死神に迫る野望の財閥の当主

『 ゴルゴ13 』 Target.44 『 ロックフォードの野望 』を視聴。

 

アニメ化される以上、必ず放映されるだろうなあと予想した中の1本。

ゴルゴは名エピソードが多いですが、この話をどう料理するんだろう?

その辺りを楽しみにしていました。

 

それ以上に気になっていたのが、デビッド・ロックフォードの声。

誰が演じるんだろうな〜と・・まさか、この人とは予想外でした。

 

そのデビッド・ロックフォードを演じるのが「森 功至」さん。

もう大御所の一人とも言えるベテラン声優さんですね。

若い頃は「神谷 明」さんとか、「(故)富山 敬」さんと並ぶ二枚目ヒーローの定番声優さんの一人でした。

「科学忍者隊ガッチャマン」の大鷲の健とか、

「宇宙の騎士テッカマン」の南城二とか、

「(旧)サイボーグ009」の009・島村ジョーとか、

「マッハGoGoGo」の三船剛とか、

他にも二枚目役は、実に多いですよね。

 

「エースをねらえ」の藤堂貴之とか、

「ドカベン」の土井垣将とか。

 

渋めの役柄も、最近は増えてきましたねえ。

 

「銀河英雄伝説」のウォルフガング・ミッタマイヤーとか、

「北斗の拳」の南斗白鷺拳のシュウとか、

「機動戦士ガンダム」の悲劇の貴公子ガルマ・ザビとか〜。

 

「謀ったな・・シャアア??」

「ジオン公国に栄光あれ〜〜〜〜っ!」

 

ガルマとなると、すぐに浮かぶ「坊やだからさ」のシャアのセリフ。

・・問題は、何処が最近かどうかってところですが^^;

 

「蒼穹のファフナー」のミツヒロ・バートランドみたいなマッド科学者役も上手くこなされてましたね〜。

すぐパっと、これぐらい思いだすのがアレですが・・私の好きな声優さんの一人です(ちと多いかもしれません^^;)

 

 

 

さて、あらすじですが・・

 

 

 

ロックフォード財閥の当主、デビッド・ロックフォード。

彼は単一の巨大資本による世界制覇という野望を達成するため、

ロックフォード家専属のスナイパーとしてゴルゴを雇おうと、秘書のミラーを派遣し依頼する。

しかしゴルゴに断られると、あらゆる機関に手を回し、ゴルゴの財産を凍結させる。

彼の動きを封じ込めて、強制的に屈服させようとしたのだ。

この状況を打破するため、ロックフォードの情報を持つ華僑の黄一族の長老を訪ねたゴルゴは、そこである依頼を引き受ける。

 

 

 

本編

 

 

 

ゴルゴは、あるホテルで一人の男と会っていた。

男の名はニコラス・ミラー、主人の代理で伺ったという。

男はゴルゴに専属の狙撃者になって欲しいと依頼してきたのだ。

だがゴルゴは、それを断った。

 

その後、ゴルゴは仕事に向う為、銀行に向うと意外な事実が待っていた。

自分の口座の全てが使用出来なくなっていたのだ。

 

 

「是非とも貴方様を、専属の狙撃手として雇いたい。

 それが、私の主人の希望でございます。

 報酬は月額1千万ドル・・如何で御座いましょう?」

「・・ここに居るのを何処で探ってきた?」

「それは・・主人の手の内の情報網とだけ申し上げておきましょう。

 金額が不足だと申されるのなら・・」

「・・用件は、それだけか?」

「は?」

「・・依頼人を一人だけに固定しようと考えた事は無い。」

「判りました、戻りまして主人に、そう申し伝えます・・。

 しかし貴方様のご返事の如何にかかわらず、主人は決して諦めますまい。

 生まれて此の方、主人が望んだ事で手に入らなかった物は無いのでございますから。」

 

 

何処の銀行の口座も、24時間前に封鎖されてしまっていた。

ゴルゴは敵の正体を考えてつつ、貸し金庫に訪れていた。

そこの拳銃と現金は残っていたが・・そこへ電話が?

支店長室で電話を取ると、相手は・・

 

 

『覚えておいでですかな?・・ニコラス・ミラーです。

 貸し金庫の中身には、敢えて手をつけずに置きました。

 そのキャッシュが無ければ、貴方様が受けている仕事の遂行に差し支えるでしょうから。

 私の主人は、貴方様を大変高く評価しておりまして、雇うのでは無く、対等の相手として手を組みたいと・・

 そう貴方に提案しております。

 如何でしょう・・お互いに決してマイナスになる話では無いと?』

 

 

ゴルゴは何も返事をせず電話を切った。

その目は冷徹そのものであった。

ゴルゴは支店長に、電話の相手の素性を尋ねたが?

