死神の影に怯える夫婦

『 ゴルゴ13 』 Target.47 『 夜は消えず 』を視聴。

 

何となく覚えてますが、細部は忘れてるエピソードでした。

ダニエルという女性が、元は娼婦にまで堕ちてましたが、現在ようやく幸せに暮らしている最中に目の前に現れたゴルゴ。

脅迫されるのかと、その影に怯え自滅していくみたいな話ですが・・

 

その元娼婦のダニエルを演じるのが「佐々木優子」さん。

「ゼオライマー」の八卦衆シ・タウぐらいしか思い出しません^^;

シ・アエンの双子の妹役って言えば判る方も多いのではないでしょうか?

シ・アエンは「佐久間レイ」さんが演じられてましたね。

どちらも凄いバストでしたが・・(おいおい^^;)

結構、洋画の吹き替えでは見掛けるんですが・・。

 

 

では、あらすじですが・・

 

 

フランス、アングレームのホテルに訪れたゴルゴ。

その晩、ホテルのバーでゴルゴは、町長のバルドー夫妻結婚3周年記念パーティに遭遇した。

一人酒を飲むゴルゴを見たバルドーの妻ダニエルは、激しく動揺する。

彼女はかつて、娼婦としてゴルゴに抱かれていた過去があったのだ。

それをネタにゴルゴが、自分達を強請りに来たと勘違いした夫婦は、ゴルゴを殺害するために殺し屋を雇うのだが?

 

 

 

本編

 

 

 

フランス、シャラント県アングレーム郡のとある田舎町。

そこのホテルに一人の男が現れた・・ゴルゴであった。

ゴルゴは、この静かな田舎町に何の用で訪れたのであろうか?

 

 

「いらっしゃいませ。」

「・・3日前に予約の電話をしたデューク東郷だが?」

「はい、確かに承っております。 

 最上階の日当たりの良いお部屋を御用意してあります。

 あ、あのう・・滞在の御日程を伺っておりませんが?」

「・・予定は無い・・気に入ったら、1週間でも2週間でも居るつもりだ。」

「なるほど・・保養ですね?・・それは宜しい。

 この町は小さいですが、良いところですよ。

 有名な保養地というのは、却って休めませんから。」

 

 

フロントで、支配人から部屋の鍵を受け取るゴルゴは部屋へと向った。

部屋に入ると、服を脱いでテラスで日光浴を始めるゴルゴ。

彼の目的は本当に保養なのだろうか?・・それとも?

 

 

 

OPENING

 

 

 

その晩、ホテルのバーではパーティが開かれていた。

その町の町長であるバルドー夫妻の結婚3周年記念パーティーだった。

バーに赴くゴルゴに、支配人が傍に近づき謝罪する。

 

 

「お客様、どうも騒々しくて申し訳ございません。

 今晩は、町長のバルドー氏の御結婚3周年記念パーティーなんですよ。

 暫く続きますので、宜しければ御部屋にお飲み物をお持ちしますが?」

「・・いや、ここでいい・・ギムレットを頼む。」

「何でも御自宅でパーティーを催したのでは、堅苦しくなると仰いまして、こんなホテルのバーを御利用下さったのです。」

 

 

その光景を鋭い目付きで見つめるゴルゴ。

ゴルゴはバルドー夫妻と何かあるのだろうか?

バーテンがギムレットを作ると、グラスをゴルゴに差し出す支配人。

 

 

「どうぞ・・これは、店の奢りです。

 それでは何か御座いましたら御呼び下さい。」

「・・有難う。」

 

 

この時、町長夫人のダニエルはカウンターに居る男に気付いた。

眺めていると、ゴルゴが後ろを振り向き・・ダニエルは愕然とした。

慌てて目を逸らし、その場を離れるダニエル・・まるで怯えるかの様に。

その様子に疑問を持った夫のバルドーは、ダニエルに近寄る。

 

 

「どうかしたのか・・ダニエル?」

「ちょっと・・気分が悪くなって・・。」

「そうか、少し疲れが出たのかもしれんな?」

 

 

その様子を見て、ゴルゴはバーテンに尋ねた。

ダニエルはバルドーに気遣われながら、その場を離れる。

 

 

「・・君、あの女性は?」

「ああ・・バルドー夫人ですよ、気分でも悪いのかな?」

「皆さん、誠に申し訳ない。

 妻が気分が悪いというので、ちょっと失礼する・・どうぞ続けて下さい。」

 

