それを倒したって?」

「走ってるヤツをか?」

「そう、それも只の1発だ。

 しっかも驚いたのは、弾は1頭の首を貫いて、さらに・・もう1頭の胸に当たったんだぁ。」

「「「「「おおっ・・」」」」」

「だけど、そこへ運悪く狩猟管理官が遣って来て・・おそらく今夜は帰らせて貰えないだろうなあ・・。」

 

 

それを聞き、その男は席を外すと自室へと戻る。

仲間の待つ部屋へ。

 

 

「すぐに出掛ける用意をするんだ。」

「ヤツが、見つかったのですか?」

「ハッキリした訳では無いが、まず間違いないだろう・・急げっ!」

 

 

拳銃の準備をし、身支度と整える者達。

その中に一人の女性の姿があった・・コード名をボルガ2と呼ばれる女。

吹雪の中、車に乗り込み何処かへと出掛ける。

 

 

「ヤツは一体、何処に居たんですか?」

「猟区管理官の事務所だ。」

「ではヤツは、きっと無防備です。」

「うむ・・」

「それにしても、こんなに早く見つかるとは思いませんでしたわ?」

「何処へ紛れ込んでも、それなりに注意を惹くものだ。

 超人ともいえるプロ・・ゴルゴ13ならな?

 このチャンスを見逃したら、倒されるのは我々という事になるだろう。

 生きて帰りたかったら、何としてもモノにするんだ。」

 

 

その頃、猟区管理官事務所ではゴルゴが取り調べを受けていた。

しかし・・ゴルゴは終始無言のままだった・・手錠で拘束されて。

ボブは本部に連絡を取り、ゴルゴの身元確認を行っていた。

 

 

「おいっ?・・いい加減、何とか言ったら如何なんだ?」

 

「そうです・・名前はデューク東郷。 見た目は日系人ですが、我々の尋問には一切、応じようとしません。

 いえ、所持品にはラージマウス湖の地図以下、 カナダの法に触れる物はありません・・はい、判りました。」

 

 「見た事も無い銃だな?」

「ああ・・狩猟用ライフルにしては重すぎるし、銃弾と共にカスタムメイドらしい。」

「成る程?・・やはり只の狩猟者じゃ無いって訳なんだな?

 おいっ?・・もう一度、聞くっ!

 お前は、何処から来た?

 何の目的で、この地に来たのだ?

 貴様ッ!・・いい加減にしろよっ??」

「おいバーク・・よさないか。」

「しかしボブ・・このままじゃ、埒が明かん。」

 

 

その様子を外から伺う男・・先程の連中の一人だった。

そして車に戻ると、リーダーに報告する。

 

 

「間違いありません、ゴルゴ13です。

 しかもヤツは、両手を手錠で繋がれています。」

「良しっ! 我々が事務所に踏み込んだ時から、10秒後に入り口に付けるんだ・・いいな?」

「判りました。」

 

 

男達3人が、ゴルゴ襲撃に向う・・車で待機するボルガ2。

ボブがゴルゴに話している最中、ゴルゴは異変に気付いた。

そして・・ドアをノックする者が?

バークがドアを開けるが、肩を撃たれて倒れる。

ゴルゴは、襲って来る男を蹴り飛ばし、すぐに身を避ける。

乱射する襲撃者達。

 

 

「黙秘を通すなら、それでも良い。

 どうせ明日になれば、オタワの本部と日本大使館に身元照会の要請が出されるだろう・・ん?」

「誰だ?・・ぐわああ?」

「バーク?・・何事だ?」

 

 

机の中から拳銃を取り出そうとするボブ。

だがゴルゴは一瞬早く拳銃を取ると、襲撃者の内2名を射殺する。

そして腹を蹴られて蹲る男に近づくと、そのまま射殺した。

ボブは呆然と見るだけであったが、バークに気付くと手当てを始める。

 

ゴルゴは、机から手錠の鍵を取り出して手錠を外すと、自分のライフルと持ち物を確保した。

手当てをしているボブと、傷ついたバークを冷たく見下ろして。

そのまま立ち去るゴルゴを慌てて制止するボブ。

それを無視し、外で待機していたボルガ2の車に乗り込む。

彼女の銃を叩き落し、ライフルを突きつけて脅すゴルゴ。

そのまま事務所から姿を消した。

 

 

「・・車を出せ。」

「ああっ?」

「・・早くしろ。」

 

 

ボブが拳銃を持って外に出た時、車は走り去ってしまった。

 

 

「待てえっ!

 やっぱり、あの男は只者じゃない・・一体ヤツは、どんな目的で、ココに?」

 

 

ボルガ2を人質に取ったゴルゴの目的とは何か?

彼は、何をしようというのだろうか?

