死神、奇跡の射撃

『 ゴルゴ13 』 Target.45 『 36000秒分の1秒 』を視聴。

 

そういえばキャストが少ない話だったな〜とは思ってましたが、

まさかゴルゴと、あと二人だけとは・・そういえばそうだったなあと。

確かに原作でもセリフがあるのは、3人だけですしね^^;

しかしゴルゴ、依頼人(名前無し)、デグナーだけとは・・。

 

スポーツ医学者デグナーを演じるのが「大塚明夫」さん。

あの「大塚周夫」さんの実子、奥さんが同じ声優の「沢海陽子」さん。

有名なのは「日曜洋画劇場」のナレーションでしょうか。

とにかく渋い声ですよね。

役では「機動戦士ガンダム0083」のアナベル・ガトー少佐でしょう。

 

「ソロモンよ、私は帰って来たっ!」

 

あれが名セリフですよね〜・・他にもガトーですと、名セリフは多いんですが。

他に「機甲猟兵メロウリンク」のキーク・キャラダインとか、

「ブラックジャック」のブラックジャックとか、

「銀河英雄伝説」のチュン・ウー・チェンとかが印象的です。

 

洋画の吹き替えも多くて、スティーヴン・セガールの「沈黙」シリーズとか、

アーノルド・シュワルツェネッガーなんかもされてますね。

シュワとなると「玄田哲章」さんのイメージも強いんですが。

 

 

復讐に燃える依頼者(名前無し)を「永井一郎」さん。

もう説明するまでもなく大御所声優の一人ですよね。

「サザエさん」の磯野波平を知らない日本人は、滅多に居ないかも?

 

「宇宙戦艦ヤマト」の佐渡酒造先生・徳川彦左衛門機関長とか、

「機動戦士ガンダム」のデギン・ソド・ザビ、ナレーターとか、

「うる星やつら」の錯乱坊(チェリー)とか、

とにかくTVを掛けると週に何回かは永井さんの声が聞ける気がします。

洋画吹き替えだと「スターウォーズ」シリーズのヨーダとかが有名かな?

 

 

 

さて、あらすじですが・・

 

 

 

フランス一厳重なサンテ刑務所の独房に収容されている囚人、テロリストのカルロンテ殺害を依頼されたゴルゴ。

だが狙撃のチャンスは、独房に通じる2つの扉が同時に開く瞬間のみ。

それは10時間に1回、わずか一瞬だけ訪れる・・奇跡の一瞬だった。

刑務所近くの森に張られたテントから、10時間も同じ姿勢で狙撃のチャンスを待たなければならないゴルゴは、

ある秘策を行う為に、スポーツ医学者デグナーに接触する。

果たしてゴルゴが考え出した秘策とは何か・・・?

 

 

 

本編

 

 

 

フランス・サンテ刑務所。

フランス一厳重と詠われた刑務所である。

その遥か離れた外で、ゴルゴはM16を構えていた。

広場のドアの一点をスコープで覗いて。

今回のターゲットは、果たして誰なのだろうか?

 

 

 

OPENING

 

 

 

「この刑務所はフランス一厳重だ・・外からの射撃は不可能に近い。

 だから私は、刑務所のあらゆる情報を集めた。

 そして先日、あそこを出所した囚人から針の穴を通す可能性を聞き出した。

 こいつを見てくれ・・ ヤツの居る独房と広場に通じる回転扉は、一直線上に位置している。

 この扉が開く時、唯一独房が窺えるチャンスなのだ。

 だが・・幾つか問題がある。」

 

 

サイレンが鳴り響く刑務所。

回転扉が開き、囚人達が広場に続々と姿を見せる。

ゴルゴは依頼者の事を想起していた。  

 

 

「最初の問題が、鉄の回転扉だ。

 この扉は一日に何度も開くが、中が窺えるのは一瞬だ。

 次に、その奥にはスライド式の扉がある。

 このスライド扉が開くのは、一日に数回だけだ。

 回転扉とスライド扉が、同時に開く・・その条件が揃って初めて独房が見える。

 しかし・・もう一つ問題がある・・独房だ。

 独房への通路は、看守と接見の弁護士だけが通れる。

 独房には一切・・窓が無く、僅かに通路側に小窓があるだけだ。

 狙撃は、この小窓を通して行う事になる。

 つまり二つの扉が同時に開き、しかもヤツが小窓に接近していなければならない。

 その条件が揃って、初めて狙撃する事が出来るのだ。

 思い出すのも忌まわしい・・。

 私達一家が特別列車で旅行した時、ヤツの無差別テロの巻き添えになって、64人の死傷者が出た。

 被害者の中に、私の妻と娘が居た・・。

 犯人カルロンテは、伝説的なテロリストとして暴れまわった男だ。」

 

 

カルロンテの顔写真を、震える手でゴルゴに手渡す依頼人。

 

 

「そのカルロンテが、ついに逮捕された。

 だが、ヤツは法律で護られ、厳重な檻の中だ。

 生き残った私には、御覧の通り復讐する体すら残されていない。

 裁判などで、私の恨みが和らげられるものか?