 

 

「話は、お済ですかな?」

「・・今の電話の相手を知っているか?」

「いえ残念ながら・・私には伺い知る事すら許されていないのですよ。」

 

 

 

OPENING

 

 

 

ニューヨーク、摩天楼。

その中でも一際に高く聳え立つビル・・ロックフォード財閥の本拠。

そこで世界経済を操る男、デビッド・ロックフォードが居た。

その横で仕える男・・それはニコラス・ミラーであった。

彼の主人はロックフォードだったのだ。

 

 

「・・どうあっても、こちらの意の儘に為らぬというのか?」

「申し訳ございません。」

「急げよ、ミラー。

 今、ゴルゴ13を囲い込んでおかねば、何時か必ずヤツに狙われる時が来る。

 ワシは、絶対に死ぬ訳にはいかんのだ・・我が一族の野望を達成する為にも。

 そう・・単一の巨大資本によって、此の世界を制覇するまではな?」

「はい、その通りでございます会長。」

「さて・・如何すればヤツを掌中に収められるか?」

 

 

その頃、ゴルゴは狙撃の準備をしていた。

依頼者からの内容を思い出しつつ・・。

 

 

「マフィアのボス、シャリム・クラインを殺ってくれっ!

 八つ裂きにしても、飽き足りんヤツだっ!」

 

 

ゴルゴはM16をケースに仕舞うと、ホテルを後にした。

 

 

「ヤツの警護は、非常に厳重だ。

 しかしクラインは週末の礼拝を欠かした事が無い。

 ヤツは必ず教会へ向う・・その時なら、あるいは?」

 

 

教会に向う、クライン目掛けてM16が唸りを上げる。

ほんの僅かの隙間を縫う様に、銃弾が駆ける。

そしてクラインの左胸のバラが飛び散り、クラインは倒れた。

 

後日、ゴルゴはパリの地にあった・・依頼主のザメックに会う為に。

 

 

「お待ちしておりました・・こちらが報酬の3百万ドルです。

 スイス銀行へ振り込みの筈が、急にキャッシュという指示に変わったので、些か慌てましたよ。

 いや・・実は、この程度の現金を集めるのに大変苦労をさせられましてな?

 というのも・・あんたの連絡を受けた直後から、ワシの資産目当てに完全封鎖が掛けられてしまったのだ。」

「・・コッチの秘密口座にも、同様の封鎖が掛けられている。」

「ああ・・アンタは今、大変な相手から狙われておりますな?

 デビッド・ロックフォード、世界最大の財閥ロックフォード一族の当主です。

 このワシに、あんな真似が出来るのはヤツ以外にないっ!」

「・・デビッド・ロックフォード。」

 

「ロックフォード家の資産は、表向きだけでも6兆5千億ドル。

 実際には、その数百倍に上るでしょうな?

 その傘下には、実に千社以上の多国籍企業群が治められています。

 つまり世界に冠たる巨大企業の殆ど全てが、ロックフォードの所有である・・そう考えて間違いない。

 それに加えて、各国の選挙、革命等にも莫大な資金援助を行っています。

 奴等は経済のみならず、今や政治さえも支配しつつあるのですよ。

 お分かりだろう、Mr.デューク東郷。

 ロックフォードを敵に回す事は・・即ち、世界を敵にする事なのだ。」

 

 

ザメックの指摘で、ゴルゴは敵を知った・・敵の正体はロックフォード。

ゴルゴは、これから如何するのだろうか?

ロックフォードに屈するのだろうか?・・それとも?

 

 

 

前半終了

 

 

 

その後ゴルゴは、台北に向った・・ある男に会う為に。

華僑・黄彊孫(おう きょうそん)に。

街を歩くゴルゴを、監視の眼が光る。

そこへ一台の車が、ゴルゴの目の前で止まり、一人の男が?