 

怯えながらダニエルは、ゴルゴを後ろ目で見ていた。

車で家路に急ぎながら、バルドーは驚愕する。

ついに恐れていた事が・・彼の顔は歪んでいった・・。

 

 

「何っ?・・それは本当か?」

「ええ・・間違いないわ、とうとう恐れていた事が現実に?」

「・・その男が・・。」

「あなた・・如何すれば良いの?」

「私に任せておきなさい。」

「ま、任せるって・・アナタ一体?」

「良いから黙って私に任せておけば良いんだっ!」

 

 

バルドーの顔は、ゴルゴへの憎悪の余りに歪んでいた。

それを見て怯えるダニエル。

 

 

「他に・・他に、方法は無いの?」

「いや・・これが一番の方法なんだ・・一番の。」

 

 

家に戻ると何者かに連絡を取るバルドー。

ダニエルに自宅に居る様に命じると、ホテルへと戻る。

慌ててカウンターを見るが、ゴルゴの姿は無かった。

そして幻影を見るバルドー・・それはゴルゴとダニエルの情事の場面だった。

バルドーの顔色が悪いのを気に病む出席者に言い訳をしつつ・・。

 

 

「御帰りなさい・・アナタ・・如何したの?・・そんな怖い顔をして。」

「ダニエル・・ダニエル・・こうか?・・アイツと、こうしたのか?」

 

 

まるで狂ったかの様にダニエルを激しく求めるバルドー。

そしてゴルゴに抱かれるダニエルの幻影を見て、もっと彼女を攻め立てる。

 

 

 何としても・・何としても、あの夜から逃げなくては・・?

 

 

激しくバルドーに抱かれながら、ダニエルは必死に何かを思っていた。

あの夜とは?

一体、ダニエルとゴルゴの間に何があったというのだろうか?

 

 

 

前半終了

 

 

 

翌日、バルドーは町外れで3人の男に会い、金を渡して何かを依頼する。

 

 

「判った・・任せろ。

 俺達は、その道のプロだからな・・確かに引き受けた。」

「それで、間違いなく私達には迷惑は掛からないだろうね?」

「この仕事は信用が第一でね・・ましてアンタは信用ある取引先の紹介だ。

 どんな事があったって、アンタには迷惑は掛けねえさ・・バルドーさん。」

「ああ・・それじゃ、これは約束の前金だ・・宜しく御願いする。」

 

 

その日の夕刻、ホテルに一人の男が現れる。

そこへ階段を下りてくるゴルゴの姿が?

鍵をフロントへ預け、何処かへと出掛けて行った。

それを眼光鋭く見つめる男・・何者であろうか?

 

その夜遅く・・ゴルゴの部屋を一人の男が訪ねる。

それは昼間、バルドーと会っていた3人の内の一人であった。

何かを話し、ゴルゴを外へと連れ出す。

その姿を近くの部屋で監視する、夕刻にホテルに現れた男の姿があった。

ゴルゴは、訪れた男の車で町外れまで案内される。

そこに待って居たのは、残りの2人だった。

拳銃を突きつけられ、車を降りるゴルゴ。

 

 

「・・俺に用があるというのは、お前か?」

「ほう?・・ド素人ってのは俺達プロと違って、拳銃を向けられてもピンとこないものらしいな・・はははは。」

「・・用件を聞かせて貰おう。」

「実は、お前に此処に居られると困るって方が居るんでね?

 すぐに、この町を出て行くんだ。

 そして二度と、この町に現れるなっ!」

「・・その困るという相手は?」

「そんな事は、如何だって良いっ!・・すぐ、この町を出て行けっ!!」

「・・断ったら?」

「ただの脅しじゃないぞ?」

「ようし・・判らせてやるぜ。

 プロのパンチが、どんなものか・・じっくり味あわせてやる。」

 

 

ペキペキと拳を鳴らしながら、ゴルゴを連れて来た男が近づく。

ボクシングのフットワークをしながら・・シャドーをしつつ。

左ストレートを放つも、それをあっさりと避けるゴルゴ。

避けられ怒りの余りパンチを次々と繰り出すが、全て避けるゴルゴ。

態勢を崩したところを、ゴルゴは右のカウンターでKOしてしまう。

残った二人は銃を撃つが、それを避けて胸元から銃を取り出すと、一人は額を撃ち抜き、そしてリーダーの銃を弾き落す。

そして、そのままリーダーの口の中に銃を突き付ける。

 

 

「・・お前達を雇った相手は?」

 

 

怯えるリーダー、そして離れた場所から双眼鏡で監視する男。

バルドー宅では、二人が結果の連絡を待っていた。

午前1時15分・・そこへリーダーの男が左手を押さえて入ってくる。

その後ろには彼に銃を突きつけたゴルゴの姿が。

驚くバルドーとダニエル。

 

 

「・・顔見知りの筈だ、遠慮することは無いだろう?