 い、今すぐヤツを地獄に突き落としてやりたいのだっ!」

 

 

独房のカルロンテに話しかける看守・・小窓から顔を見せるカルロンテ。

その時、回転扉が開きスライド扉を開いて別の看守が独房へと歩み寄る。

ゴルゴがスコープを見つめ続ける。

だが・・歩み寄る看守が影となって、カルロンテを捕捉出来ないゴルゴ。

スライド扉が閉まり・・回転扉も閉まってしまう。

 

 

「お、お願いだっ。

 カルロンテを・・カルロンテを殺し、家族の恨みを・・私の恨みを、私の息があるうちに晴らしてくれ。」

 

 

何かを口に咥え、ずっとチャンスを待ち続けるゴルゴ。

首筋をムカデが這い回るも、微動だにしない集中力。

だが徐々に、ゴルゴの握力の衰えは明らかだった。

果たしてゴルゴは、この困難な狙撃を成し遂げる事が出来るのであろうか?

 

 

 

前半終了

 

 

 

指は麻痺しはじめ、目も疲労を隠せないゴルゴ。

ゴルゴは、デグナーと会った時の事を思い起こしていた・・。

 

 

「どうやって俺の正体と、極秘の薬の事を知ったんだ?」

「・・今でも薬は作れるか?」

「あの薬品を世間に公表すると、ドーピング問題が起きる。」

「・・長話は無用だ・・イエスかノーで答えろ。」

 

 

札束を見せるゴルゴ。

デグナーは札束を数えると、にやりと笑った。

 

 

「断る訳にもいくまい・・アンタの身体のデータを取った上で、薬を調合する。」

「・・俺のデータや、このプランが知られたら相応の覚悟をして貰う。」

「約束しよう・・この事は誰にも漏らしはしない。

 この素晴らしいボーナスに誓ってな?

 だが折角の大金も、借金の返済でチャラだ。」

 

 

徐々に体力が衰えるゴルゴ・・陽は暮れ始めていた。

早朝からずっと同じ態勢の為、流石のゴルゴにも疲労が隠せない。  

 

 

「何だって?・・10時間も、同じ姿勢で?

 それは絶対に不可能だな。

 人間が同じ姿勢で居られる限界は、2〜3時間までだ。

 1時間も同じ姿勢を保ち続けただけで、筋肉は固まる。

 どれほどの筋力と精神力を持ってしても、それは不可能だな。」

「・・俺が必要なのは、意見では無い。

 可能な限り筋力弛緩を促す薬だ・・自分の薬に自信が無いのか?」

「・・まあ大量投与しても、丸一日・・身体の動きが緩慢になるだけで、命に別状がある訳では無いし・・それで良ければな?

 筋肉を弛緩させる効果は24時間続くが、逆に俊敏な動きは極端に悪化する。

 つまりアンタの瞬発能力は、持久力と引き換えに3分の1まで低下する事になる。」

 

 

ついに握力を失ったゴルゴは、デグナーの薬に手を伸ばした。

 

 

「アンタの身体に適合する様、調合した。」

「・・まず自分の身体に射ってみろ?」

「冗談を言うな?

 他人の薬品に身体を預ける不安は判るが、俺を信用するしか無いだろう?

 射たなきゃ意味が・・わ、判ったよ・・判った。」

 

 

自分を睨むゴルゴの殺気に、デグナーは薬の入った注射器を取り出し、自分に射とうとする。

注射器の針がデグナーに刺さる寸前・・

 

 

「・・止めろっ!」

「あ・・?」

 

 

デグナーを制止し、注射器を奪うと、ケースに仕舞うゴルゴ。

それに驚きながらも、デグナーはゴルゴに確認する。

 

 

「今回の事は全て忘れるんだったな?」

「・・それが絶対条件だ。」

「ま、待ってくれ・・10時間もの硬直状態を続けると、後遺症が酷い。

 直後にプロのマッサージを受ければ、回復も早い・・俺に遣らせてくれ。」

「・・連絡をする。」

 

 

ゴルゴは、デグナーの前から去って行った・・。

 

注射をし、震える手でM16を持って構えるゴルゴ。

そして刑務所に、弁護士が接見の為に姿を現す。

回転扉が開き、スライド扉も開いてゆく。

弁護士と小窓越しに話すカルロンテは、夕陽の眩しさに目を閉じる。

その一瞬をゴルゴは捉えた・・スコープに映るカルロンテの顔。

 

ゴルゴは、歯でボタンを噛み締め・・銃に電流が走る。

既にゴルゴの指は、引き金を引ける状態では無かったのだ。

銃声が轟き、森の鳥が驚いて空に舞う。

必殺の一撃は、僅かな空間を抜け・・カルロンテの左目を貫いた。

 

 

「そのチャンスは・・36000秒分の1秒。」

 

 

奇跡の射撃は終わりを告げた・・。

それから数時間後、ゴルゴは・・とあるスポーツジムに居た。

そこに現れるデグナーはマッサージの準備を始める。

 

 

「早速始めよう・・10時間も、M16を構えたまま動かなかったんだ・・筋肉も固まるさ。

 どうやってM16のトリガーを引いたんだ?・・ゴルゴ13。

 どうしても、お前の事を知りたくてな・・FSBの知り合いに聞いてみた・・たまげたぜ。

 そして、そいつの上司はゴルゴ13を始末すれば・・多額の報酬をくれると約束した。」

 

 

ゴルゴは震える手で、座った椅子に仕込んだ銃を取ろうとするが・・?