黄彊孫の部下、陶哲昌(とう てっしょう)だった。

彼は丁重な挨拶と仕草で、ゴルゴを車へと誘う。

ゴルゴは、車に乗り込んだ。

 

 

「デューク東郷先生、黄彊孫の命令でお迎えにあがりました。

 陶哲昌と申します・・どうぞ。」

「・・俺が来るのを・・どうして知った?」

「台北空港を降りた人間のリストは、10分と掛からずに黄の手元に届きますよ。

 実は・・2週間前から黄は、貴方の所在を探していたんです。」

「・・俺を?」

「はい・・ところが、黄の情報網の総力を挙げても、如何いう訳か、貴方とコンタクトが取れない。」

 

 

 ・・ロックフォードの仕業か。  

 

 

「そうして諦めかけたところへ、先生が見えたと言う訳です。

 黄も大変、喜んでおりました。

 でも・・先生がいらしてくれて本当に良かった・・。」

 

 

黄の屋敷に案内されたゴルゴ。

黄は病床の身であり、残された寿命は僅かだったのだ。

 

 

「デューク東郷先生を、お連れしました。」

「・・おおっ?・・遂に来てくれましたか。

 ワシとしたことが・・貴方は、他人に利き腕を預けないのでしたな?

 ・・ごほっ、ごほっ・・しかし、よく来てくれました。

 御覧の通りワシは、もう永くない。

 その前に、如何しても貴方に会いたかったのです・・。

 3千年の歴史を有する我が財閥華僑は今、最大の危機に立たされて居ります。」

「・・ロックフォードか?」

「如何にも仰る通り・・経済利益だけが目的の相手ならば、まだ手を結ぶ余地はあった。

 だがロックフォードは違う。

 奴等は、我々の全てを踏みにじろうというのです・・ごほごほ・・失礼。」

 

 

黄は薬を飲んで発作を抑えた。

 

 

「悔しいが、我々の力だけではロックフォードに対抗出来ないのは明白です・・そこで?」

 

 

呼び鈴を鳴らす黄。

そして部屋に入ってくる陶はアタッシュケースを持って来た。

開けられたケースの中は依頼料だった。

 

 

「是非とも、貴方の腕をお借りしたい。

 デビッド・ロックフォードを始末してほしいのです・・おおっ?」

 

 

ゴルゴは、黙ってケースを閉じると、手に取った。

それを見て喜ぶ黄。

黙って立ち去るゴルゴの後姿に、黄と陶は両手を胸の前に合わせ、礼と感謝を込めて、狙撃の成功を祈るのであった。

 

デビッド・ロックフォード狙撃依頼の知らせはデビッドの下へと届けられた。

慌てて報告するミラー。

驚愕と焦りを隠せないデビッドは、対応に苦慮するが・・?

 

 

「何っ?・・ワシを狙撃する為に、ヤツが・・ゴルゴ13が動き出したというのか?」

「はい・・依頼人は、黄彊孫に間違いありません。」

「くそおっ、後手に回ったか・・あの老いぼれめ。

 もっと早く手を打って、息の根を止めておくのだったっ!」

「如何なさいますか・・ゴルゴ13が動き出した以上、最早・・一刻の猶予も?」

「下らん事を言うなあっ!

 ヤツを阻止する方法など有りはしないっ!・・いや・・あるっ!

 たった一つだけ、ヤツを・・ゴルゴ13を止められるかもしれない方法がある。

 あの男なら・・あの男なら、あるいは?」

 

 

どこかに電話を掛け始めるデビッド・・相手は誰なのか?

誰が、ゴルゴを制止出来るというのであろうか?

 

そしてゴルゴは、スイスのとある保養地の湖近くを、車を走らせていた。

そこへ自動車電話が掛かる・・車を路肩に止めるゴルゴ。

果たして、その相手とは?

 

 

『Mr.デューク東郷ですね?・・少々、お待ち下さい。』

『・・私が誰だか判るかね?・・Mr.東郷。』

 

 

ゴルゴの眼が光る・・その声に聞き覚えがあった。

それは・・アメリカ大統領本人だったからである。

 

 

『今朝、私の友人から電話を貰った。

 その友人が誰なのか、説明の必要は無いと思う。

 Mr.東郷、今すぐ引き返し給えっ!

 3時間以内にスイスを出て貰えない場合、君は世界の警察を敵に回す事になる。

 勿論、我々もその様な事態は避けたいと思っている。

 判って貰えるね?・・Mr.東郷。』

 

 

何も言わずに電話を切るゴルゴ。

その頃、デビッドとミラーは、そのスイスに居た。

ゴルゴは、その情報をキャッチして現れたのだろう。

移動中の車内で、怯えの色を隠せないミラーであった。

 

 

「ゴルゴ13との連絡は、取れたのでしょうかねえ?

 連絡さえ取れれば、何とかなると思いますが・・もし連絡が取れない様な事があれば?」

「・・後は待つだけだ。」

「ま、まあ・・この車は戦車の様なものですから、これに乗って居られる限りは大丈夫でしょう・・問題は山荘の?」

「もう良いっ!