 

 

 

前半終了

 

 

 

襲撃者の死体を調べるボブだったが、何も判らなかった。

そこへ左手を包帯で吊るしたバークが、様子を聞きに現れた。

 

 

「そいつ等の調べはついたのかい?」

「バーク・・まだ起きない方が良いぞ?」

「薬が切れたのか、痛くて寝ても居られんよ・・で、如何だった?」

「それなんだが・・一通り調べてみたが、身元を明かす様な物は、一切身に付けていなかった。

 それが却って不自然だ。

 逃走した東郷といい、こいつ等といい、只の犯罪者とは、とても思えない。

 一体・・ここで、何が起きようとしているんだ・・?」

 

 

ボブも、バークも悩みの色を濃くしていた。

その頃、ゴルゴは別のコテージに居た・・ボルガ2を妻と偽って。

そこへコテージの管理している娘が、お湯の水筒を持って現れる。

心配そうな顔をして・・彼女の容態が心配だったのだ。

 

 

「お湯を、お持ちしました。」

「・・有難う。」

「奥様の様子は・・如何ですか?」

「・・ああ、よく眠っているよ。」

「ふう・・では、また何かあったら呼んで下さい。」

 

 

ドアを閉めて立ち去る娘・・その音で目覚めるボルガ2。

ゴルゴが席を外すと、ベッドから起き上がろうとして裸なのに気付く。

ベッド横の暖炉には、自分の下着の燃えカスが?

 

 

 ・・これは?・・逃亡を防止する為?

 ・・あ、あいつ・・あ?

 

 

そしてゴルゴが戻るのに気付き、慌てて寝たふりを続けるボルガ2。

わざとシーツを寝返りで跳ね除け、裸体を見せる。

その肢体を見ても、何も反応しないゴルゴ。

そして腕時計で時間を確認すると、クロロフォルムをハンカチに。

そのまま、そのハンカチで彼女の鼻と口を塞ぐ。

 

 

 バカね・・気がついている者が、睡眠薬を吸い込むものか?

 

 

暫くして身支度を整えたゴルゴは、ライフルを持って外へ出た。

そこへ先程の管理人の娘が訪れる・・真っ赤な毛皮のダウンジャケットを着て。

彼女にチップを渡し、キッチンの片付けを頼むゴルゴ。

娘は、服を貰っているために遠慮すると、そのままゴルゴは立ち去った。

 

 

「御呼びですか、お客様?」

「・・出掛けて来るのでキッチンを片付けておいてくれないか?」

「いえ、結構ですぅ。

 お客様には、こんな綺麗な服を戴いているんですもの。」

「・・じゃあ、頼む。」

「行ってらっしゃいませ。」

 

 

娘がコテージに入り、キッチンの片付けをしている最中、ボルガ2は後ろから襲い、娘を気絶させて服を奪った。

そして上司に、コテージの電話で連絡する。

 

 

「・・はい、そうです・・連絡が遅れて申し訳ありません。」

『そうか・・残ったのは、君ひとりか。

 とにかく、君はポイントLに急行しろ。

 トロイカに事態を連絡し、何としてでもGの牙からトロイカの命を護るんだ。』

「はい、判りました・・何とか遣ってみます。」

 

 

ボルガ2は、娘のダウンジャケットを着るとコテージを後にした。

そしてゴルゴは、湖の近くで監視をしていた。

彼は、何を待っているのか?

ゴルゴは、依頼時の事を想起していた・・彼は、CIAから依頼を受けていたのだ。

 

 

「状況から判断して、これには一発必中の超遠距離射撃が必要なのだ。

 依頼する為の条件は、全て了承する。

 名前はジョセフ・D・マッコード、

 元CIA支局の暗号係だったが、最近になって、その男がカウンタースパイである事が発覚した。

 マッコードは、発覚と同時にイエローナイツから姿を消した。

 正確な現在位置は、まだ掴めていない。 

ヤツの目的は、オタワの大使館への亡命だ。

 マッコードは、仲間によるヘリでの回収を待っている。

 そして、その回収作業はラージマウスと呼ばれる小さな湖の上で行われる。

 つまりターゲットとの接点は、このラージマウス湖上の一瞬にしかないんだ。

 それ以外の接点を探り出すには、もう時間が無い・・返事を聞かせて貰いたい。」

 

 

湖を監視するゴルゴ・・そしてスノーモービルで近づくボルガ2。

そして猟区管理官のボブも、湖に向っていた。

何故か妙な確信がボブにはあったのである。

 

 

 ラージマウスに行かなくては・・

 全ての答えは、そこにありそうな気がする。

 

 

そしてボルガ2はトロイカことマッコードと合流する。

彼は、ラージマウス湖近くのコテージに隠れ潜んでいたのだ。

 