デグナーは、ゴルゴを前蹴りで蹴飛ばす。

そのまま後ろのトレーシングマシンに当たり、壊れるマシン。

その骨組みのパイプで、身体を支えて立ち上がろうとするゴルゴ。

懐から銃を取り出し構えるデグナー。

それを見て、持ちあげたパイプを下に下ろすゴルゴだったが?

 

 

「俺も、一流と言われた格闘家だ。

 こんな状態のお前と戦うのは気が引けるが、しかし・・お前の素性を知れば、そうも言ってられんよ。

 動かないでくれよ?・・俺は銃器の扱いは苦手なんでな?

 流石はゴルゴ13・・諦めの早いのも一流の証・・?」

 

 

その時ゴルゴは、持ったパイプのボタンを押した。

パイプの中から飛び出す小さな槍がデグナーを襲った。

驚き、銃を撃つも・・それを避けるゴルゴ。

小さな槍はデグナーの胸を貫いていた。

 

 

「・・これが・・超一流の用心深さ・・か?」

 

 

ゴルゴは万が一に備え、何段階も準備をしていたのだった。

後ろに倒れ、デグナーは息絶えた。

その後、スポーツジムは爆発と共に、炎に包まれる。

炎上するジムを後ろに、ゴルゴは去って行った。

左手で右手を支えながら・・・END。

 

 

 

ENDING

 

 

 

まずまず原作を上手く纏めた脚本と言えるかな・・と。

デグナーが、ゴルゴの身体のデータを取る場面とかカットでしたが、あの辺りは無くても別に構わないですしね。

デグナーが、ゴルゴの身体能力に驚嘆ばかりみたいな場面ですし。

デグナーは元東ドイツのスポーツ医学者で、ブッハルト蔵相の紹介云々のセリフもありましたが・・。

 

「俺は改造人間を作り出すプロなのだ」

 

このセリフは、やっぱりカットされたなあ・・。

 

 

『長年、東ドイツで優れたに着たい構造をした選手を育ててきたが、この数値は奇跡だ・・全てに優れている。

 特に格闘技系の筋肉はオリンピック級だ。

 レスリング、ボクシング、柔道・・全ての理想形だ。

 本来、人の身体は二つのタイプに別れる。

 瞬発力を備えた身体と、持続力を備えた身体だ。

 ところが、この男は見事にその中間に位置し、なおかつ両方の最高点に近い。

 強いていえば一番近いのは近代五種の選手だろう。

 いったい、どんなトレーニングを積んできたんだ?

 西側に来て、最高の驚きだ。

 待てよ・・これに似たタイプを昔・・そうだ、特殊部隊だ。

 数値は劣るが、たまたま受け持ったスペツナズ隊員に似ている。

 何を・・何をしている男だ?』

 

 

何というか、ゴルゴの肉体って凄いですよねえ。

待つ身の長いので、依頼者との会話を随所で挿入して上手く間を取り、単調な話を纏めてます。

脚本次第では見るのも少し、しんどい話なんですが。

 

ゴルゴの正体も旧KGBの知り合いから聞いた筈ですが、

現在の名称がFSBと言っても良いのと、ソ連崩壊と同時にKGBは解体されたし。

それにデグナーも、大塚明夫さんが良い味を出してましたしね。

 

 

 

さて、次回ですが・・

 

 

 

「命を狙われたアジア映画スター、リーからの依頼を受けたゴルゴ。 

 敵は、何処からでも襲い掛かってくる大群の兵士達。

 高層ビルの中、秘策を持ち、たった一人で立ち向かう。

 次回ゴルゴ13『 世紀末ハリウッド 』 ヤツの後ろに立つな!命が惜しければ!」

 

 

 

これも原作は持ってますね。

まあ色々な面で珍しいエピソードの一つではあるんですが・・ゴルゴがボディーガードをするっていうのも珍しいですしね。

久しぶりに物凄い銃撃戦が見れるのは確実なエピソードです。

 

それだけに脚本が大変そうですが・・そして意外なラストの行方は?

それに敵がなあ・・多分、原作とは変えるでしょうが。

アメリカを前面に出す様な内容だけに。

尺もあるので改竄が多そうですが、まあ次回の楽しみって事で。

ではまた^^

 

09.02.25

 

 

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