 自己紹介の必要は無いな・・こんなお客さんを寄越してくれるくらいだ。」

「あ、ああ・・。」

「・・だが俺の方は、アンタに覚えは無い。

 如何して俺を殺してでもこの町から追い出そうとする?」

「な、何だって?

 お前の方こそ私達に用があって、この町にやって来た筈だ。

 それを今更、何の為にとぼけるんだ?」

「・・何の事だ?」

「ええ?・・そ、それじゃ妻を・・妻を覚えていないと言うのか?」

 

 

愕然とゴルゴを見つめるダニエル。

ゆっくりとゴルゴはダニエルを見つめ・・?

昔、ダニエルが娼婦だった事を思い出していた。

夜の町を歩いていたゴルゴが偶然、美人局に紹介されたのがダニエルだった。

その夜、ゴルゴはダニエルを買って抱いた事を・・。

 

 

「思い出した様だな・・妻の過去を。」

「・・ああ。」

「先月、妻は客だったという男から突然、電話があった。

 私を町長と知って、妻の過去をネタに脅しを掛けてきた。

 本当に、それもアンタじゃないと言うのか?」

「・・ああ。」

「そ・・そうだったのか・・。」

 

 

眉一つ動かさず、表情を変えないゴルゴに、力が抜け椅子に座り込むバルドー。

 

 

「・・この男達を雇い入れたのは・・どっちだ?」

「私だ・・全て私の責任だ・・妻は、この遣り方に反対したんだ。」

「・・ただ地位と世間体を守る為だけにしては、いきすぎているんじゃないか?」

「ゆ、許せなかったんだ・・私の妻を、娼婦として扱った男がな・・それが許せなかったのだっ!」

 

 

頭を抱え込み嗚咽するバルドー。

彼はダニエルを愛する余り、ゴルゴに凄まじい嫉妬の炎を燃やしたのだった。

そしてゴルゴは、ダニエルを見て尋ねた。

 

 

「・・もう一度、聞く・・これはアンタが考えた事じゃないんだな?」

「違うっ!

 妻は一切、関係無い・・私だ・・私の遣った事だ・・全て私の責任だっ!!」

 

 

必死に抗弁するバルドーを他所に、ダニエルはあの日の事を思い出していた。

あの・・運命の日の事を。

ゴルゴに抱かれた後、ダニエルは銃にサイレンサーを装着し、部屋を後にした。

向った先は・・美人局のところだった。

彼女は、このヒモ男から解放されたかったのだ。

 

男を射殺したダニエルは、ゴルゴの寝ている部屋へと戻った。

彼女は、ゴルゴをアリバイに利用するつもりだったのだ・・だが?

ベッドに入ろうとするダニエルに、目を瞑ったままゴルゴが話し掛けた。

驚くダニエル。

 

 

「・・断っておくが、俺にアリバイ証言をさせようとしてもムダだ。

 俺には・・関係無い事だ。

 最も・・サイレンサー付きの拳銃が凶器となれば、まさか女の遣った事とは思うまいがな。

 とにかく俺を巻き込まない事だ・・命が惜しければ。」

 

 

ダニエルは、あの時に感じた恐怖を思い出していた。

そしてゴルゴは?

 

 

「・・断っておくが、俺とアンタは全く面識がない・・俺を巻き込まない事だ。」

「ええ?」

「おおっ・・それでは、この事を忘れて貰えるんですか?・・許して貰えるんですかっ!?」

「・・二度と俺に構うな・・仲間の始末をしておくんだな。」

「あの・・ちょっと、お待ち下さい・・これは少ないかも知れませんが・・ほんの?」

「・・俺に構うなと言った筈だ。」

 

 

お金を渡そうとしたバルドーを冷たい眼で見ると、ゴルゴは去って行った。

その後姿を見ながら狼狽するダニエル。

 

 

「私は・・私は・・」

「どうした・・ダニエル?」

「私は・・実は・・」

「おい・・ダニエルッ?」

「待って・・待ってっ!」

 

 

車に乗り、立ち去ろうとするゴルゴを呼び止めようと走り寄るダニエル。

バルドーも慌ててダニエルを追う。

走り去ったゴルゴの車の後姿を見つめるダニエルの後から一台の車が?