 後は待つだけだと言ったろうっ?

 ゴルゴ13相手に、こんなものが一体、何の役に立つ?」

 

 

焦りを隠せない二人であった。

二人の乗った車が山荘に到着すると、多くの軍人が警戒していた。

ミラーが用心の為に配備していたものだった。

舌打ちしてミラーを睨みつけるデビッドだった。

 

そして、その夜・・厳重な警戒網に包まれた山荘。

足の踏み入る箇所が見当たらない程に。

果たしてゴルゴは、現れるのであろうか?

そしてデビッドに電話が・・慌てて受話機を取るデビッド。

相手は、彼が知らせを待ちわびていたアメリカ大統領だった。

 

 

「もしもし?・・おおっ、連絡を取ってくれたか?

 うんうん・・そうか、それで結構。

 これで、アンタの再選も決まった様なもんだ(チン)

 ふふふふ・・はははは・・」

「・・よ、良かった・・ああ?・・私めが?」

「構わん。」

 

 

大統領からの電話に安堵するデビッドとミラー。

にこやかにブランデーをグラスに注ぎ始めるデビッド。

準備しようとするミラーを制止し、彼にグラスを渡す。

 

 

「ふふ・・ヤツも、さぞ驚いた事であろう。

 一国の指導者から直接、連絡で警告されたんだからな?」

「ええ・・ええ・・全くです。

 私だったら、我が耳を疑いますよ?」

「情けない事を言うな。

 お前は、世界を手にしようとしている男の前にいるんだぞ?」

「そ、そうでした。

 身近に御使えしていると、ついその重大さを忘れてしまいます。」

「ははは・・御苦労だったな、ミラー・・君もやりたまえ。」

「有難う御座います。」

 

 

二人はグラスの水割りを安堵もあってか、美味しそうに飲み干す。

そして窓を開け、外を眺める二人。

 

 

「さて・・今度こそ間違いのない搦め手を考え、ヤツを・・ゴルゴ13を一刻も早く我が掌中に収めなければ。

 美しい・・此処から見る森と湖が、これほど美しかったとは?」

「全くです・・月の光を浴びて、何とも美しい光景ですなあ?」

 

 

景色を見て楽しむデビッドとミラー。

夜空には綺麗な星が瞬き、月の光が湖を照らしていた。

そして・・その湖上に、一艘のヨットが?

そこからスコープで狙う者が?・・刹那、一発の銃声が湖に轟いた。

 

三日月は、その様を黙って見つめるだけであった・・・END。 

 

 

 

ENDING

 

 

 

え〜と・・可も無く不可も無く・・みたいな印象でしょうか?

多少、期待しすぎた感はあるのかもしれませんが。

尺的にカットされてるなあみたいにも思えましたが、何せ原作が手元に無いので確認出来ない。

デビッド・ロックフォードはイメージ通りでしたので、これは森功至さんの名演でしょうね。

ミラーも、上手く表現出来てましたし。

 

アメリカ大統領の部分は、真っ暗で隠して口だけというのは予想通り。

一国の指導者なる言い回しで誤魔化してましたが、どう見たってワシントンDC、ペンタゴンとホワイトハウス^^;

原作みたいにロナルド・レーガン大統領でも出るのかな〜?

それともバラク・H・オバマ新大統領かな?

期待はしましたが、その辺は仕方ないんでしょうね。

 

残念なのが、次のエピソードが次回では無いという事かな。

予告を見てガックリとしたのって、私だけじゃ無いと思うんですが・・。

ロックフォード後編「謀略の死角」を見たかったな〜。

後日、あるのかな?・・それとも無いのかな?

3月、4クールで終わらなければ可能性は充分にあるんだろうけど、どうなるのかなあ?

 

 

 

さて次回ですが、

 

 

 

「ターゲットは、厳重な刑務所に収容された囚人。

 森に張られたテントからライフルを構えるゴルゴ。

 狙撃のチャンスは10時間に一度だけ。

 ただ一度・・限界までスコープを覗き続ける。

 次回ゴルゴ13『 36000秒分の1秒 』 ヤツの後ろに立つな! 命が惜しければ!」

 

 

 

これは原作を持ってますね。

それほど面白いエピソードでも無いんですが、脚本次第かも?

射撃としては、ゴルゴって人間じゃない集中力だよな〜という話。

その辺りは次回の楽しみって事で。

ではまた^^

 

 

 09.02.18

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