 

「・・誰だっ?」

「ポイントLにトロイカを救出に来た。」

「・・ふう・・よく来てくれた。

 バッテリーが切れて通信機が使えなくなるし、足は凍傷で、もう御終いかと思ってたんだ。」

「貴方を収容する作戦は、計画通り進んでいるわ・・マッコード。

 まもなくヘリが遣って来る。

 とにかく急いで此処を離れましょう。 

 CIAの雇ったスナイパーが、貴方を狙っているわ。」

 

 

乗って来たスノーモービルにマッコードと二人乗りするボルガ2。

エンジンの爆音が湖に響き渡る。それを冷徹に見つめるゴルゴは、射撃準備に入った。

そこに上空へヘリが飛んで来る。

ボブも・・そしてボルガ2も、それに気付く。

 

 

「来たわ、オタワ特急便よ。

 良かったわ・・予定より早く到着したけど、上手く私達を見つけてくれたみたい。」

「なあに、そりゃそうさ・・君の、その真っ赤なダウンは、すぐに目に付く。

 少々、離れていてもな?」

 

 

 

この時、ボルガ2の脳裏を衝撃が走った・・驚愕を隠せなかった。

今まで任務の事で頭が一杯だった為か、余裕が無かったからかもしれない。

その彼等の目の前にヘリが着陸態勢に入っていた。

 

 

 すぐに目に付く?

 そういえば私は、余りにも簡単にゴルゴ13の手を逃れる事が出来た。

 そう・・余りにも簡単に・・何故?

 あ・・罠?・・罠かもしれない。

 

 

「ダメッ!・・ラージマウスに出てはっ!?」

「ん?」

 

 

ボルガ2が気付くのは遅かった。

スノーモービルは、ラージマウスの凍った湖上に入った。

ゴルゴのスコープは、彼女の真っ赤なダウンに狙いを?

そして・・マッコードとボルガ2が重なった時・・銃口が唸りを上げた。

 

銃声が、ラージマウス湖に轟き渡る。

ボルガ2が・・そしてマッコードが、スノーモービルより落ちる。

そのままヘリに当たるスノーモービル。

ヘリは慌てて上昇し、その場を去って行った・・。

 

ボブは、全てが終わった現場を見て・・ただ呟いた。

自分が、ゴルゴに利用された事に気付いたのだ。

 

 

「・・ヤツだ。

 1発の弾丸でムースを倒したのは・・偶然でもマグレでもなかったんだ・・この事の為にっ!」

 

 

ボブは、呆然と雪が降る上空を見上げる。

ラージマウス湖に、雪が降る・・何も無かったかの様に。

マッコードとボルガ2の上に、その雪が降り積もって行く・・END。

 

 

 

ENDING

 

 

 

今ひとつ思い出せないですが、原作を読んだ記憶はありますね。

ただまあ・・突っ込みたい箇所は幾つかありますが。

ちょっと話が上手すぎだよなあ・・みたいな(苦笑)

猟区管理官事務所の襲撃にしたって都合が良すぎですが、ボルガ2の何ともオバカさん振りに笑えてしまいました。

あの真っ赤なダウンジャケットといい、睡眠薬といい、罠ミエミエじゃないですか。

 

大体、ゴルゴが彼女を一人だけコテージに残すのが怪しすぎ。

女だから油断してると思わせる為に、ボルガ2を裸にしたのでしょうが。

彼女の服も下着も全て焼くのが、凄いといえば凄いですよね。

まあ女スパイには色んなところに隠し場所があるし・・(苦笑)

今回は、何となく設定に古さを感じたんですが、意外に楽しめました。

 

私的には、ボブが良い味を出してたかな〜って印象です。

結局は蚊帳の外だったボブですが、こういう話で、客観的に見れるキャラが居るのは美味しいですね。

まずまずの出来じゃないかな。

 

 

 

さて次回ですが・・

 

 

 

「ゴルゴが、記憶を無くした。

 救助してくれた女と共に、僅かな記憶の断片を手掛かりにして、自分が何者なのかを探ろうとする。

 スナイパーの本能は、隠された依頼を呼び起こす事が出来るのか?

 次回ゴルゴ13『 空白の依頼 』 ヤツの後ろに立つな! 命が惜しければ!」

 

 

 

あれ?・・原作と少しタイトルが違いますね。

タイトルは「バスク・空白の依頼」ですから、大した違いでは無いんですけど。

原作ではスペイン・バスク州での話なんですが。

となると、敵のETAも名前を変えるかもしれないなあ。

バスク人の独立過激運動の扱いを、単なるテロリストとか?

まあ、その辺りは次回の楽しみって事で。

ではまた^^

 

 

09.02.04

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