ドアが開くと、乗っていたのはホテルでゴルゴを監視していた男だった。

 

 

「どうぞ、マダム・バルドー。」

「あ、あなた・・ねえ?・・お願い、キャンセルよ・・え?」

 

 

ダニエルの言う事を無視して、そのまま車を走り始める男。

その勢いで車に乗り込んでしまったダニエル。

走り去った車を見ながらバルドーは呆然と、ダニエルを呼び続けるだけだった。

 

 

「今度の契約を無かった事にしろと?」

「そうなのよ・・もう、あの人を殺したりしなくても良くなったの。

 手を退いて・・お願いっ・・ねっ?・・契約のお金は、ちゃんと払うから。」

「・・それは出来ませんよ、マダム。」

「えっ?・・如何してなの?・・お金は、ちゃんと払うと?」

「私の中で、もう仕事は離れているんです。

 ヤツはね・・世界的に知られた超一流の仕事師なんですよ。」

「ええっ?」

「ゴルゴ13なんてキザな呼び名で。」

 

 

男はダニエルが雇った殺し屋だったのである。

追ってくる車を感じ取るゴルゴ。

ゴルゴの車の右斜め後方につけた男は、銃を構える。

それを必死で止めようとするダニエル。

撃った弾丸は、ゴルゴの車の両窓を貫く・・ゴルゴは無傷だった。

 

 

「ヤツが今度の仕事の相手だと知った時、私の中で商売抜きに・・

 そう、商売抜きでヤツの脳天に鉛球をブチ込みたくなったんです。」

「止めてっ!」

「邪魔するなあっ?」

 

 

殺し屋に殴られるダニエルはドア側まで弾き飛ばされる。

ゴルゴも銃を構える。

殴られた頬の痛さに、あの夜の事を想起するダニエル。

 

 

 また・・あの夜が?

 

 

殺し屋が数発撃つも、ゴルゴの座席に当たったのみだった。

逆にゴルゴの一撃は、殺し屋の額を一発で射抜いた。

車はコントロールを失い・・壁へと激突する。

悲鳴を上げるダニエル・・あの夜の事が・・ヒビ割れて。

壁に激突し燃え上がる殺し屋の車。ダニエルも・・最早、虫の息だった。

 

 

「とうとう・・私は・・私の夜から・・逃げられなかった・・(ガクッ)」

 

 

ダニエルは絶命した。

彼女の横のサイドミラーにゴルゴの姿が映る・・そしてヒビ割れた。

それは、まるでダニエルの悪夢の終焉であるかの様に。

ゴルゴは・・何も語らず、ただその場を去るのみであった・・END。

 

 

 

ENDING

 

 

 

見終わった時、「えっ?」という感覚が残りました。

話は判るんですが、私には今ひとつのエピソードだったなあと。

余り面白い話では無かったのが実感です。

 

ダニエルの雇った殺し屋にしても唐突な印象もあったのは確かですが、伏線が少し足りないかな〜というのもありましたね。

話の流れが悪いとは思わないんですが、これじゃ判り難いのが実感。

ダニエルのトラウマである、あの夜も・・私には何か今ひとつで。

可も無く不可も無く・・みたいな話だったなあ。

凡作とは言いませんが、私には余り面白くなかったです。

 

 

 

さて次回ですが?

 

 

 

「ゴルゴの息子と思われる子供・・ゴルゴに狙われたマフィアの男は、その子供を利用しようと動き始める。

 彼等の思惑に孤高の男が取った行動とは?

 次回ゴルゴ13『 黒い瞳〜EBONY EYES 』 ヤツの後ろに立つな! 命が惜しければ!」

 

 

 

あれ?・・これも聞いた事はあるんだけど、思い出せない・・。

ゴルゴの子供ですかあ・・どんな話に仕上がるのか楽しみかな?

ではまた^^

 

 

 

09.03.11

 

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